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大晦日

今日は12月31日。

今年の最後の日付である。

高「今年も今日でラストかー」

ア「そうだね」

高「と、言う訳で大掃除だ」

高雅がどこからとなく掃除道具が入ったバケツをドンと出した。

高「ここに住んでいるには協力を回避させないからな」

ア「そんな事しないよ」

レ「世話になっている感謝のようなものだ」

フ「じゃあ、ボクはそこら辺の雑巾掛けをするです」

エ「では、僕は廊下を」

サ「私は台所をするかのぉ」

シ「えっとぉ・・・えっとぉ・・・」

フィーラ、エクス、サミダレは勝手に道具を取って行ってそれぞれ勝手に決めた持ち場に向かった。

高雅はてっきり嫌がるかと思ったが、自分から行動するのを見て内心驚いていた。

高「それじゃ、俺は自分の部屋をやるから、お前らも何かしろよ」

ア「了解」

レ「任せろ」

シ「えっとぉ・・・えっとぉ・・・」

高「シリアはアリアと一緒に掃除しろ」

シ「はぁい♪」

こうして、それぞれの行動が始まった。



高雅view


高「さてと、最初は当然、上からやりますか」

高雅はマスクをし、はたきを使ってほこりを落とす。

落とした埃は掃除機を使って吸い込み、その後雑巾掛け。

至って普通で何もない事だが、この間、僅か1分。

高「次は窓だな。その次は壁をやって、後は買いだしで―――」

高雅はさっさと終わらせる作戦にでていた。

それが何のためかは大体察しの通りです。

高「人間の三大欲求は睡眠、爆睡、熟睡だ」

人間じゃない人が偉そうに三大欲求を欲求すらなくさせていた。

高雅はハイスピードで掃除を終わらせようとしていたのであった。



アリア・シリアview


ア「じゃあ、私達は玄関でも掃除しよっか」

シ「はぁーーい」

アリアは箒を使って玄関をわき、それをシリアが塵取ちりとりで取る。

綺麗な連携に思われたが少しだけ穴があった。

シ「ふぁ・・ふぁ・・・っくしゅ!!」

ア「あっ!!」

シ「あぁ・・・」

極度に小さな塵がシリアの鼻をくすぐったのか、勢いに乗ったくしゃみは塵取りのゴミを吹き飛ばしてしまった。

何度も集め直しては吹き飛ばし、また集めては吹き飛ばしの繰り返し。

ア「・・・・私が塵取りするから、シリアちゃんは箒をお願い」

シ「はぁい」

結局、役目を入れ替えて再度始める。

しかし、思い通りに行かないであった。

ア「ちょ!?・・ケホッ・・シリアちゃん!!。強く掃き過ぎ!!」

シ「あははははぁ♪。お掃除たのしぃ」

こんな調子で掃除が全く進まなかったのであった。



レオ・フィーラview


レ「我々はリビングでも綺麗にするか」

フ「よーし、任せろです」

フィーラが張り切って雑巾を掛け、走り回る。

レ「ま・・待つのだ、フィーラ殿。まずは物を退ける作業からだ」

フ「じゃあ、レオに任せるです。ボクは雑巾を任せろです」

レ「では、少し待ってくれ」

レオは急いでリビングにある物を退ける。

それと同時にフィーラが雑巾を掛けまわる。

レオが必死にフィーラのペースに合わせているのだ。

フ「ほらほら、退くです」

レ「少しは手加減してくれ」

フィーラが問答無用で走り回る。

レオはついて行くだけで必死だった。

最早、空気は完全にフィーラのものになっていた。

フ「続いてワックスです」

レ「はー・・はー・・で・・では、我は窓を掃除しておこう」

全速力で物を退けたためか、既にレオの体力は半分以上消費していた。

そして、レオが過労で倒れたのはちょっと先の話である。



エクスview


エ「まずは、モップで埃を取ってだな」

エクスはモップを片手に廊下を掃除し始める。

エ「しかし、ここに来て僅かだと言うのだが、コウガ君はかなり成長したものだな」

掃除をしながら高雅の変わりように驚いていた。

出会ってまだわずかだと言うのだが、高雅は相当変わっていた。

エ「正直、あんなに強くなるとは・・・さらにはあのルシフェルを超えるとは・・・ハハ。最早、誰もコウガ君を止められないな」

高「何か呼んだか?」

エ「あ、いや、ただの独り言」

高「そうか。俺は買い出しに行ってくるから、留守番を頼む」

エ「もう掃除は終わったのかい?」

高「ああ、軽くな。それじゃ、行ってくる」

エ「行ってらっしゃい」

高雅を見送り、自分も早めに切り上げようとペースを上げ始めた。



サミダレview


サ「さぁ、軽く始めるかのぉ」

サミダレは早速、台所の整理を始める。

サ「・・・・なんじゃ、綺麗に片付いておるのぉ」

普段、高雅が片づけている為か、台所は全く持って汚れていなかった。

サ「これじゃ、掃除のしどころがないのぉ」

台所を隅から隅まで探すも、ゴキブリ一匹住めそうな場所すらない。

高雅の衛生管理が100点満点である。

仕方なく、冷蔵庫を開けてプリンを取り出す。

どこが仕方ないのかはツッコミなしで。

サ「さて、頂くかのぉ」

フ「あーー!!、ずるいです!!」

休憩にやって来たフィーラと鉢合わせになってしまった。

プリン好きの二人はこれに関して完全にライバルである。

サ「ふふふ、取ったもん勝ちじゃ」

フ「待つです!!」

サミダレが逃げ始め、それを追うフィーラ。

掃除をそっちのけでプリン合戦が始まってしまった。








時がたち、辺りは暗闇に包まれていた。

あれから高雅の家はピカピカになり、年越しの準備を迎えていた。

高「23時50分。ふぁ~、ねみぇ」

ア「寝ちゃダメだよ。年越しぐらいは起きていないと」

高「とか言ってるけどな・・・」

辺りを見渡すと、既に高雅とアリア以外は全員眠っていた。

高「俺ら以外、全滅じゃねえか」

ア「あ・・あははは・・・まぁ、敵討かたきうちってことで」

高「かたきは誰だよ、おい」

ア「えっと・・・」

高「悩むな」

アリアは言い訳を考えていたのか、唸っていた所を高雅に止められた。

ア「あははは。でも、今年はいろいろ変化があったんじゃない?」

高「あり過ぎる。お前と出会って滅茶苦茶だ」

ア「それはどういう意味で?」

高「・・・・良くも悪くもない意味でだ」

ア「そっか・・・今年はどうだった?」

高「・・・・・・・・色々と信じられない」

ア「それもそっか」

高雅は今年の出来事を振り返ってみた。

高「だってよ、お前と出会い、変に命を狙われるの、俺が人外だの、仲間が増えるだの、生活が180度変わった」

ア「でも、良くも悪くもないでしょ」

高「・・・まあな」

高雅は傍らに置いてあったジュースを飲む。

ア「・・・私は良かったかな」

高「へぇ。どこが?」

ア「だって、色んな友達を作ったり、怖かったけど色々な体験をしたり、とても有意義な一年だったよ」

高「そんな、ありきたりな。まぁ、やった事はありきたりじゃないが」

ア「まぁ、何よりコウガに出会えた事が一番の幸せかな」

高「?」

アリアが突然変な事を言ったと高雅は思い、?マークを浮かべていた。

ア「だって、この出来事全てがコウガと一緒だったから。コウガがいなかったらこんな楽しい出来事達にはあわなかったよ」

高「命狙われ、幾度の血を流しまくったのが楽しい思い出って言うのか?」

ア「そ・・それは違うよ。誤解だよ」

高「ふっ、嘘だよ。お前がそんな奴じゃないって俺は知ってる」

ア「もー」

高雅のちょっとした意地悪にアリアの頬が膨れる。

しかし、アリアも分かっていたのか、膨れっ面はすぐに笑顔に変わった。


ゴーン・・・ゴーン・・・


そんな時、鐘の音が辺りに鳴り響いた。

ア「?、こんな時間に鐘?」

高「除夜の鐘だ」

ア「じょやのかね?」

高「要するに、年明け間近って訳だ」

レ「それは少し違うのではないか?」

起きてきたレオが高雅に問う。

レオだけでなく、他の皆も丁度起きていた。

高「細かい事は気にするな。気になるならggr」

フ「みゅ~、何かうるさいです~」

シ「ふぁぁぁ、何の音ぉ?」

エ「んなことより、蕎麦食おうぜ蕎麦」

サ「年越し蕎麦を食べてみたいのぉ」

高「そうだな。よし、用意するか」

ア「私も手伝うよ」

高雅とアリアは立ちあがり、台所へ向かう。

ほぼ用意されていたので、後は蕎麦を茹でて盛りつけるだけである。

除夜の鐘の音を聞きつつ、出来上がった頃には丁度108回目が鳴った。

高「いっちょ上がり」

ア「どうぞ」

高雅とアリアが蕎麦を皆の前に運び、自分達も席に着く。

そして、高雅から一言。

高「あけましておめでとう。これからもよろしくな。んじゃご一緒に―――」


全「いただきまーす(です)(ぅ)」


こうして、高雅達の1年を締めくくり、新たなる年が始まった。

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