高雅の平和な休息
今回は日常かな?
高雅は久しぶりに学校へ登校していた。
しかし、今日は授業が無く、終業式だった。
その為、朝から体育館に並んでいる。
校「え~、短い期間の休みですが、羽目を外しすぎないように―――」
そして、恒例の校長スピーチ。
冬の体育館は気温がかなり低く、全員の体力をも削っていた。
高「・・Zzz」
しかし、その中でも立ったまま高雅は寝ていた。
ア「相変わらず、どこでも寝るんだね・・・」
誰にも聞こえないようにアリアが呟いた。
そして、30分経過したところで、やっと校長の話が終わった。
その後、校歌斉唱や諸連絡などがあり、終業式は幕を閉じた。
高「・・・・Zzz」
終わったと言うのに、高雅はまだ眠っていた。
それを優しく龍子が起こしてあげた。
龍「高雅君・・・終わったよ・・・」
高「・・・・Zzz」
龍「起きない・・・」
ア「いいよ、私がどうにかするから、先に教室に戻ってて」
龍「じゃあ・・・・任せるよ・・」
龍子はアリアに高雅の事を任せ、自分は先に教室へ返った。
アリアは誰もいなくなった所で姿を現し、高雅を揺すった。
ア(誰もコウガに声をかけないなんて・・・)
アリアは龍子以外の皆が高雅を無視したことに少しイラついていた。
そんなことを思いつつもアリアは高雅を揺する。
ア「ほら、もう終わったよ。起きてよ」
高「むにゃ・・・俺の・・・眠りを妨げるなぁ~」
ア「いっ!?」
高雅は寝ぼけながらアリアの顔面にストレートパンチを繰り出した。
アリアは寸前で避け、尻もちをついた。
ア「これか・・・」
そして、高雅が起こされなかった理由を自ずと理解した。
その後、何度もパンチを避けながらも高雅を起こした。
教室で先生が前で話している中、高雅は普通にドアを開け、席に着いた。
皆が高雅に注目する中、高雅は普通に寝た。
先「寝るな!!」
先生の魔球チョークが飛び出す。
そのチョークは縦にジグザグを描きながら高雅の頭へ飛んでゆく。
名称、W(ホ○イト)チョークである。
しかし、そのチョークは高雅の頭から逸れ、何故かAの頭に直撃した。
A「あがっ!?」
先「ちっ、未完成か・・・」
などと呟きながら、本題に入った。
A(未完成かよ!?)
Aは心の中でツッコミながらも頭を押さえていた。
ちなみに、先生の技は決して未完成ではなく、高雅の日頃出ている殺気で逸れたのである。
高雅の眠りバリアみたいな物である。
先「それでは、大掃除に入ります。日頃していない部分も徹底的にしますので、皆さんしっかりと掃除するように。特に崎村君は人一倍掃除するように」
先生が釘を打つも、高雅は爆睡しており、全く聞いていない。
先生の話しが終わったところで、皆(高雅は除く)は一斉に机を後ろに下げ始める。
その後、高雅は龍子に起こされ、しょうがなく掃除に参加した。
高雅の担当場所は黒板であり、他にAとCと龍子、そして夢がいた。
A「おい、高雅。黒板消しでも叩いてくれ」
高「俺に命令、さらに、下の名前で呼んだため、処刑を決行する」
A「出来るものならやってみな」
高「上等!!」
高雅とAは掃除をすっぽかして喧嘩に入った。
高雅は置いてあった4つの黒板消しをまとめて投げる。
Aはそれを箒で打ち返した。
しかし、打つ所が悪く、Aの周りにチョークの粉が漂った。
A「しまっ!?」
完全に視界が奪われ、殺気と音だけで高雅を探そうとする。
しかし、Aはそこまで器用ではなく、呆気なく、高雅に後ろを取られていた。
高「出直しな」
A「なっ!?」
ゴンッ!!
高雅は持っていたバケツでAの脳天に一撃を加えた。
Aはばたりと倒れ、気を失った。
夢「・・・・って、人手を減らしちゃだめでしょ!!」
高「お前が人三倍働けばいだけだ。んじゃ・・・Zzz」
夢「嫌だよ!!。たまには真面目に働けよー・・・って、聞いてないし」
龍「仕方ないよ・・・二人で頑張ろ?」
C「あの・・・俺は?」
夢「・・・そうだね。二人で頑張ろう」
C「おい!!。少しは活躍させてくれ!!」
龍「じゃあ・・・黒板消しは・・・私が綺麗に・・する」
夢「それじゃ、あたしは溝を綺麗にする」
C「じゃ、俺は全体を・・・・って、無視するなゴラァ!!」
結局、Cは龍子と夢に気付かれず、無視され続けた。
決して、いじめで無視している訳ではない。
本当に気付いていないのだ。
C「・・・・・・鬱だ、死のお」
結果、男性陣は碌に働かずに終わった。
龍子と夢の連携で黒板はより綺麗になった。
飛んで放課後。
昼に終わったため、高雅は家に行かずに商店街によっていた。
高「今日は楽園組は飯の日じゃないし、適当にフードショップで済ませるか」
ア「何で?」
高「あいつらがいると、何かゆっくりと飯が食えない」
ア「まぁ、少し分かる気がする・・・」
高雅が家の事を思っている時、丁度高雅の家では・・・
フ「あーー!!、ボクのプリンが無いです!!」
シ「プリィン?、美味しかったよぉ」
フ「もしかして、食べたです!?」
シ「うん!!」
元気良く頷くシリアに対し、怒りで震えだすフィーラ。
フ「吐きだせですううううううううう」
シ「きゃわぁー♪」
怒るフィーラに笑いながら逃げまどうシリア。
夢幻を使いながら追い掛けるも、何故かシリアは効かない。
レ「全く、騒がしいな」
エ「いつもの事ではないか」
サ「そうじゃのぉ」
それを傍観する平和組みの三人。
しかし、火の粉が降りかかるのは言うまでもない。
フ「三人とも手伝えです!!」
レ「何故我らが?」
フ「いいから手伝えです!!。ボクのプリンを取り返すです!!」
サ「無理じゃ。既にシリア殿の栄養分として吸収されておる。諦めるのじゃ」
シ「かわいそぉ」
フ「お前の所為です!!」
再び始まる鬼ごっこ。
シリアは常に笑いながら逃げ、フィーラはその度に怒りが上昇していた。
レ「コウガ殿、早く帰って来てくれ」
レオが切願するも、それは叶わぬ願いだった。
家でそんなことが起きている事も知らずに高雅は某ハンバーガーショップで昼食を取っていた。
高「偶には一人でのんびり食べるのも悪くないな」
ア「私がいるけど」
高「人間状態じゃなければノーカンだ」
そう言ってポテトを摘まむ。
高雅はゆっくりできる貴重な時間を満喫していた。
高「さて、偶には遊んで帰るか」
ア「完全に家をほったらかしてるね」
高「こんな事をしても罰は当たらないって。いつも迷惑掛けられてるからな」
ア「はぁ、しょうがないか」
高「そう言う事だ」
高雅は食べ終わったゴミを捨て、店を出た。
向かった場所は学生の寄り道トップテンにきっと入るであろうゲーセンである。
高「まぁ、調べてないし、願望系になるな」
ア「?、??、???」
高「これまた懐かしい」
そんなことを呟きながらも目的地であるゲーセンに辿り着いた。
そして、一目散にガンシューを目指す。
高「久々うちますか」
1コイン入れていざ始める。
そして、ノーコンノーミスを叩きだし、ゲームを終える。
しかし、ランキング1位ではなかった。
高「上には上がいるな」
ア「コウガより上手い人がいるんだ」
高「もはや、人外だな」
ア「高雅は本当に人外でしょ」
高「まぁ・・・そうだな」
そう言って場所を後にし、今度はクレーンゲームの場所へ行く。
また1コイン入れてクレーンを動かし、商品を頂く。
高雅からすれば、ただの100ショップである。
高「はいゲット」
手に入れたのは可愛らしい猫のぬいぐるみである。
ア「どうするの、それ?」
高「ん~・・・お前にやるよ」
ア「えっ!?」
高「何だ、嫌か?」
ア「いや・・・そうじゃなくて」
高「じゃあ、受け取れ」
ア「うん・・・ありがと///」
アリアは嬉しそうに呟いた。
やると言っても、アリアはブレスレット状態の為、帰ってからやることになっている。
その後、一通りのクレーンゲームを制覇し、ゲーセンを後にした。
時間潰しは終わり、高雅は帰路に着いた。
高「ん~、いい暇つぶしになったな」
ア「そうだね。家ではどうしてるかな?」
高「知らん」
ア「きっぱり言ったね」
高「知らん物は知らん。まぁ、どうにかしてるだろ」
ア「家が無くなってたりして」
高「・・・それ、フラグ」
そう言って最後の曲がり角を曲がる。
そこからは高雅の家が見えるはずだったが・・・
高「残念、フラグブレイカーでした」
普通に高雅の家が見えました。
高雅は玄関に立ち、ドアノブを回す。
高「ただいま~」
高雅が声を出すも、誰も返事を返さない。
不審に思い、リビングの扉を開けながらもう一度声を掛ける。
高「ただ・・・」
その先の言葉が出なかった。
中は散らかっており、無茶苦茶な状態になっていた。
高「ど・・どうなってんだよ!?。皆は!?」
ア「まさか・・・敵襲!?」
高「くっ・・・俺が油断したからか」
今になって後悔してももう遅い。
既に起こった事を戻す事など不可能だから。
ア「とにかく、皆を探そう!!」
高「そうだな。それが先決d「わぁ!!」ぶっ!?」
可愛らしい声と共に、高雅の腹にタックルして来たのはシリアだった。
本人は驚かそうとしているのだが、全く別の方向になってしまっていた。
シ「あはははぁ、お帰りぃ」
ア「シリアちゃん!!。皆は無事!?」
シ「えぇ?、無事に決まってるよぉ」
フ「そこにいたです!!」
ア「フィーラちゃん!?」
シ「あははぁ、バレちゃったよぉ」
フ「待つです!!」
フィーラとシリアの追いかけっこはまだ続いていた。
そして、後からレオ達も姿を出した。
レ「おお、帰っていたか、コウガ殿」
エ「早速で悪いが、あの二人を止めてくれ。僕らでは手に負えない」
高「・・・テメーら・・・」
高雅がゆっくりと起き上がり、殺気を溢れださせる。
それに気付いた皆は体が硬直し、冷や汗をかきだした。
高「全員、そこに直れ!!」
そして、追いかけっこに高雅も加わり、さらにヒートアップしたのは言うまでもない。
まぁ、結果は言うまでもなく高雅が勝つのだが。




