表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
143/194

最悪の贈り物編 その17、高雅VSルシフェル(2)

高雅とルシフェルの戦いは、ますます激しくなっていた。

吹き飛ばしたかと思えばすぐに接近し、吹き飛ばし返す。

やっとの思いで掠り傷を負わせたと思えば、すぐに同じ傷を負わせる。

そんな一進一退の攻防が続き、やがて辺りは夜の闇に包まれていた。

さらに、高雅とルシフェルの戦いにより、緑淵町の住民は避難をいられていた。

高「つぅ・・うらぁ!!」

ル「ぐっ・・・ふん!!」

互いの攻撃が通り、両者のダメージは大きかった。

それでも、攻撃の速度を落としたりはしていない。

高雅はルシフェルの攻撃を大きく弾いて距離を置いた。

ルシフェルは追撃をせずに、その場で落ち着いた。

高「ぜぇ・・・ぜぇ・・・つらいなぁ・・・」

ア「大丈夫?。まだ行ける?」

高「ああ。だが、このままだとジリ貧だな。お互い様だが」

ア「何か手はあるの?」

高「全くない。相手のミスを拾う以外はな」

ア「でも、どうやってミスを誘うの?」

高「だから、そんなの行きあたりばったりで行くしかない」

高雅は深呼吸してルシフェルに向き合う。

足に力を入れ、一気に跳んで近づこうとしようとした瞬間、思わぬ邪魔が入った。

?「高雅君!?」

高「ッ!?」

ア「この声・・・リュウコ!?」

見下ろすと、そこには高雅を心配そうに見つめる龍子の姿があった。

思いもよらぬ人物に高雅は一瞬の隙を見せてしまった。

高雅はしまったとばかりに急いでルシフェルの方を見るも、既にいなくなっていた。

龍「きゃああああああああ」

高「なっ!?」

龍子の悲鳴が聞こえ、視線を龍子に向けるとルシフェルが龍子の首に槍を突きつけていた。

ル「勝負ありだ」

高「卑怯ひきょう者が!!」

ル「戦いに卑怯はない。当然の事だ」

高「くそっ!!」

ル「ふっ」

ルシフェルは高雅の動けない隙を狙って一気に接近した。

高雅は殺気を読み取れず、ルシフェルの接近に少し怯んでしまった。

高「しまっ!?」

ル「死ね」

ルシフェルが高雅の心臓目掛けて突きをくり出す。

今の高雅に避けれる術は無かった。

しかし、高雅の心臓に刺さる寸前に虚無のシールドが展開され、高雅の身を守った。

それは言うまでもなくアリアのお陰だ。

ル「ちっ」

高「助かった」

ア「どういたしまして」

高雅は短く礼を述べ、すぐさま龍子のもとへ下りた。

龍「わっ!?・・高雅君!?」

高「このバカが!!。激戦区に来るやつがあるか!!」

龍「だ・・だって・・・心配で・・」

高「俺はピンピンしてるから、さっさと逃げ・・ちっ」

高雅は龍子と話しの途中に振り向きと同時に剣を振るう。

それは丁度ルシフェルの槍の先端を受け止めた。

高「いいから逃げろ!!。腰を抜かして動けなくなる前に!!」

龍「あ・・・ああ・・・」

龍子は目の前に光景に恐怖し、口を開いて震えていた。

それを一瞬で悟った高雅はルシフェルに問いただした。

高「テメッ、何かしただろ!?」

ル「金縛り程度の殺気を与えた。大事な人質だからな」

高「龍子は関係ねえだろ!!」

ル「お前を殺す為の大切な道具だ」

高「黙れぇ!!」

高雅がルシフェルを弾き飛ばす。

ルシフェルは空間の中へ姿を消し、高雅の視界から消えた。

ル「さあ、その娘を守りながら私を倒せるか?」

ルシフェルの声だけが響き、姿は見当たらない。

高雅は五感と殺気を研ぎ澄まし、全力でルシフェルを探す。

その間にアリアが龍子に話し掛けた。

ア「リュウコ、大丈夫?」

龍「え・・・アリア・・?」

ア「うん、リュウコは私とコウガが絶対に守るから。だから、安心して」

龍「ご・・ごめんなさい・・・」

ア「謝らなくていいよ。仕方ないよ、リュウコはコウガの事を思ってたんだから」

龍「でも・・・」

ア「そんなに責任を感じないで。大丈夫だから」

高「・・・・見っけ」

アリアが龍子を落ち着けている内に高雅がルシフェルを探し当てた。

それを聞いたアリアが会話と終え、気を引き締める。

高「アリア、お前は龍子を見守れ」

ア「え・・でも、それじゃコウガが危険だよ。さっきだって危なかったし」

高「お前が龍子をちゃんと見てれば、もうあんなヘマはしない」

ア「そう?。じゃあ、リュウコを優先に見守るよ」

高「頼む」

話しを終え、高雅は剣を一本だけ地面に刺した。

そして、空高く跳び上がり、五感と研ぎ澄ました目で空間の歪みを斬った。

斬った先にはルシフェルの姿があった。

ル「ほぉ、殺気を消したつもりだが」

高「殺気だけじゃないのを教えたのはお前だろ」

ル「確かにそうだ。しかし、これだけ離れて守れるのか?」

そう言ってルシフェルは再び空間へ姿を消した。

出てきた場所は読むまでもなく龍子の近くだ。

龍「きゃ!?」

ル「ほぉ、虚無のシールドか。しかし、この程度の壁など他愛もない」

ルシフェルが虚無で虚無を打ち消そうとした瞬間、近くに刺さっていた剣が抜け、空高く上がった。

その行為はまるで龍子を見捨てるかの様に見てとれた。

ル「結局、見捨てるのか。やはり、人間など邪魔でクズだからな」

ルシフェルが龍子を守っているシールドに手を伸ばす。

しかし、そう思い通りに行かせないのが高雅クオリティーである。

ル「ッ!?、これは!?」

気付いた時には既に時遅し。

ルシフェルの足下には膨大な範囲に爆破の力が掛かっていた。

高雅が剣を刺したのは龍子を見守るのと同時にこの為でもあった。

地面には大量の爆破の力が込められていたのだ。

さらに、一度着地したら動けなくするように静寂も込められていた。

龍「わっ!?」

突然、龍子の足下に空間が開き、どこかへ消えた。

そして、爆破の力が発動をし始めた。

ル「くっ!!、くそぉぉぉ!!」

ルシフェルが叫ぶと同時に巨大な爆破の力が発動した。

半径1キロに及ぶ大爆発である。

緑淵町が半滅したと言っても可笑しくない。

それを高雅は龍子を抱えながら見下ろしていた。

ちなみに、双剣は腰に刺しています。

高「逃げた感じは無い。直撃したな」

龍「・・・・///」

高「?、龍子?」

高雅に抱えられ、零距離で見える顔に恥ずかしくなっていた。

不意に目が合うとすぐに目を逸らした。

高「・・・あっ、高い所がダメか?」

ア「雰囲気が変わっても鈍感は変わってないね」

高「・・取りあえず、どこか下ろす・・ッ!?」

高雅は龍子を片手で持ち、剣を構える。

それと同時に爆煙をかき分けてルシフェルが飛んで来た。

今度は槍ではなく、剣を持っていた。

高雅はルシフェルの剣を見切り、剣で受け止めた。

高「さっさと、くたばれよ」

ル「容赦のしない私を倒す事などは不可能だ」

高「だが、爆発は少なからずダメージが通っているようだ」

ルシフェルの体は爆発にやられダメージが通っていた。

だが、それでもルシフェルの調子が狂う訳ではない。

高「ちっ、龍子を抱えながらじゃ辛いな」

龍子を抱えている為かうまく力を入れる事が出来ず、押し返す事が出来なかった。

ル「くっくっく、そのまま真っ二つにしてやる」

両手のルシフェルに対し、高雅は片手で耐えている。

あからさまに不利であった。

だが、思わぬ転機が高雅にやって来た。

ル「ん?」

高「あ?」

突然、高雅達目掛けてミサイルが飛んで来たのだ。

まっすぐ向かってくるミサイルを見て、ルシフェルは一旦高雅から離れた。

すると、ミサイルはルシフェルの方へ軌道修正をしたのだ。

ル「くっ」

避けれそうもなかったので仕方なく、ルシフェルは虚無のシールドを展開して防いだ。

その間に、高雅は龍子を下ろしていた。

高「一体、何だ!?」

高雅はミサイルが飛んで来た方を見ると、そこにはランチャーを装備したヘリコプターが飛行していた。

さらに、ヘリについてあるスピーカーから聞き覚えのある声が聞こえた。

凛「高雅さん、大丈夫ですか!?」

高「この声は凛か!?」

凛「私が助けに来ましたわ」

高「ただの邪魔だけどな・・・」

高雅は誰にも聞こえないように愚痴を零した。

そんなことに構わず、ヘリがルシフェルに目掛けてミサイルを連発する。

だが、高雅は当たっていない事は分かっていた。

高「・・・取りあえず、龍子を連れて逃げてもらうか」

そう言って、高雅は目の前の空間を開き、一気にヘリの中へ潜入した。

凛「こ・・高雅さん!?」

高「よぉ、凛。久しぶりだな。取りあえず、龍子を任せるから逃げろ」

凛「な・・・何勝手な事を言いますの!?。それに、もう決着はついたはずですわ」

凛がモニター越しに爆煙を指差す。

一般人から見ればミサイル直撃=死亡と言うことだろう。

だが、相手は人間でもない化け物である。

高「残念ながらノーダメージだ。早く逃げろ」

凛「嫌ですわ!!。このまま引き下がりたくありませんわ!!」

高「ここにいても死ぬだけだ!!。負け戦なんてするな!!」

凛「負け戦じゃありませんわ!!。現に倒していますわ!!」

高「だから傷一つ付けられt「コウガ!!」ちっ」

アリアが高雅を呼び、高雅はすぐに空間を開いて外に出ようとした。

しかし、凛が高雅の手を掴み、行かせないと引っ張った。

高「ったく、何だよ!?」

凛「行かせたくありませんわ。あんな危険な所に・・・」

高「だからって、あいつを放っておくといずれこの世が終わるぞ」

凛「それでも・・・」

高「あー、もう!!」

ア「コウガ、私が話してみるよ」

高雅に代わり、アリアが凛に話しを掛ける。

ア「リンちゃん、コウガは死なないよ」

凛「!?」

死なないという言葉に反応する凛。

アリアはゆっくりと話の続きをした。

ア「それに、コウガはリンちゃんやリュウコをこれ以上、非現実な出来ごとに巻き込みたくないんだよ」

高「・・・・・・」

ア「リンちゃんは普通の女の子なんだから、危険なことに身を乗り出す必要はないんだよ。リュウコも同じだよ」

龍「あ・・・・うん・・」

ア「とにかく、今は逃げて。それと、この事の記憶は消すから。既に教えておくね」

凛「え!?」

龍「どうして・・?」

ア「だから、少しでも普通の女の子にさせる為だよ。だから、コウガの気持ちを分かってあげて。ね?」

凛「・・・・・・・・」

龍「・・・・うん・・・」

凛は無言で、龍子は答えて頷いた。

高雅は照れ臭かったのか、何も言わずにヘリの外へ出て行った。

それと同時にヘリは旋回し、どこかへ飛び去った。

高「これでよし」

ア「コウガも、少しは素直にいいなさいよ」

高「俺はいつでも素直だ」

ア「よく言うよ・・・」

高「それより、ルシフェルに何か変化があったんじゃないのか?」

ア「そう言えば、そんな感じがしてコウガを呼んだんだけど・・・」

まだ晴れていない黒煙の先にルシフェルがいる事は分かる。

さらに、殺気が徐々に大きくなっているのも手に取るように分かっている。

ル「・・・お前らは最大のミスを犯したな」

高・ア「ッ!?」

突然、煙が弾け飛び、中からルシフェルの姿が現れた。

さらにルシフェルの武器である剣が二つに、双剣になっていた。

ル「私が本気を出すためには少々時間が掛かるのだが、それを与えてしまったようだな」

高「・・・・なーんだ、やっと本気になってくれたか」

そう言って、高雅は腕を回し、指を鳴らした。

高「つまり、今度こそ、お前を倒せばお終いだな」

ル「そう上手く行くとおもうか?」

お互いに得意とする得物を持ち、殺気をぶつける。

そして、同時に動き出し、本気のぶつかり合いが始まった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ