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最悪の贈り物編 その12、待つ者と行く者

塔の内部に入り、適当に降りているとエクスと合流した高雅はアリアを空中に寝かせていた。

床に寝かせるのも悪いし、寝かせる場所が無い為こうしているのだ。

A「なあ、これはどこのシー○」

高「知るか」

レ「なあ、コウガ殿。どうして力が使えるのだ?」

レオはふと思った事を口にした。

高「そりゃ、ルシフェルの意思をぶったおした時に力をちょいっともらった訳。まあ、ちょいっとと言っても殆どの力があるけど」

そう言って高雅は色んな力を披露する。

まず、Aを活性の力でぶん投げ、空気抵抗を消失で失くし、壁にぶつかる寸前で方向を操って高雅の方に戻し、高雅にぶつかる瞬間に今度は空間を開き、出た先は塔の外だった。

A「うわあああああああああああ、何でだああああああああ」

何故、自分を実験台に使ったのか分からずに落ちてゆくA。

それを見ていたレオ自身も理解していなかった。

レ「・・・まぁ、大体分かった」

エ「ところで、シリア君はどうしたんだい?」

高「知らねえよ。あいつはどうでもいい」

サ「酷いのぉ」

高「んなことより、どうしてアリアは起きねえんだよ?」

かれこれ30分は眠ったまんまである。

何度も声を掛けてやったが全く起きなかった。

フ「コウガ様の力でどうにかできないです?」

高「出来たら苦労しない。活性や再生を施しても全く無意味だ」

レ「だが、力が使われているようではない。我の目には何も映っていない」

高「・・・なあ、レオ。ちょっと俺の手を見ててくれ」

レ「?、分かった」

高雅は何か思いついたのか、手に力を込める。

そして、レオがその手を見る。

高「何が見える?」

レ「・・・何も見えない。全くだ」

高「そうか」

フ「今、何をしたです?」

高「マリアのもう一つの力だ」

エ「ま・・マリア様のもう一つの力!?」

サ「血が繋がっているとは言え、誰も習得出来ないあの力なのか!?」

高「そーゆーこと。ルシフェルと戦っている時に何か習得した」

フ「こ・・コウガ様は相変わらず凄すぎです」

高「しかしまあ、マリアの力を使っているとは厄介だ」

A「どうにか、ならないのか?」

いつの間にか戻って来たAが何事もなく話に入る。

高「能力だったら虚無で消せるが、マリアの力はそんな、やわじゃない」

エ「なあ、コウガ君。そのマリア様の力とルシフェルの力について詳しく教えてくれないか?」

高「ん?、ルシフェルの力は簡単に言えば全ての力を強化するみたいなものだな。その代わり、自分の意思を強く持たないと狂われる。もっと簡単に言えばバーサーカーだな」

フ「コウガ様は狂わないです?」

フィーラが最も注意すべき点を聞く。

心配そうに見るフィーラを高雅は頭を撫でながら答えた。

高「大丈夫だ。あいつの意思に勝った俺が狂う訳がねえ」

フ「ふぅ、良かったです」

エ「では、マリア様の力は?」

高「簡潔に言えば対闇属性の攻撃かな」

エ「そうか、では、マリア様のもう一つの力と言うものは?」

高「ん~・・・何と言うか、創生+虚無みたいなものかな?。まあ、生命を自由に操ったり、有生物を創ったりみたいなものか。それに虚無を重ねるんだ」

フ「創る所は創造と同じです?」

高「同じと言えば同じだが、マリアの力は使った後、創生物を残して力自体は無くなるんだよ」

A「成程、分からん」

高「お前に分かるように言うと、あるカードゲームでリビングデッドはモンスターを復活させても、そのカードは場に残るだろ?。だが、死者蘇生は復活させた後は消える」

A「成程。で、それがどうなるんだ?」

高「同じ例えを使うと、リビングデッドが消えればそのモンスターも消えるが、死者蘇生はその場に無い為、直接モンスターを倒さなければならない。しかし、そのモンスターは魔法、罠、効果を受け付けない」

A「つまり、アリアの仮死状態は既に力は掛かって無く、かつ別の力で治せないって訳?」

高「そうだ。だから虚無とか使っても無意味だった訳。でも、再生が通用しないのはマリアの力自体に虚無があるからだ」

高雅はやっと理解してくれ、疲れを溜息を表現した。

その言葉を聞いたフィーラがあることを思いついた。

フ「だったら、コウガ様がマリア様の力でアリア様を起こせばいいです」

高「それが出来たらとっくにやってる。マリアのもう一つの力を扱うのはかなり難しいんだ。仮死と言ってもほぼ死んでいるに等しい。それを復活させるのなんて相当難しいんだ。もしミスれば一生起きない」

エ「では、アリア君を起こすにはナノトムの協力がいる訳か」

高「そうだな。賭けしてミスったらやばいし、これはあいつにやらせるか」

サ「それじゃ、奴の所へ向かうかのぉ」

高「まあ、待て、丁度いい仲間が近くにいるだろ?」

シ「それってぇ、あたしぃ?」

屋上にいたはずのシリアがいきなり現れた。

高雅は殺気で気付いていたが、他の皆は気付いてなくて驚いていた。

高「・・・お前は・・・ビミョーだな」

シ「えぇ、何でぇ?」

高「あいつの殺気を読み取ると、お前がいると色々と厄介なんだよ」

A「そっか。お前、敵の考えが分かるのか」

高「まあな。どうやら、シリアを媒介として生き返るみたいだし、シリアをどうにかしてから奴を叩かないとどうにもならない」

シ「ふぇ、そうなんだぁ」

高「それに、シリアの力を使って再生してるから、再生を繰り返されると、いずれシリアが死ぬ」

レ「成程。犠牲を出さないコウガ殿らしい考えだな」

高「そんなんじゃねえよ。ただルシフェルを倒すための作戦なだけだ!!」

フ「雰囲気が変わっても、優しさは変わらないです」

高「るっさい!!。とにかく、相談に乗るためにある奴らを助けに行くぞ!!」

高雅は照れ隠しのような空間を開け、そそくさに入って行った。

その光景を笑いながら皆は後をついて行った。

その先は薄暗い牢獄の中だった。

高「親父、母さん、兄さん、迎えに来たぞ」

文「!?、高雅!?。無事だったのか!?」

紗「高雅なの!?」

勇「高雅!?」

やって来たのは文夫達がいる所だ。

高雅は触れることなく文夫達の鎖を解いた。

高「早速で悪いが相談がある」

文「何だ、相談って?。てか、雰囲気変わったな」

高「それは置いといて、ルシフェルについて知っている事を全て話してくれ」

紗「どういうこと?。それに、アリアは?」

高「まぁ、今からルシフェルを倒しに行きたいが、こいつを使って復活するんだ」

そう言ってシリアの頭をポンポン叩く。

文「そうか。ルシフェルはシリアを媒介とし、再生をしていたのか」

高「で、どうすればいいかなぁ~って迷っている所だ」

紗「成程ね。じゃあ、そのことは私達に任せていいわよ」

勇「ところで高雅、お前の嫁はどうした?」

高「アリアは嫁じゃない」

勇「あれ~、別にアリアの事は言ってないんだけどな~」

高「・・・・殺すぞ」

勇「弟が兄に勝ると思っているのか?」

高「今の俺なら5秒あれば勝てる」

お互いに頭をぶつけ、睨みあう。

紗「あらあら、私の前で喧嘩をするんだ・・・」

紗奈恵が殺気を解放すると、勇気は体を跳ねらせて驚いた。

しかし、高雅の方は全く驚いてなかった。

紗「あら?。高雅は驚かないの?」

高「悪いが、もう母さんで怯える年頃じゃないんで」

紗「偉いわね。でも、本当にアリアはどうしたの?」

高「色々と事情があって今は寝てる。取りあえず、ルシフェルを倒せばアリアも必然的に起きるから」

勇「んな事やらなくても、王子様がキスをすれば起きるんじゃね?」

高「黙れ」

今度は高雅自身が勇人に殺気をぶつけた。

その量は紗奈恵を超え、勇人は腰を落としてしまった。

それを見ていた文夫が感心していた。

文「ほぉ、強くなったな高雅」

高「まぁな。それじゃ、シリアは任せていいか?」

紗「ええ、再生の事は任せて、あなたは行ってきなさい」

高「ああ。後、一つだけ条件がある」

紗「何かしら?」

高「シリアを殺すな。それだけだ」

紗「・・・ええ、分かったわ」

紗奈恵は高雅の条件を約束し、高雅はシリアを渡そうとした。

しかし、シリアは高雅にしがみ付いて離れようとしなかった。

シ「うぅ~」

高「こいつらの言う事を聞いて待ってろ。そしたら、また会ってやる」

シ「ほんとぉ?」

高「本当だから、さっさと行ってこい」

シ「うん!!」

シリアは快く返事をすると高雅を離れて紗奈恵の所へ向かった。

高「んじゃ、そっちは任せる」

紗「必ずアリアを救ってあげなさいよ」

文「息子が親父をぶっ倒してこい」

勇「必ず勝てよ」

高「分かってるさ、んじゃ」

高雅は三人の激励を受け、空間を開く。

行き先はルシフェルのいる場所だ。

入る前に高雅は皆の方に顔を向けた。

高「あー、フィーラ、レオ、エクス、サミダレ、お前らは留守番だ」

レ「なっ!?」

フ「何でです!?」

エ「何故僕もだい?」

高「正直に言うと足手纏あしでまとい。だから来るな」

レ「では、何故A殿は連れて行くのだ?」

高「こいつは死んでもいいからな」

A「ちょ!?、おま!?」

高「嘘だ。でも、お前らが足手纏いのは本当だ。だから来るな」

高雅は酷い事を言いながらも皆の事を第一に考えた言葉だ。

それを、自ずと皆は理解してくれていた。

レ「分かった。我はコウガ殿とA殿の帰りを待つとしよう」

フ「悔しいけど、分かったです」

エ「僕らは一度負けている。それなのに、その負けた相手より強い奴に向かうのは間違いなく足手纏いだな」

サ「事実じゃし、しょうがないのぉ」

4人は快く引いてくれた。

高雅は内心ホッとし、静かに笑った。

高「ありがとな。行くぞ、A」

A「おうよ!!」

Aは高雅の声に快く返事し、二人は高雅が開いた空間の中へ入って行った。

他の者は二人の無事を祈りながら見送った。









ついた場所は高層ビルが並ぶ大都会の様な場所だった。

Aは全く予想だにしない所に驚き、辺りを見回していた。

A「ほえ~、てっきり暗雲が掛かった、いかにもラスボスっぽい場所かと思ったぜ」

高「ここはルシフェルが創造で作った世界だ。広さは半径5キロ、それより外は空間の狭間に閉じ込められる」

A「ワーオ、ナニソレ?」

高「ようはブラックホールだ」

A「成程納得」

高「ここにいる一般人はお前ぐらいだ。それ以外は全員人外だ」

A「つまり、ここには敵とあの変な三人と俺らだけってことか?」

高「惜しいな、その変な三人は既に一人だ」

A「つえーなー、そのルシフェルって奴」

高「取りあえず、あっちに行くぞ。お前は活性で走れ。俺は飛ぶ」

A「じゃあ、競争な」

高「よーい、ドン」

高雅は勝手に声を掛け、勝手に空を飛んで行った。

それを見かねたAは慌てながら活性を使って走り出した。

A「テメっ!!、ずるっ!!」

二人の速さは異常で2キロ先の場所に30秒で到着した。

そこには、壊されたS-04とコイカの死体があるだけだった。

A「畜生・・・負けちまった・・・んで、用はこの死体か?」

高「・・・A、悪い」

A「ん?」

高雅が頭をポリポリ掻きながらAに謝った。

Aは意味が分からず首を傾げる。

すると、バラバラになっていたS-04が再生し、コイカがゆっくりと起き上がった。

高「罠だ、これ」

A「マジすか?」

高「マジです」

コ「あ・・うぁ・・・コロ・・ス・・」

S「データ ヨミコミ チュウ。ミッション カクニン。サキムラ コウガ ト A ノ マッサツ」

A「何だよ、この、かゆ・・・うま・・・状態の奴は!?」

高「何か、ロボのデータが書き換えられてるみたいだな」

A「おい、どうすんだよ!?」

高「既に空間で閉じ込められてるから逃げられない。後、この女の方はマリアの力で復活してる。ロボはルシフェルの力でかなり強化されてる。さあ、どっちを選ぶ?」

A「それって、戦うしかないってこと?」

高「んで、どっち?」

A「・・・女の子を志望します」

高「あえて強い方を取ったか。お前らしいな」

A「え!?、嘘!?。俺はただ女の子の方が良いなとおm「来るぞ!!」HEY!!、マジかよ!?」

S-04とコイカが同時に接近してくる。

高「ロボは責任もって俺が倒す。だから、お前もそいつを倒せ」

A「殺すのは何か嫌だけど・・・しょうがないか!!」

高雅とAは互いに向かい合うビルの壁を駆け登って行く。

そして、S-04は高雅を追い、コイカはAの方を追って行った。

こうして、二人の戦いが幕を開けた。

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