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最悪の贈り物編 その10、早速の休戦

聖域・セイクリッド

そこは白い光に満ち溢れ、そして塔が建っているだけである。

その塔のある部屋に一人の男が優雅に飲み物を飲んでいた。

?「・・・うん、中々良い味が出てるな」

?「ただのコーラに何言ってるんですかバーカ」

?「おいおい、相変わらず酷いなぁ」

?「最高指揮官様は味が分からない奴ですバーカ」

?「まぁ、その通りだけどな」

そう言って、最高指揮官と言われた者は高らかに笑った。

だが、その近くにいた女性は表情を全く変えなかった。

?「あー、入っていいよー」

突然、男が扉に向かって誰かを招きいれる許可を下した。

すると、入って来たのはS-04とコイカだった。

ちなみに、S-04の顔は既に修理されている。

コ「ノックぐらいさせてください」

?「いいじゃん。無駄な労力を使わなくてさ」

S「ノック ニ ヨウスル エネルギー ノ ショウヒ ハ 0.03%。ワタシ ハ エネルギー ヲ セツヤク デキテ ウレシイ デス」

?「うん、ロボ君は素直でいいなぁ」

?「ただのケチですバーカ」

コ「・・・と、とにかく、これからどうしますか?。案は3つ程有りますが」

?「そうだな~、ここで争うのはマリア様が悲しんでしまうけど、そうも言ってられないもんな」

?「奴らはここを目指しています。どう迎撃しますか?、バカ最高指揮官様」

?「君はバカと言う口癖を止めろよ。可愛いのに」

?「ッ!?・・ば・・バーカ・・・///」

女性は顔を真っ赤にしてそむけた。

その仕草に、男はただ笑っていた。

コ「相変わらず、ラブラブですね」

S「キリカ サマ ノ タイオン ガ キュウジョウショウ。ココロ モ ミダレ テ イマス。シコウカイロ ハ サイコウシキカンサマ デ ウメツクs<バギッ!!>エラー、エラー」

キ「黙れバーカ!!」

?「あーあ、また頭取っちゃって」

キ「私が修理しますから問題有りませんバーカ」

コ「ほんと、お姉ちゃんは・・・」

キ「コイカ、ここは職場よバーカ。ここでは姉妹の関係じゃないとあれ程言いましたよバーカ」

コ「うるさい、バカねえ

キ「何ですって!?、バーカ!!」

?「ははははは、今日も賑やかだなぁ」

もはや、本来の目的はどうでも良く、完全に遊んでいる。

それ程、この事態は彼らにとっては何の事もない事なのだ。

?「さて、そろそろ本題に移ろうか?」

急に男が切り出すと全員が急に真剣な顔になった。

まぁ、S-04は顔がないけど・・・。

?「まず、最も注意すべきは現在もなお覚醒しているコウガ君だ」

男達は既に高雅の事もルシフェルの事も知っていた。

理由は殺気で全てを読み取っているのだ。

外にも出ず、誰にも気付かれずに全ての出来事が見えているのだ。

キ「彼はシリアに隠されていたルシフェルの意思によって急激に覚醒していますバーカ」

?「そうだ。そこに気付かなかったのは俺らの失敗とも言える」

コ「ですが、シリアは我々が細胞一つまで細かく調べてあるはずです。それなのに、ルシフェルの意思が隠されていたとは思えません」

?「相手はあのマリア様と一度婚約したルシフェルだ。僕らが行き通れない所だってあるはずだ」

キ「相手はたかが意思ですバーカ。注意すべきはそんな奴ではありませんバーカ」

?「そ。最初に言った通りに注意すべきはそっちではなく、コウガ君の方だ。彼はとっても怒ってる。だから、注意しなければならない」

コ「・・・・理由が妙に納得できません」

?「じゃあ、コイカはクビにしよう」

コ「え・・はい!?」

キ「バーカバーカ」

突然の切り捨て宣告にコイカは訳が分からず男に理由を求めた。

コ「どうしてですか!?。もしかして、あのセリフが悪かったのですか!?」

?「だって、犠牲が出ちゃったじゃん。この計画の立案者が責任を持って罰を受けるべきだ」

コ「で・・・ですが、この状況で戦力を消すような行動の意味が分かりません」

?「そ、意味が分からない」

コ「?」

男はまるでその言葉を待っていたかのように呟いた。

?「彼は元々仲間と言う物を嫌っていた。それが、今では仲間の為に怒っているではないか」

コ「それは・・・」

?「それに、やはり俺は戦いを好まない。だから、なるべく誰も傷つかないで終わりたいんだ」

キ「どうやって、そうするんですかバーカ」

?「そりゃあ、もちろん・・・・」









塔の外部。

シリアの空間の転移によってアリア達はセイクリッドにやって来ていた。

ア「ここが・・・セイクリッド」

レ「まるで、ここにいるだけで恐れ多い感覚に襲われているようだ」

シ「・・・おかしぃい」

ア「え!?」

シ「だってぇ、あそこにぃ、殺気がいっぱい集まってるのにぃ、そこに行けなかったのぉ」

シリアは元々塔の殺気が集まっている場所に移動しようとしたのだ。

しかし、それが出来なくて首を傾げていた。

A「まぁ、ダンジョンは入口から入るのが普通だろ。まだ、何も探索してないのに続きから始めるのもあれだし」

フ「気楽に考えられるその脳みそが凄いです」

ア「とにかく、進もう。もしかしたら、コウガが来てるかもしれないし」

キ「まだ来てませんバーカ共」

殺気を隠して突然現れたキリカに一同は驚く。

そして、Aとレオはすぐに戦闘態勢に入った。

レ「くっ、いつの間に!?」

キ「喧嘩っ早いですよバーカ」

A「バカで結構」

ア「あなたは誰?」

キ「自分から名乗りなさいバーカ」

フ「バカって言う方がバカです」

キ「だったら、あなたもバカですバーカ」

フ「え・・あ・・・ボクはバカじゃないです!!、バーカ!!」

サ「とにかく、お主の目的は何じゃ?。どうも迎撃に来た様子じゃなさそうじゃな」

キ「あなた達を招待しに来ましたバーカ」

ア「招待?」

キ「とにかく来なさいバーカ共」

キリカは用件を伝えて回れ右をし、塔へ向かった。

その後ろ姿を見送っている内に、アリアはあることを思い出した。

ア(そう言えば、シリアはセイクリッドの人達を殺そうとしているのに、どうして静かだったんだろう?)

そう思ってシリアの方を見た。

すると、シリアはまるで凍えているように震えていたのだ。

ア「シリアちゃん!?」

エ「彼女が現れた途端にこうなったんだ」

エクスが見守っているがシリアはキリカが見えなくなってもずっと震えていた。

アリアは心配になってシリアの肩に手を置いて落ち着かせようとした。

シ「ひぃ!?」

ア「わ・・私だよ、アリアだよ」

シ「あ・・・お・・お姉ちゃぁん?」

ア「大丈夫?」

シ「だ・・・大丈夫ぅ・・・じゃなぁい・・きゅぅ」

シリアは何かにやられた訳でもなく気を失った。

キ「さっさと来なさいバーカ」

ア「あっ、待って。シリアちゃんが・・・」

キ「そいつは危険な為、殺気で気絶させてるんですバーカ。良いから来てくださいバーカ共」

ア「わ・・・分かった」

アリアはシリアを負ぶってキリカについて行った。

それを追うようにA達も後を追った。

もちろん、警戒を怠らずに。






キリカは早足で塔を登って行く。

アリア達はそれに必死で喰らいついていた。

ア「ちょっと・・・待ってください」

キ「このくらいで『待って』を使わないでくださいバーカ」

キリカは振り返らずに足を止めることはなかった。

冷たく当たるキリカに対し、レオは口を開いた。

レ「何故、我々の前に現れたかのように空間を使わないのだ?」

キ「この塔の内部に空間は繋がらないように虚無が張ってありますバーカ」

レ「そうだったのか・・・しかし、そのような事を我々に話しても良いのか?。一応、まだ信じてないんだろ?」

キ「当たり前ですバーカ」

A「だけどよ、どうしてのんびり敵さんを案内してるんだ?」

キ「最高指揮官様の命令ですバーカ。そうでなければ、真っ先にアリアを殺しますバーカ」

さり気なく恐い事を言うキリカ。

アリアはその言葉に一瞬だけ身震いした。

その後も黙々と上り続けること20分。

キリカはペースを落とすことなく上り切ったが、ほとんどの者はへばっていた。

キ「最高指揮官様、連れてまいりましたバーカ」

?「分かってる。入れてくれ」

キリカはノックをして知らせるも、男は既に把握していたようだ。

そのことはキリカ自身も分かり切っていることであった。

キ「ここからは謹んで行動するようにバーカ共」

そう言って、キリカは一足先に部屋の中に入って行った。

ア「えと・・それじゃ、私達も・・・」

アリアも恐れながらも扉の前に立つ。

ア「失礼します」

?「はいは~い、どうぞ~」

A「軽いなぁ」

さっきまでとは違い、あまりの軽さにAがついツッコミを入れた。

キ「マジメにしなさいバーカ」

?「いやいや、変に緊張させないために」

キ「敵に同情なんてどうでもいいですバーカ」

ア「あの~、入ってもいいですか?」

いつの間にか二人だけで話しており、置いて行かれたアリアは何とかこちらに意識を向けさせた。

?「ゴメンゴメン。どうぞ入ってくれー」

ア「じゃあ、失礼します」

アリアが扉に手を掛け、ゆっくりと扉を開ける。

すると、中から男が手を振って出迎えてくれた。

?「やあ、初めましてだな。俺はここの最高指揮官だ。どうぞよろしく」

そう言って男は手を伸ばして握手を求めた。

ア「あっ、初めまして。アリアです」

キ「既に知ってますバーカ」

?「おい、キリカ。改めてがあるだろ」

キ「そんなこと知りませんバーカ」

ア「最高指揮官にバカって・・・」

?「まあ、彼女は特別だから。それにしても、ここまで来るのに疲れただろ?。そこのイスに座りな」

そう言ってあらかじめ人数分用意されてイスを勧める。

ア「どうも」

A「何か呪いとか無いだろうな?」

?「大丈夫。何にもしてないさ」

アリア達は余程疲れていたのか、早くイスに腰を掛けた。

Aも警戒しながらも疲労に負けて座った。

シリアは特別にソファーに寝かせてあげた。

?「さて、早速だが本題に移るとしようか」

男もイスに座って話を始めた。

?「君達はここに何をしに来たのかな?。まあ、言わなくても分かるけど」

ア「私達はコウガに会いに来ました」

?「だが、君達の連れてきたその少女は違うようだけど?」

ア「それは・・・だけど、あなた達にも責任があると思います」

?「おいおい、責任は俺じゃなくて立案者に言って欲しい者だ」

キ「その責任はいずれ最高指揮官様にも行き渡りますバーカ」

?「まあ、そうだな。ハハハハハ」

声を挙げて笑い出すも、完全に浮いていた。

ア「笑い事じゃありません!!」

?「ああ、悪い。少し調子に乗り過ぎたようだ」

ア「それで、どうして私達をここに誘いこんだのですか?。私が殺しやすいからですか?」

?「そう言うなって。ここで争うのは嫌いなんだ。だから、もう君達の命を狙わないと約束しよう」

フ「信用できないです」

?「しなくたっていいさ。とにかく、後10分もしない内にコウガ君がここに来てしまう」

ア「!?、本当!?」

?「ただし、今までのコウガ君と思わない方がいい。彼はきっと覚醒しているだろう」

エ「・・・・協力しろと?」

?「話が早過ぎないか?」

キ「最高指揮官様がのろ過ぎるだけですバーカ」

?「・・・・・・まぁ、そんなことだ」

ア「話が飛んでるような・・・」

アリアは一瞬、こんな人が最高指揮官かと疑った。

すると、扉からノックの音が聞こえた。

?「ほいほ~い。ご苦労さん」

コ「相変わらずな言葉ですね。取りあえず、言われた通りに配置しておきました」

声の主ははコイカだった。

コイカは入るまでもなく用件を済ませた事を伝えた。

?「分かった。早速おびき出すとするか」

すると、男は立ち上がって部屋を出ようとした。

出る間際にアリア達の方を向いて呟いた。

?「来るなら来い。ただし、覚悟はしてもらう」

そう言い残し、男は部屋を出て行った。

それに続いてキリカも男の後を追った。

ア「皆、行こう」

サ「じゃが、この子はどうするのじゃ?」

サミダレが指を指した方にはシリアが眠っている。

ア「・・・置いて行こう。ここにいれば、きっと大丈夫だよ」

A「いや、あえて運ぼう。そして、俺がはk「自重しろです」ぎゃあああああああ」

Aの自重しない言葉にフィーラが軽くお灸をすえる。

ちなみに、Aは大量のお婆さんに襲われる夢幻を見せられている。

ロリ好きのAにとって、年上は毒なのだ。

エ「この子は僕が見ておく。君らで行ってきな」

ア「うん、じゃあ、お願いするね」

アリア達はエクスを置いて部屋を出た。

そして、男の後ろを追ってついた場所は塔の屋上だった。

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