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最悪の贈り物編 その9、高雅、悪に手を染める

アリア達はシリアを連れてレオ達の所へ向かっていた。

あの後、シリアは泣き疲れて眠ってしまい、仕方なくアリアが負ぶっている。

もちろん、Aが負ぶろうとしたが安全の為にフィーラの夢幻で紛らわせた。

A「アハハハハ、アハハハハ」

ア「・・・A君、幸せそうだね」

フ「気持ち悪い奴です」

ア「ちょっと、同意」

流石のアリアも同意せざるを得なかった。

Aは丸太を負ぶって幸せそうになっている為、何も知らずに見るとただの変態である。

ア「それより、レオ君達はどうしたの?」

A「え・・ああ、それは・・・」

幸せ顔のAだったがその話を聞いた瞬間、暗い顔になった。

フ「ボクも知りたいです。いつの間にかやられてしまったです」

A「えっと・・・とても言い辛いけど・・・聞く?」

ア「皆・・・やられたんだ。私が知らない間に・・・」

A「何故分かったし!?」

フ「あんな言い方すればバカでも分かるです」

ア「それで、皆の容態は!?」

アリアが焦りながらAに問いただす。

Aはいつものようにバカを言うまでもなく、真実を伝えた。

A「黒い竜と確か・・・エクスと言う奴が死んでた。レオは死に掛けてた。だ・・だけどよ、ログナがいるからどうせ戻った頃には生き返ってるって」

ア「・・・・・・・・・」

フ「・・・・・・・・・」

Aが必死にフォローするも、アリアとフィーラは落ち込んでいた。

結局、Aは励ますこともできずにそのまま何も喋らずにレオ達の所へ向かった。







レオ達の所へ突いた時、絶望がさらに増した。

Aの考えは外れ、エクスとサミダレは死んだまま、レオも意識を失っていた。

そして、悔しそうに泣いているログナの姿があった。

それが最初に見た光景だった。

A「どうしてだよ・・・」

ロ「うぐ・・・エイっち・・・すまねえ」

A「何で!?。何でお前は再生をさせてねえんだよ!?」

ロ「違う!!。俺っちは必死に再生させようとした!!。だけど・・・虚無が邪魔で再生できねえんだよ」

ア「そんな・・・それって・・・」

フ「二人は・・・本当に死んじゃうってことです!?」

あまりの事実にフィーラは腰を落とし、地面にへたり込んだ。

アリアはまだ納得が出来ずに、茫然と立ち尽くしていた。

ロ「すまねえ・・・俺っちが不甲斐ふがいねえばかりに」

A「そう自分を責めるな。そうだ!!、その幼女の強さならどうにか出来ねえか!?」

ア「!、そうか!!」

そのことに気付いたアリアはシリアを下ろして体を揺さぶった。

ア「ねえ、シリアちゃん、起きてよ!!」

シ「むにゃむにゃぁ・・・お兄ちゃんがいっぱぁい・・・」

ア「それってホラーなんだよ!!。だから起きてよ!!」

A「言ってることが滅茶苦茶じゃないか?」

シ「ん・・・もぉ・・・うるさぁい」

シリアが寝ボケて謎のハンマーを生み出し、適当に振り回した。

適当だろうがブンブンと音を立てて、当たれば死ぬだろう。

ア「あわわ、危ないよ!!」

フ「わみゅ!?、すれすれです!!」

シ「くかぁ・・・んにゃぁ」

寝ぼけながらのハンマーもかなり恐ろしいものである。

全く起きないシリアにいい加減に起こりだした。

ア「こらー!!、起きなさーーい!!」

シ「ふぁ!?」

流石に驚いたシリアは一瞬で覚醒し、ハンマーを落とした。

どういう状況か分からないシリアは周りをキョロキョロと見まわしていた。

そして、最後にアリアと目が合ってシリアは首を傾げた。

シ「・・・あっ、そうだぁ!!。おねがぁい、お兄ちゃんを助けてぇ!!」

ア「それは山々だけど、コウガはあなたと一緒にいたはずじゃ?」

シ「それがぁ・・・お兄ちゃんは亜空間で鍛えてるよぉ」

ア「だったら、わざわざ私達に頼む必要がある?」

シ「それがぁ・・・もぉ、あたしには止められないのぉ」

ア「どういうこと?」

シ「実はぁ・・・」

シリアは高雅がどうなったのかを話し始めた。









A達を助けた後の高雅達は元の場所に帰っていた。

高「はぁ、そういや、アリア達の方はどうなっているんだ?」

シ「ん、見たぁい?」

高「当たり前だ。早く見せてくれ」

シ「はぁい。ほらぁ」

シリアはサクッと空間をいじり、A達がいる所を見せた。

ちなみに、シリアが知らない場所の空間を開ける理由は殺気を感じ取ってその人の位置を把握しているのである。

高雅も似たような事は出来るのだが、シリアは例え天界だろうが現世だろうが一度感じた殺気はどこでも見つける事が出来るのである。

つまり、シリアとカクレンボすると世界中のどこに隠れても一瞬で見つかってしまうのである。

高「安い例えだな」

シ「?」

高「いや、何でもない。どれどれ・・・」

高雅が見た光景はAが丁度川に落ちた瞬間の所だった。

高「だっせぇ。全く情けねえ奴だな」

シ「ずぶ濡れだねぇ」

高「これはさっき送った時のものか?」

シ「そうだねぇ。あんまり時間経ってないからぁ」

高「ふ~ん。そういや、A達はどこに送ったんだ?」

シ「えっとぉ・・・適当に殺気が集まって良い殺気の所に送ったよぉ」

高「それで合ってんのか?」

シ「大丈夫だよぉ。だってぇ、その良い殺気が消えたもぉん」

高「・・・は?」

シ「だからねぇ、きっとセイクリッドの奴らに殺されたんだよぉ」

高「・・・・・・・・」

高雅は訳が分からず、とにかくAが映る空間を見ていた。

すると、次第に最悪の光景が目に入った。

高「何だよこれ・・・エクスとサミダレが死んでるじゃねえかよ!!」

シ「お兄ちゃぁん?」

高「どうしてだよ!?。何で、こいつらがこんな目に遭わなきゃならねえんだよ!?」

シ「どうしたのぉ、お兄ちゃぁん!?」

高雅は傷ついたレオ達を見て激昂していた。

シリアは高雅の手を握って落ち着かせようとしたが、それがあだとなってしまった。

高「おい・・・」

シ「ひぅ!?」

シリアはあまりの殺気にビクついてしまい、大好きだった兄から逃げようとした。

しかし、掴んでいた手が逆に掴まれており逃げることは許されなかった。

高「今から俺はあの腐った考えをする奴らを根絶やしにして来る。連れてけ」

シ「で・・・でもぉ・・お兄ちゃんじゃぁ・・勝てないよぉ」

?「いいや、勝てるぞ」

高・シ「!?」

突然の第三者の声に二人は周りを見渡す。

しかし、その声の主らしき物はどこにも見当たらない。

シ「うぐぅ!?」

高「!?、シリア!?」

突然、シリアが胸を押さえてもがきだした。

シ「ううぅ・・・・・い・・痛いよぉ・・」

?「シリア、お前はもういい。今までご苦労だった」

シ「ど・・どういう・・ことぉ・・・・うっ!?」

シリアは痛みに耐えられなかったのか、気を失ってしまった。

そして、シリアの体から黒い物体が出てきたのだ。

しかし、高雅はそれが何なのかは自然と理解していた。

高「・・・・ルシフェル」

ル「ほぉ、私の事が分かるのか。流石、私の息子だ」

高「どうでもいい。それより、勝てるんだろ?。だったら、早く連れてけ」

ル「そう焦るな。誰も今のお前が勝てるとはいっていない。今から私がお前を鍛えるべく、ある空間を生み出す」

高「その中で修行ってか。めんどくせぇ」

ル「安心したまえ。お前はそこで寝るだけでよい」

高「・・・成程。俺が寝てるうちに俺の中のお前の力を覚醒させる訳か」

ル「その通り。理解が早い息子を持って助かる」

高「・・・いいだろう。あいつらを根絶やしにできるなら、悪にだって染まってやる!!」

ル「よい決断だ。では、早速行くとするか」

ルシフェルと思われる黒い物体は不思議な動きをした後、また黒い物体を生み出した。

ル「さあ、この空間に来い」

高雅は言われるまでもなく、その空間へ足を運んだ。

シ「・・だ・・・だめぇ・・」

いつの間にか気絶していたシリアが起きていた。

そして、高雅を行かせまいと必死に足を掴んで止めていた。

高「退け」

シ「あうぅ!!」

高雅は容赦なく蹴り飛ばし、シリアを引き剥がした。

高「言っただろ。俺はテメーのことなんて知らねえんだよ」

高雅はシリアの名前を呼ぶこともなく、黒い空間の中へと消えていった。

ル「シリア、君はもう用無しだ。後は自由に過ごせ」

そう言ってルシフェルも黒い空間の中へ消えてゆき、黒い空間も消えた。

シ「ど・・・どうしてぇ・・・一人ぃ・・・やだよぉ・・・」

残されたシリアはただ泣き続けた。

誰もいない、自分しかいないこの空間で。










話を終えたシリアは思い出してしまったのか、再び泣きだした。

シ「ひっぐぅ・・・それでぇ・・あたしぃ、あいつらの所為だと怒ってぇ・・・」

ア「それで、あの時、現れたんだ」

アリアはシリアの頭を撫でながらおのずと理解していた。

シリアはアリアに甘え、背中に手を回して抱きついていた。

ア(この子は本当にさびしい子なんだ。ただ純粋に兄を求めてただけだったんだ・・・)

フ「アリア様!!、そんな奴の話を信じてはダメです!!」

ア「フィーラちゃん!?」

フ「今の話も全部、でまかせに決まってるです。ルシフェルなんてずっと前に死んだ奴です。だから、そんな話が信用できるわけ無いです」

シ「ッ!?、ホントだもぉん!!。あたしは嘘をついてないもぉん!!」

フ「信憑性がないです。どうやって信じろと言うです?」

シ「うるさぁい!!。食べちゃうぞぉ!!」

ア「二人とも、止めて」

アリアが二人の喧嘩を止める。

ア「どちらにしても、コウガを早く助けないといけないよ」

フ「それは・・・そうです・・・けど、戦力が少ないです」

シ「じゃぁ、こいつらを生き返らせるよぉ」

ア「でも、皆、虚無が掛けられて再生ができないんだよ」

シ「虚無ぅ?。そんなのぉ、退けちゃえばいいです」

ア「でも、虚無を消すなんてそんなこt「はぁい」えっ!?」

シリアはレオに手をかざすと腹の傷がみるみる癒えてゆく。

完全に癒えたら次にエクス、さらにサミダレと順序良く回復させた。

レ「ん・・・我は・・」

エ「くっ・・・」

サ「どうやら、生き返ったようじゃな」

ア「す・・すごい」

ロ「あの~、俺っちの価値って何?」

ア「それは・・・その内やってくるよ」

ロ「ショボーン」

ア「ほ・・ほら、元気出してよ。皆が生き返ったんだから」

落ち込むログナにどう接したらいいか分からないアリア。

シ「これでぇ、あたしのことぉ、信用してくれるぅ?」

フ「・・・まだ何か納得できないですけど・・・まあ、いいです」

レ「一体、どういう事だ?。それに、その子は一体・・・?」

ア「あぁ、えっとね・・・」

アリアはレオ達に一通りの事を説明した。

レ「・・・そんなことがあったのか」

エ「何とも、大変なことになったものだな」

サ「それで、これからの事は決まっておるのかのぉ?」

ア「いや・・・何も決まってないよ」

シ「決まってるよぉ。お兄ちゃんが行くところに行けばいいんだよぉ」

ア「それって・・・セイクリッド!?」

シ「それ以外ぃ、どこがあるのぉ?」

ア「で・・でも、シリアちゃんが戦えたとしても、私たちじゃ勝てないよ」

シ「目的はぁ、戦う事じゃなくてぇ、お兄ちゃんをぉ、取り戻す事だよぉ」

ア「そうだけど・・・」

レ「アリア殿、コウガ殿に会えるのであれば向かうべきではないか?」

レオはシリアの提案に賛成の形でいる。

ア「レオ君、危険なんだよ」

レ「だが、手掛かりを失う訳にはいかない」

A「そうだぜ。俺がいるから安心しろって」

心配そうにするアリアにAが余裕を見せる。

それが逆にアリアの心配にもなっているのだが。

ロ「俺っちはパスしてもいいか?。さすがに、自信無くしたぜ」

ア「・・・うん、無理にとは言わないよ」

シ「それじゃぁ、行っくよぉ」

シリアは早く行きたいのか、皆を無視して空間を開いた。

ア「あっ、待ってよ!!」

一人で勝手に行くシリアを追い、アリア達も空間の中へ入って行った。

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