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最悪の贈り物編 その7、無力

A達を置いて逃げていたアリア達は近くにあった川の辺りで休んでいた。

流石に自分よりも強い者から逃げるとなると体がうまく動かないのか疲労がいつもより大きかった。

その所為もあって川の辺りで休んでいたのだ。

ア「皆、まだ走れる?」

フ「ボクは飛んでるから余裕です」

レ「問題ない」

エ「大丈夫さ」

サ「平気じゃ」

ア「そっか・・・なんか、ゴメンね。巻き込んじゃって」

フ「今さら水臭いです。大体、既に何回も巻き込んでるです」

ア「そうだけど、今回は何だか不安で・・・〈バシャッ〉キャッ!?」

突然、フィーラがアリアの顔面に川の水を掛けた。

フ「落ち込んじゃダメです。コウガ様に会わせる顔が無くなるです」

ア「あはは、そうだね。それじゃ、また出発しよっか?」

アリアは顔を手でぬぐって立ち上がり、先に行こうと歩きだした。

遅れて他の三人も立ち上がってアリアの後ろをついて行った。

しかし、アリアは突然尻もちをついた。

目の前には壁なんて物は無い勝ったが、何かにぶつかったかのように倒れたのだ。

レ「?、どうしたのだ、アリア殿?」

ア「いや、何だか後ろに引っ張られて・・・・」

フ「どういうことです?」

エ「まさか、もう追手が来たか!?」

サ「大丈夫じゃ、殺気はないぞ」

ア「・・・・・・いや、あるよ」

アリアが振り向き、遠くを見つめる。

それは警戒している訳ではなかった。

レ「何、既に奴らが!?」

ア「違う。この感じ・・・コウガだ!!」

アリアはそう言った瞬間、皆を置いて構わずに逆に走り出した。

レ「そうか。アリア殿はコウガ殿から500メートル以内にいなければならない」

エ「成程。だから、アリア君はこの先に行けなかったのか」

サ「だが、このまま引き返すと奴らに合うのじゃないかのぉ?」

フ「それはやばいです!!。早くアリア様を止めるです」

フィーラ達も慌ててアリアの後を追おうとする。

しかし、アリアとフィーラ達との間に二人の白いローブの者が割り込んだ。

アリアはそのことに気付かずに、ただ只管ひたすらに走っていた。

フ「あみゅ!?」

レ「くっ、既にここまで来てたか!!」

白いローブの者は首をアリアの方に軽く振ると、もう一人がアリアを追いかけて行った。

エ「しまった。アリア君を一人にさせるのは危ないぞ」

サ「じゃが、こいつは素直に通してくれそうにはないようじゃ」

白いローブの者は顔を隠していたフードを取った。

そこには人の顔など無く、機械で作られた顔があった。

レ「何だ!?。セイクリッドにはこのような生物もいるのか!?」

エ「しかし、生物独特の気が感じらない」

?「ピー・・ガピー・・・ニンム スイコウ。ナイヨウ カクニン」

突然、謎のロボットが独り言のように喋り出した。

?「アリア マッサツ、ウエ ノ ヤクメ ニ ヘンコウ。ゲンザイ ノ ニンム、アリア ト ソノ イチミ ノ ゴウリュウ ヲ ソシ」

サ「どうやら、邪魔する気らしいのぉ」

レ「こちらは4人だ。一人ぐらいは抜けられるだろう」

フ「じゃあ、ボクが夢幻を見せるです。その隙に誰かが抜けるです」

レ「では、我が行く」

エ「よし、僕らは援護をする」

サ「任せるのじゃ」

エクスとサミダレはロボを挟んで二手に分かれる。

?「ピー・・・リョウシャ コウゲキ ケハイ ナシ。ターゲット エデン ノ モノ」

ロボが呟いた瞬間、ロボットは一瞬で消えた。

そして、フィーラの前に現れた途端、口から大量のコードを吐きだし、フィーラの首に巻き付けた。

その間、僅か0,1秒。

フ「・・わっ・・みゅみゅ!?」

?「エデン、サイテイ ソクシ デンアツ、12マン4600ボルト。サイコウ シュツリョク、7000マン ボルト。マッサツ カノウ」

レ「なっ!?、いつの間に」

エ「は・・早い!?」

?「ヒトジチヨウ ノ タメ、12マンボルト ニ セッテイ。ホウデン カイシ」

ロボは勝手に呟いた瞬間・・・


バリリリリリッッッッ!!!!


超高電圧がフィーラを襲った。

フィーラは声を上げることもできずに黒焦げになって倒れた。

レ「フィーラ殿!?」

?「ピピピ・・・テンジュウオウ ノ カンジョウ、キョウフ ト コンワク ニ ソマッタ。キケンド ハ アサイ」

レ「くっ、そこまで分かるのか!?」

?「ウシロ ノ モノドモ ヲ イレテ ケイサンチュウ・・・カンリョウ」

ロボは後ろを振り向き目の様な部分からレーザーを放った。

狙いは不意打ちを狙おうと接近していたエクスだった。

エ「何っ!?」

エクスはギリギリで反応し、頬を掠って何とか避けた。

しかし、いきなりだった為、エクスは完全に隙だらけだった。

?「セッテイ 2000マン ボルト。マッサツ カノウ。ホウデン ジュンビ」

エ「しまっ・・・!?」

ロボはさっきと同じように無数のコードを出し、エクスの首に巻き付けた。

?「チャージ カンリョウ。ホウデン カイs〈ザシュッ!!〉エラー、エラー」

サ「やれやれ、久しぶりの姿じゃ」

サミダレが黒い龍の姿になっていた。

サミダレは前足についていたブレードの様な翼でコードを斬ったのだ。

エ「ありがとう、サミダレ君」

サ「当然の事をしたまでじゃ」

?「ビー・・ガー・・ギーギー・・・」

突然、ロボが動きがおかしくなってしまった。

?「セーフティーモード ハカイ。セイギョ フノウ。マッサツ モード シドウ」

ロボットの体を覆っていたローブが突然燃え、全身の姿が露わになった。

人間の形に様々な機械が組み込まれ、所々から火花が出ていた。

?「マッサツ マッサツ」

ロボはエクスとサミダレの首に向かって腕を伸ばした。

エクスは横に飛んで避け、サミダレは前足ではたき落とした。

だが、サミダレが叩き落とした腕から細いコードが生え、サミダレを捕縛していった。

サ「しまった!?」

細いコードが徐々にサミダレの全身に巻きついて行く。

それを見たレオがサミダレを助けようと走りだした瞬間・・・


ドグシャ!!


レ「あぐぁ・・!?」

地面から出てきたドリルによってレオの腹を突き抜いた。

ロボの足を見ると、いつの間にか片足が地面に埋まっていた。

そこから足を延ばして、足の先をドリルに変えたのだ。

不意打ちを受けたレオは急所を突かれ、既に虫の息だった。

エ「レオ君!!」

サ「や・・やめるのじゃ・・く・・苦しい・・」

エ「なっ!?、サミダレ君!!」

いつの間にか、細いコードがサミダレの体に食い込んで血が出ていた。

助けに行きたくても、エクスは腕に追われていてどうしようもない。

気絶しているフィーラ。

ほぼ死んでいるレオ。

動きを封じられ、今殺されかけようとしているサミダレ。

そして、逃げまどうエクス。

どう考えても絶命的な状況だった。

エ「くっ・・・何とか一撃だけでも攻撃を加えられたら・・」

?「ターゲット、ロックオン」

エ「!?」

ロボの顔がエクスの方を向いていた。

そして、目の部分に光が収束し・・・


ピシュン!!


エ「なっ・・・あぁ・・」

二つのレーザーを放った。

それはエクスの心臓と頭を貫き、風穴を開けた。

エクスは絶命したのだ。


ボギ・・バギゴリ・・


サ「あがぁ・・ぐぅ・・」

サミダレの方も圧迫が強くなり過ぎ、骨が折れていた。

?「ビビ・・ゼツメイ マデ、ノコリ 13ビョウ。ジカン タンシュク ノ タメ、7000マン ボルト ノ ホウデン ヲ カイシ」

ロボが充電を始め出した。

もはや、誰の邪魔も入ることはない。

そして・・・







A「落ちるうううううううう!?」

説明しよう。

幼女の誘惑を喰らった俺は気を失い、気がつくと変な空間を落ちていました。

by A

A「おお、光が見えた!!。出口だな。てか、出口で合ってくれ!!」

そう言いつつ、足を下にして着地の準備を図る。

ログナも人間になり、蓮田を抱えて着地の準備をしていた。

次第に光が大きくなり、やがて一面を包んだと思いきや、見えたのは川だった。

A「嘘っ!?」


ザバーッン・・・


浅かったものの、Aは自分が巻き起こした水飛沫みずしぶきでずぶ濡れになった。

とは言っても、陸に上がって活性でさっさと服を乾かしたが。

A「全く、ちゃんと着地地点を決めてほしぃ・・・」

ロ「どうした、エイっち?・・・って、うわあ!?」

Aはあまりの光景に驚きの声を隠せなかった。

A「どうなってんだよ・・・それに、何でナ○ガク○ガまでいるんだよ!?」

腹を貫かれたレオ。

頭と心臓に風穴があるエクス。

骨が様々な方向に折れ、黒焦げのサミダレ。

まるで地獄絵図をAとログナは見せられていた。

レ「く・・・あ・・」

A「!?、レオ!!、大丈夫か!?」

レオが気を取り戻したのを見たAはすぐさま駆けつけた。

ログナも駆け寄り、蓮田を木の下にろしてレオの腹を再生してあげた。

だが、傷は全く癒えることはなかった。

レ「はぁ・・A殿か?」

A「ああ、俺だ!!。何があったか説明してくれ!!」

レ「じ・・時間が無い・・・急いで戻るのだ」

A「どゆこと!?」

レ「あ・・アリア殿が・・・コウガ殿の殺気を感じて・・・来た道を戻って行ったのだ」

A「マジッ!?。ここまで殺気が来てたのか!?」

レ「そのいいよう・・・どうやら、本当にコウガ殿がいたようだな」

A「あ・・ああ、俺達を助けてくれたみたいだ。でも、俺も気絶してしまって見逃してしまった」

Aは、あえてシリアの魅惑に負けた事を伏せていた。

もちろん、自分のプライドの為である。

ロ「俺っちは見てたぜ。エイっちは少女を見て鼻血を吹き出して倒れたんだ」

A「おいいいい、個人情報保護法はあああああああ!?」

ロ「んなこと、知りませ~んよ」

レ「いいから急ぐのだ!!。相手はフィーラ殿を人質としてアリア殿を殺すつもりだ!!」

バカやっている二人にレオが一喝を入れた。

それを聞いた途端、Aの目が本気になった。

A「幼女を人質だと!?。この俺に殺されたいようだな。ちょっと、殺してくる」

Aは活性の力を使い、一人でどこかに走って行った。

レ「A殿!!、逆だ!!」

A「うおっとっとっと、良し、今度こそ行ってくる!!」

Aは慌ててブレーキを掛け、180度回転すると猛スピードで走って行った。

残ったレオとログナはサミダレとエクスを再生してあげようとした。

しかし、いくら再生をおこなっても傷は全く再生しない。

ロ「まただ!!。何で治んねえんだよ!!」

レ「我の目によると、傷に白いもやが覆っておる。おそらく、虚無の力だろう」

ロ「マジかよ・・・くっそぉぉおお!!」

ログナは抑えられなくなった怒りを地面にぶつけた。

ロ「何だよ!!。俺っちはこんなことしかできないのに、それができないなんて・・・これじゃ、無力じゃねえかよ!!」

レ「ログナ殿・・・」

ロ「ちくしょぉ・・・役に立ちてぇよ・・俺っちだって、皆と戦いてえよ・・・」

自分の無力さに悲しくなったログナは涙を流し始めた。

レオは励ますことも今では何の意味は持たないと判断し、そっとしておいた。

レ「そのようなこと・・・我も同じだ・・・」

レオもログナに聞こえないように呟いた。

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