最悪の贈り物編 その5、義務
遂に自宅学習が始まり、暇と思いきやバイトを始め、励む毎日。
学校より忙しいかも・・・さすが、仕事だ。
それでも、5日投稿(もしくは4日投稿)を守る気です。
Aとペーちゃんが睨みあう中、先に動いたのはAの方だった。
A「先手必勝だあああああああ」
活性を利用したダッシュで瞬く間に距離を詰め、一閃を繰り出す。
しかし、ペーちゃんは冷静に前足の蹄で受け止めた。
A「おっと、俺の剣は防御不能だぜ」
ぺ「ッ!?」
ペーちゃんは焦ったようにAの刀を弾き飛ばそうとして距離を置く。
だが、Aの刀は弾き飛ばすことはできなかったが、距離を置くことに成功した。
そして、自分の蹄を見ると触れていた部分が溶けていた。
ぺ(これは、活性による熱の増幅ですね。しかし、先程の速さといい、人間が力をここまで扱うとは・・・)
正直、ぺーちゃんはAを見くびっていた。
理由はいたって簡単、Aはただの人間だからだ。
しかし、さっきの実力を見て、それは覆されようとしていた。
ぺ(しかし、私は静寂や虚無なら使える。これで打ち消すことができれば無力化できる)
A「ボケッとするなよ」
Aは既にペーちゃんの後ろに回り込んでいた。
しかし、ペーちゃんは焦ることなく、後ろ脚で応戦しようとしていた。
A「おっと」
それを簡単に反応し、刀で受け止めた。
A「また溶けるぜ」
ぺ(無駄です。今度は静寂と虚無の両方の力を与えてます。溶けることなど・・・ッ!?)
ペーちゃんの顔が一気に苦しむ。
あろうことか、Aは静寂と虚無の両方の力を持ってしても蹄を溶かしていたのだ。
ぺ(くっ・・バカな!?)
A「そのまま貫通だ!!」
油断していたペーちゃんは最早、回避することは不可能。
徐々に斬り込んでゆく刀に成す術もない。
ロ「待てぇい!!」
A「ぐげっ!?」
どういうことなのか、ログナが突然Aの首を絞めて止めさせた。
ロ「やり過ぎだ!!。俺っちの大切な友達を傷付け過ぎだっての!!」
A「ちょ・・おま・・・くる・・・・し・・」
ぺ(なんですか、この方々は!?。しかし、今のうちに・・!!)
ペーちゃんは斬られている足を抜い反撃しようとした。
しかし、ずっと後ろに気を取られていた所為か、前に誰かいるのに気付かなかった。
蓮「ぺーちゃん、聞こえるよね」
ぺ(!?、レンタさん!?)
いつの間にか蓮田がペーちゃんの頭に近づいていた。
蓮「もうやめようよ。友達同士で争ってもダメだよ」
ぺ(レンタさん、すみません。私には逆らえない方がいます。その方の為ならば、私は誰であろうと戦う覚悟はできていま・・)
蓮「バカっ!!!!!!」
ロ「なっ!?」
A「うえ!?」
蓮田がペーちゃんに思いっきり怒鳴った。
人に思いっきり怒るような性格じゃない蓮田が始めて、それもかなりの大声で怒鳴った。
そして、蓮田は泣きながら怒鳴り続けた。
蓮「そんな悲しいこと言っちゃダメだよ!!。どんな理由があったって、友達を傷付けるなんて絶対ダメなんだよ!!」
A(お・・・俺は別にあのペガサスとは友達じゃないし・・・ノーカンノーカン)
ロ(俺っち、つい最近、コウガっちにバラバラにされたよな・・・それ、どうなんだろう?)
外野がふと思っていたが、それはあえて無視しましょう。
ぺ(レンタさん・・・)
蓮「僕は嫌だよ・・・ペーちゃんが傷付くとこを見るのが・・・折角、友達になれたのに・・」
ぺ(だけど・・・やはり、逆らえません・・)
蓮「そんな人、こうが兄ちゃんが倒すから!!。絶対、こうが兄ちゃんがどうにかしてくれるから!!」
A「おおっと、この主人公である俺も忘れられたらこまるぜ。出来る限りは協力するぜ」
ロ「他力本願かい・・・まぁ、ろくに戦えないのは事実だしな、エイっちやコウガっちに任せたらいいんじゃね?」
ぺ(皆さん・・・)
蓮「ほら、皆も協力してくれるから、戦うのは止めようよ」
ぺ(レンタさん達はあの方の強さを知らないからそんなことが言えるのです。あの方は私よりもずっと強いですし・・・)
蓮「だから、僕らが協力するんだよ。一人でダメなら、皆一緒に戦うんだよ」
ロ「要するに、リンチだな」
A「言い方が悪すぎるだろ」
ロ「カタカナにすればカッコイイだろ」
A「バーカ。それだったら、『絆の力』ってシンプルでカッコイイだろ」
ロ「リンチだ!!」
A「絆の力だ!!」
何故かお互いに一歩も譲らず、睨みあう。
別にこれと言って特段にいいわけでもないが。
?「何をしている、天獣よ!!」
ぺ「ッ!?」
蓮・ロ・A「?」
振り向くと、そこには白いローブを来た者達が並んでいた。
どうやら、もう追いついて来たようだ。
?「そいつらもアリア抹殺の邪魔する者ならば、迷わずに殺れ!!。天界の命運の問題だぞ!!」
蓮「お前らだなー、僕の友達を困らせているのは!!」
蓮田が強がって一歩前に出た。
しかし、白いローブの者達は何の動きも見せなかった。
?「どうした?。早くそいつらを殺れ。犠牲は最小限に抑えるのだ」
ぺ(・・・・・・・・・・・)
蓮「うるさい!!。友達に命令するな!!」
?「何だこいつ?。先に始末してやる」
ぺ「ッ!?」
白いローブの一人が蓮田に手をかざし、力を込める。
それを見たペーちゃんが突然駆けだした。
?「天界存続の犠牲となれ、人間」
蓮「!?」
かざした手に白い光が集束しだす。
ぺ(まずい、あれは虚無の光だ。あんなものを受けたら一溜まりもない)
蓮「な・・何?」
集束した光が蓮田に放たれた。
それも、かなりの速さで蓮田では反応しきれない。
ロ「蓮田!!」
A「ちびすけ!!」
ログナとAは反応できるが、距離があって蓮田を助ける事が出来ない。
ただ叫ぶしかできなかった。
カッ!!
A・ロ「うおっ、まぶしっ!?」
突然、光が破裂してフラッシュが起こった。
何が起こったかは二人からは見えなかった。
ただ、二人の頬には飛び散った血が付いていた。
やがて光が晴れて視界が回復する。
ロ「おい・・」
A「なっ・・・あいつ!?」
そこには、蓮田を庇ってペーちゃんの体に穴が開いていた。
ペーちゃんは苦痛に耐えられなくなって倒れてしまった。
蓮「え・・ぺー・・・ちゃん?」
蓮田が何があったのか分からず、目を見開いてただ立ちつくしていた。
ペーちゃんは既に息をしていなかった。
ロ「蓮田!!。今、ペーちゃんを再生させてやる!!」
ログナはペーちゃんに再生の力を使うも、傷は全く癒えない。
虚無を使っている為、生半可な力は全て打ち消されてしまうのだ。
?「まさか・・裏切られるとは・・・・バカな奴・・・」
蓮「許さない・・・」
?「?、こいつ・・・」
蓮「ログナ・・・こいつ、倒すよ」
ロ「イエス、マイロード・・・」
ふざけた返事をしているが、目は至って本気だ。
二人とも、怒りに満ち溢れ、目の前の敵しか見えてなかった。
A「あれ、あいつら・・・何かやべぇ」
タ「殺気が拙者達を越えておる」
A「んー・・・否定できない。だけど、あいつらって再生しかできないよな?」
タ「確かにそうだ。しかし、何かを感じる。恐ろしい何かを」
A「取りあえず、ほっとくのもあれだし、落ち着けさせるか」
Aは蓮田に近づいて行く。
一歩一歩進む度に体全体に恐怖が襲っていた。
A「おーい、ちびすけー。恐いぞー」
蓮「Aにいちゃん、こいつを倒すよ」
ロ「協力してくれ、エイっち」
A「分かってる。だけど、落ち着いてくれ。敵は未知数のやばい奴ら、勝てる道理なんてないぞ」
蓮「だったら、Aにいちゃん一人で逃げててよ。僕は絶対にこいつを許さない」
A「そしたらアリアに何言われるか分からない。大体、主人公が仲間を置いて逃げるか?」
ロ「そんじゃ、殺るぞ」
結局、落ち着けることは出来ず、このまま戦わせることにした。
?「ふん、私一人でいい。お前らは早く追え」
白いローブの者は一人だけ残して他の者は消えていった。
A「やべ、あいつら止めねえと」
蓮「Aにいちゃん、行くよ!!」
A「うえっ!?、ちょ!?」
蓮田はAを無視して目の前の的に立ち向かう。
ログナは弓になっていた。
A「ちょ!?、弓なのに接近!?」
タ「考えるのは後だ、主よ。援護するぞ」
蓮田の行動に理解できずも、自分も遅れを取らずに後を追う。
Aは活性を使っている為、すぐに追いついた。
A「なあ、どうやって戦うつもりだ?」
蓮「知らない」
A「無鉄砲かよ」
蓮「とにかく、あいつを倒す!!。ペーちゃんの仇を取るんだ!!」
A「分かった、分かったから落ち着け。れれれ冷静になれ」
?「何を話しているか知らないが、貴様らも死に値する。今さら許しをもらえると思うな」
白いローブの者が被っていたフードを取った。
顔は厳つく、いたるところ傷があり、片目が傷によって塞がれていた。
そして、目を見た瞬間に空気が揺れた。
ゴ「覚悟しろ。セイクリッド最高指揮官、ゴドが直々(じきじき)に裁いてやる。感謝しろ、人間共」
そう言い放ち、ゴドは隠していた力を解放し、それをオーラにして現した。
それでも怯まずにAと蓮田は立ち向かって行った。
高「何でだよ・・・」
高雅も蓮田達の様子を別の場所から見ていた。
シリアに頼んで現世の様子を見せてくれているのだ。
高「ふざけんなよ・・・」
シ「お兄ちゃぁん、どうしたのぉ?」
高「あのセイクリッド野郎を殺してくる。連れてけ」
シ「ダメだよぉ!!。せっかく一緒になれたのにぃ」
高「じゃあ、テメーも来い。それならいいだろ」
シ「ん~・・・あたしが行ってくるよぉ。もちろぉんお兄ちゃんの友達には手を出さないよぉ」
高「俺がこの手で潰したいんだ。腐った考えをするセイクリッド共を」
シ「でもぉ・・・じゃぁ、あたしと一緒に行こぉ?」
高「・・・・まぁ、いいだろう。早く空間を開けてくれ」
どこか話が戻ってきていると思ったが、今は早く現世に生きたいため、余計なことは口にしなかった。
シ「はぁい・・・ふふっ♪」
何故か突然笑い出すシリア。
その不可解な光景に高雅は首を傾げてシリアを見ていた。
高「何が可笑しい?」
シ「やっぱりぃ、お兄ちゃんは優しいねぇ」
高「バカ、これは優しさじゃない。責任だ」
シ「せきにぃん?」
高雅の不思議な言葉にシリアは首を傾げる。
高「あいつらは俺の所為でこんな目に遭ってるんだ。だったら、俺が責任もって守らなければならない」
シ「そっかぁ。じゃぁ、あたしもお兄ちゃんを守るねぇ」
高「ふざけんな。ガキに守られる程弱くねぇよ」
シ「えへへぇ、あたしは強いよぉ」
シリアがどこからともなく出した銃と槍を見せびらかせながら言う。
高「そうかい。とにかく、早く空間を繋げてくれ」
シ「分かったぁ。行っくよぉ♪」
シリアが空間を開けた途端に高雅は即行で移動した。
シ「あぁ、待ってよぉ!!」
シリアも高雅に遅れないように驚くことなく後を追った。