新たな恐怖の幕開け
明けましておめでとうございます。
今年も変わらずにこの小説を読んで頂くと、とてもうれしいです。
4日投稿を目指しましたが、ぎりぎり間に合いませんでしたorz。
それでは2011年最初のお話をどうぞ。
あ、ちなみにグロ注意です。
自宅待機で一週間が過ぎていた。
高雅は本当に冬眠に入ったかのように寝ている・・・わけない。
そんなことができる状況ではなかった。
高「で、二人の様子はどうだ?」
リビングで待機しているところにアリアが入り、すぐさま聞いて来る。
アリアは無言で首を振ってから答えた。
ア「まだ不安定で、とても話ができる状態じゃない」
高「・・・・・・・・ったく、おちおち寝てられねえ」
あの日、帰った後にエクスとサミダレは意識を取り戻したが、二人はただ怯え、隅に体を縮めて震えていた。
どんなに話しかけようとしても、帰ってくるのは拒絶による攻撃のみ。
とても手が付けられない為、二人は落ち着くまで部屋にこもりっきりにさせてある。
レ「コウガ殿、心配するのは分かるが、自分の身を滅ぼしてまで心配するのは悪い事だ」
フ「ここ二日、不眠不休で心配続きです。流石に寝ないと危ないです」
高「別に心配してる訳でじゃない。寝る気がしないだけだ」
ア「コウガ、流石に少しは休んで。何が起こるか分からないし、まだ文夫さん達から連絡が無いから」
レ「そうだ。いざという時に動けなければ、邪魔になるだけだ」
フ「黙って寝ろです」
高「ちょ・・・・・・」
フィーラが容赦なく夢幻の力を使う。
高雅は防ぐことができず夢幻の世界へ落とされる。
高「あ~、気持ちいい~、モフモフだ~・・・・Zzz」
高雅は抵抗することなく、一瞬で眠りに落ちた。
アリアは毛布を掛けてあげ、自分はソファーに腰を下ろした。
ア「ふぅ・・・・それにしても、何が起こってるんだろう?」
レ「コウガ殿の義妹。それが今回の元凶だな。一体、どんな奴なんだ?」
ア「本当に分からないの。コウガの腹違いの妹で、ルシフェルが直々に育てたってことだけ」
フ「情報が無過ぎるです」
レ「そもそも、何故、急にその義妹とやらが現れたのか、目的は何なのか、分からない事が多過ぎるな」
ア「でも、情報を集める方法なんて・・・」
アリアがそう言うと、三人は唸って考えるが、全く方法が見つからない。
フ「方法が・・・ないです」
ア「・・・朗報を待とうよ」
レ「それしかないな」
ただ待つしかできない三人は自分の情けなさに溜息を零した。
そんな時だった。
ピンポーン・・・
落ち込んでいた静寂な空間にインターホンが鳴った。
高「ふぁ~い」
ア「あれっ!?。いつの間に!?」
さっきまで爆睡していた高雅が体を起こして玄関へ向かって行った。
そのまま半開きの目のまま玄関を開け、客を確認した。
A「ウェーイ、こんちゃー〈バタンッ!!〉うん、元気だな」
やって来たのはAだった。
それを真っ先に確認した高雅は覚めてもない頭で家に入れないと命令を出した。
バキャッ!!
A「お邪魔しま~す」
Aは自分の力を活性化して、玄関の扉を破壊して入って来た。
高「ぅおい!!」
A「いや~、最近、お前が来ないからどうしてんのかな~って訳」
ちなみに、高雅は自分の創造を学校に行かせてある。
少し本物と違うが、大抵は同じなのでこういう親近感がある人でないと気付けない。
それが1週間も続いたためか、心配になったAがやって来たのだ。
高「それで扉を破壊するな。粉々に粉砕するぞ」
A「いいじゃねえかよ。どうせ、後でアリアがやっておきましたって事にすれば」
高「人の使いを裏役に回すな!!」
A「んなことより、何で学校に来ねえんだよ?。あんな、偽者、俺以外の奴だって見破ってるぜ」
高「別に。普通の人間が、『あれは創造の力で創った偽の崎村高雅だぞ』とか言うか?」
A「・・・・・言ってたら痛いな、そいつ」
高「お前の事だ」
A「俺は普通じゃないも~ん」
そう言って、Aは手首についてあるミサンガを自慢げに見せる。
高「気楽なお前が羨ましいな」
A「どいたまして」
ロ「おっす、コウガっち!!。遊びに来たぜ!!」
高「来んな!!」
何故か続いてログナと蓮田がやって来た。
蓮「あれ、玄関が壊れてるよ。取りあえず、お邪魔します」
ロ「おっじゃま~」
蓮田は家に上がり込むまではしなかったが、ログナは靴を脱いで図々しく家に潜入する。
高「おいっ!!」
ロ「いいじゃねえか。入場料として、扉は直してやったからよ」
高「そっか。じゃあ許す」
A「俺m「諦めろ!!」できぬぅ!!」
Aとの騒ぎはまだまだ続き、結果的に押し負けた高雅であった。
だが、いつの間にか元気を取り戻していたのは本人は知らない。
それから、Aとログナによるドンチャン騒ぎが幕を開けた。
そのたびに高雅の鉄拳制裁が炸裂していたのは言うまでもない。
ただ、高雅の笑顔が自然と回復していたのも言うまでもない。
A「んじゃ、休憩がてらにテレビでも見るか」
そう言ってテレビを付けた瞬間、真っ先に見えた映像により全員は衝撃を受けた。
チャンネルを回そうとしていたAも固まってテレビを見ていた。
その光景は
南極の一部が赤く染まっていたのだ。
A「ふっへ~、こりゃ魂消た」
ロ「これ、何っつう温暖化?」
蓮「あれ、温暖化って氷を赤くするの!?」
高「そんなことはない」
A「おお、あのモザイクは幼女のモザイクだ!!」
高「それはどんなモザイクだよ」
そう言って、高雅はテレビを見る。
そこには、確かに体がモザイクで隠された少女の姿が映っていた。
T「ごらんください。訳あってモザイクをしておりますが、少女がこちらに手を振っています。彼女は一体誰なんでしょう?。この赤くなった南極と関係があるのでしょうか?」
リポーターがヘリコプターから説明する。
A「じゅるり、あのモザイクは裸を隠してるモザイクだな。くぅ~、目を活性して、見透かしてやる!!」
タ「邪心は断ち切る!!」
A「ちょ!?、冗談冗談冗談冗談!!」
ロ「何だ、今度は紙一重ごっこか?」
蓮「?、かみひとえごっこって何?」
A達はテレビを放ってまた騒ぎ出した。
それでも、高雅達はテレビに釘付けになり、さらに冷や汗をかいていた。
ア「・・・まさか・・・」
高「・・・・・・・・・」
フ「コウガ様・・・怖いです」
レ「我も・・・震えが止まらない」
フィーラとレオは体が震えており、フィーラは高雅の腕にしがみ付いた。
高「テレビ越えの殺気か・・・それも、俺のと似てる気がする」
ア「まさか・・・あれが高雅の義妹!?」
高「普通、南極に少女なんている訳が無い。あいつらが騙してそこに行かせてなければな」
ア「じゃあ・・・やっぱあの子が・・・だけど、文夫さん達は!?」
高「あの赤い理由が物凄い残酷なことしか思いつかないけど、聞くか?」
ア「遠慮する・・・」
高雅達は自然と悟っていた。
天界監視官組に何が起こったのかを・・・
中継を終えたリポーターとカメラマンは少女の保護へ向かっていた。
リ「ねえ、大丈夫なの!?。どうして裸なの!?」
少女を毛布で包み込み、ヘリコプターに案内しながら尋ねる。
少女は無邪気な笑顔で自慢げに話し始めた。
?「あのねぇ、あたしねぇ、あんまり教えてくれないから少し怒っちゃったのぉ。そしたらねぇ、道連れをされかけちゃってねぇ、危なかったのぉ」
リ「え!?」
リポーターにとっては意味が分からないが、それでも少女は話し続ける。
?「でねぇ、頭を剥いちゃってぇ、脳みそから直接お兄ちゃんの居場所を教えてもらおうと思ったんだけどねぇ、死に際に記憶を消しちゃったんだよぉ。がっくりぃ・・・」
少女は頭を下げて、落ち込んだように見せる。
リポーターは戸惑いながらも、質問を続ける。
リ「え・・えっと、あなた以外に南極に誰かいたの?」
?「もういないよぉ。話聞いてたのぉ?」
少女は機嫌を損ね、ムスッと頬を膨らませる。
リ「ご・・ゴメンね。あなた、お兄ちゃんを探しているの?」
?「そうだよぉ。お兄ちゃんの居場所ぉ、分かるのぉ」
リ「ゴメンね。お兄ちゃんの名前を教えてくれたら、探してあげるけど」
?「名前ぇ?。んっとねぇ・・・わっかぁんなぁい♪」
かわいらしく微笑みながら言う少女にリポーターは唖然としていた。
?「あぁ、でもねぇ、見た目なら分かるよぉ。とっっっっってもカッコ良くて強いのぉ」
リ「でも、それだけだと、探すのは厳s「大丈夫ぅ」えっ!?」
?「こうすればいいからぁ・・・えいっ☆」
グシャッ!!
少女は前触れもなく素手でリポーターの頭を貫き、脳みそだけを抜き取っていた。
少女はあろうことか、脳みそを食べ始めた。
?「はむ・・んく・・・ちゅ・・コックン♪。ん~、さっきの人達に比べると美味しくないなぁ」
少女は手に付いた血を舐め取りながら、お腹をさすっていた。
?「・・・ダメぇ。この人の記憶にお兄ちゃんが映ってなぁい」
不貞腐れながら、リポーターの死骸を足で突っつく。
その光景を見たカメラマンとヘリコプターの操縦士はあまりの出来事に腰を抜かしていた。
それに気付いた少女はニコニコ笑いながら歩み寄って行く。
?「おじさん達ぃ、脳みそぉ、ちょうだぁい?」
カ「ヒィィッ!?、来るなぁ!!」
カメラマンは命の次に大切なカメラを放り捨て、ヘリコプターへ走った。
操縦士も危険を感じ、カメラマンが乗った瞬間にヘリコプターを宙へ浮かせ、南極から離れてゆく。
カ「はぁ・・はぁ・・うっ・・・」
カメラマンはさっきの光景を思い出したのか、吐き気に襲われていた。
片手で口を押さえながらもう一方の手でバケツか何かを探していると、不意にその手が掴まれた。
目を向けると、そこにはいるはずもない少女が手を握っていた。
カ「うわあああああああああああ!!??」
操「ッ!?、なっ!?、何でいるんだ!?」
操縦士がカメラマンの叫び声に驚いて後ろを振り返り、少女を見つけた。
?「えへへ♪、おじさんはぁ、お兄ちゃんを知ってるのかなぁ?」
カ「や・・やめてくれええええええええええええええ」
?「あれぇ?、怖がってるのぉ?。じゃあ、痛くないようにしてあげるぅ」
少女はカメラマンの頭を掴み、目を閉じる。
そして、徐々に唇を近づけていった。
カメラマンはその姿に魅了され、自ずと唇を近づけていた。
そして、触れる瞬間に・・・
?「やっぱぁ、やだぁ」
カ「へっ?」
グジュッ!!
少女はカメラマンの首をもぎ取った。
?「ごめんねぇ。やっぱりぃ、ファーストキスはお兄ちゃんがいいもぉん♪」
少女はカメラマンの頭から脳みそを取り出し、また飲み込んだ。
?「ッ?・・の・・・喉に・・詰まっちゃったぁ・・うう・・・」
噛まずに飲み込んだためか、脳みそが喉に詰まってしまった。
?「の・・飲み物ぉ・・・あ・・あったぁ♪」
操「え!?」
少女は操縦士を見つけると、そのまま飛びついた。
そして、服越しに首元に噛み付いた。
操「な・・あ・・・」
操縦士は訳が分からず、ただ震えていた。
だが、徐々に意識が飛んでゆくのを感じていた。
少女が多量に操縦士の血を飲み干しているのだ。
?「んく・・・こく・・・こく・・・ぷはぁ♪」
少女が満足げに離れた時には、操縦士はミイラになっていた。
少女によって、血も水分も全て吸い尽されたのだ。
?「おいしくなぁい・・・でも、詰まったのは取れちゃったぁ♪」
そうして喜んでいる内にあることに気付いた。
景色が傾いて徐々に海が近づいていた。
?「これ何だろぅ?」
しかし、全く構わずに操縦レバーを弄り始めた。
そのまま周りのボタンにも興味を示し、適当に弄っていた。
そのヘリコプターは滅茶苦茶な軌道を描きながら落下して行き・・・
ザバーン・・・・
海に落ちた。
その後、少女はどうなったかは誰も知らないが、こんな事で死ぬとは誰も思わないだろう。
これで、新しいお話のプロローグみたいなものは終わりです。
次回は少し飛んでこの少女と高雅のお話を書いて行きます。
はてさて、今度のお話は何ヶ月かかることやら・・・