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探し探される

今年ももう終わりですね。


来年も読んでくれると嬉しいです。


それでは、良いお年を。

A「決着の時だな」

高「ふあぁ~、寝みぃ」

向かい合わせに立つ高雅とA。

そして、二人同時に駆けだす。

A「うらあああああああああああああああああああ」

高「でやあああああああああああああああああああ」

すれ違う刹那、斬撃を交わす。

そして、二人はジッとして動かなくなる。

A「・・・・・・」

高「・・・・・・ごふっ!?」

高雅の胸に一閃の斬撃が入った。

高雅は力を無くして倒れた。

A「・・・勝ったんだ。俺、勝ったんだ・・・」

Aはまだ実感しない勝利に茫然と立ち尽くしていた。

そして、徐々に湧いて来る実感が嬉しくなり叫ぼうとした。









A「やったああああああああああああああああああああ〈ゴンッ〉あぐっ!?」

突然の痛みに目を覚ますA。

そして、冷静に今の事を判断する。

A「・・・何だ、お決まりの夢オチか」

Aは現実を知りながら、取りあえず着替え始める。

タ「主よ。何を叫んでおったのだ?」

A「久しぶりに喋ったな、タイト」

タ「何を言っている、主よ。拙者はよく喋っているではないか」

A「あ、いや、そう言う意味じゃなくて」

A母「Aー、起きてるのー?。遅刻するわよー」

A「分かってる分かってる」

Aは素早く着替えを済ませ、さっさとリビングへ向かう。

そして、用意されていたトーストを咥えてそそくさに出ていった。

ちなみに、活性付きの超全力疾走で登校中。

A「あむ・・・あー、良いロリとぶつからねえかなぁ」

非常に危険なセリフを吐き捨てながら器用にトーストを食べる。

A「お、早速四つ角に来た。さあ、今日こそフラグを立てたいぜ」

タ「主よ。いい加減にせねばその邪心を叩き斬るぞ」

A「じょ・・冗談だって。なはははは・・・」

Aはトーストを一気に飲み込んで走りに専念する。

四つ角を完璧な減速とギリギリのインコーナーで曲がり切り、立ち上がりも問題ない。

ただ問題だったのは、死角に人がいたことだった。

いや、正確には人ではなかった。

A「うおお、高雅ああああ!?」

高「んあ?」


ガゴンッ!!


A「あーーれーー」

寝ぼけながら自転車を漕いでいる高雅にもろにぶつかったAは星になった。

高「んあ?、何かぶつかったか?」

ア「さぁ?」

A「さぁ?、じゃねえぞ、コンニャロー!!」

星になっていたはずのAがいつの間にか戻って来ていた。

活性を使った全力疾走だったが、全く疲れてはいない。

高「ふぁ~、誰かと思えばお前かよ」

A「こんな時間に珍しいな。何だ?、夜ふかしでもしたのか?」

高「お前には話す価値がねぇよ。ふぁ~、ねみぃ~」

A「んな硬いこと言うなよぉ。ほら、仲間の相談なら聞いてやるから」

高「あー、さっき名前で呼んだな、コンニャロー」

A「ちょ!?、今それを出すかよ!?」

高「問答無用。それが俺の夜ふかしの理由だ」

A「嘘こけ!!。今さっきの事だろうが!!」

高「言ったろ?。問答無用って」

A「ひでぇ!?」

ア「二人とも、そんな暇なんてあるの?」

アリアが注意を促すと二人は思いだしたかのように学校がある方へ顔を向ける。

すると、タイミング良くチャイムが鳴り響いた。

A「こ・・こうしちゃいられねえ!!・・・ってあれ?」

気付けば、すぐそこにいたはずの高雅の姿は無かった。

代わりにあったのは秋の終わりを告げる一枚の落ち葉だけ。

A「もう、秋は終わりだなぁ・・・・んな場合あるかぁ!!」

タ「急げ、主よ。あれはまだ予鈴と言うものである」

A「分かってる!!。もう一度頼むぜ!!」

タ「承知」

Aは再び全力疾走を始めた結果、ギリギリで間にあったそうだ。








いつもの数学の時間。

先「えー、このグラフの接線を・・・」

高「・・・・・」

先(お・・・起きてる・・・だと・・・!?)

毎度同じのように眠っているはずの高雅が普通に授業を受けていた。

先「さ・・・崎村君、答えなさい」

高「ハイ、(2,3)デス」

先「正解です」

高「・・・・・・」

高雅は答え終わったにも関わらず、寝ようとしない。

先(ふ・・不自然過ぎる!!)

そんなことを思いつつ、授業を進める。

その事を感じているのは何も先生だけではない。

A(・・・あいつ、授業サボって何をやってんだ?)

Aはそう思いながら高雅の方を見る。

Aは分かっていた、これは偽物だって。

とは言っても、高雅と仲が良い者は全員気付いているが。

A(全く、自分で抱え込まんで仲間に相談しろってんだよ)

先「A君!!」

A「う・・うぇい!?」

裏返った声で返事をしてしまい、周りから笑いが零れる。

先「ぼぅっとしないで、この問題をこt「y=2x+6」せ・・正解・・」

A「なめないでください。これでも、勉強してますから」

人差し指で自分の頭を指しながら嫌みたらしく言う。

それにムカついたのか、先生は指の間、計8か所にチョークを挟む。

さらに、様々な色を使ってカラフルである。

先「調子に乗らない!!」

八本のチョークを纏めて投げた。

さらに、チョークにスピンをかける神業である。

A「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄」

何と、Aがチョークを指の間で取っていく。

そして、全てのチョークを指の間で取った。

周りの生徒は思わず拍手をしてしまった。


キーンコーンカーンコーン・・・


先「・・・号令」

先生は号令が終わった後、敗北感に押しつぶされながらも職員室へ戻った。

Aはチョークを黒板の溝に戻し、自分の指の間を見て言った。

A「・・・正直、熱かったです、はい」

スピンによる摩擦熱は尋常でなく、普通に火傷していた。

先生は知らない内に強くなっているのです。








一方、本物の高雅は真の契約を使って空にいた。

高「いたか?」

ア「いや、見当たらないよ」

二人は活性の力で視力を強化し、町を見渡していた。

高「エクスとサミダレ、どこに居やがるんだ」

ア「取りあえず、隅々まで探そうよ。きっとどこかにいるから」

そう、エクスとサミダレはあの日から高雅の家に帰って来ていないのだ。

それだけでなく、ちょくちょく見に来ていた文夫達も全く来なくなったのだ。

それを心配した高雅はろくに寝ずに探していたのだ。

高「ったく、人にこんな面倒な事をさせやがって。帰ってきたらタダじゃおかねえ」

ア「やっぱり、心配してるんだ」

高「ばっ・・心配とは違う!!。断じて違う!!」

ア「全く、懲りないね」

高「んなことはいいから、さっさと探せ!!」

ア「はいはい♪」

高雅の照れ隠しにアリアは笑っていた。

高雅は自分の顔を見られないようにアリアとは違う場所を探していた。

ア「・・・それにしても、どうしたんだろう、二人とも?」

高「本人に聞かない限り分かる訳が無い。帰ってきたら満足するまで聞けばいい」

ア「・・そうだね。そのためにも、早く見つけないとね」

高雅はさらに上空に行き、もっと広い範囲を見渡す。

そんな時、海の方に目が入った。

高「・・・ん?。おい、アリア。海の方を見てみろ」

ア「海?。海のどの辺?」

高「日本海の方。えっと・・・あれは鳥取の上の方か」

ア「えっと・・・鳥取の・・・ッ!?」

アリアが何かに気付いた瞬間、高雅は全速力でそこへ向かった。

そこには、無惨にも殺された五人が浮かんでいた。

ア「エクス!?、サミダレ!?」

高「監視官組も・・・・マジかよ・・・」

高雅は一瞬パニクったが、すぐに冷静さを取り戻し、五人を助ける。

まず、方向の力で水面から浮かせ、さらに再生の力で回復させる。

文「ぐ・・ああ・・・ッ!?、高雅!!」

文夫は高雅を見つけた瞬間、すぐに肩を掴んで揺すった。

文「無事か!?、まだあいつに会ってないか!?」

高「ちょ・・待てって!!。揺らすな!!。お前らこそ、一体何があったんだよ!?」

高雅が文夫の手を振りほどく。

文夫はそれで我に返って冷静さを取り戻した。

文「ああ・・悪い。実はな、あいつが下りてきたんだ」

高「いい加減、勿体ぶるな!!。さっさと教えろ!!」

文「分かった。いいか、良く聞けよ」

高「だーかーらー」

文「分かった分かった。実はな・・・


お前の妹が下りてきたんだよ!!」


高「・・・・・・what?」

高雅は意味が分からない事を言われ、脳みその理解が遅れた。

文「とは言っても、腹違いだがな。ルシフェルが直々に育てたやばい奴だ」

高「そんなにやばいのか?」

勇「だから、俺達が死んでたんだろうが」

起き上がった勇人が悔しそうな顔で言った。

文「取りあえず、そいつとお前を会わせる訳はいかない。お前はこれから家から出るな」

高「なっ!?、ふざけるな!!。俺が関係するんだろうが!?。黙って家で寝てられるか!?」

紗「くぅ・・・取りあえず、言う事を聞いて」

紗奈恵が痛みに耐えながらも高雅に頼む。

完全に再生したはずなのに、何故か痛みが残っていた。

文夫が紗奈恵に静寂の力を掛け、痛みを和らげてあげた。

文「本当に頼む。これは天界の存続を賭けた問題だ」

勇「お前とそいつが会うと天界がお終いなんだ。だから頼む」

文夫と勇人が頭を下げる。

高雅は納得がいかずも三人の本気の顔を見て納得せざるを得なかった。

高「・・・分かったよ。寝てりゃいいんだろ。学校休めるし、この際、冬眠でもしてやらぁ」

文「安心しろ。1週間で終わる」

高「はんっ。大体、一度負けたのにどうやって勝つつもりだよ?」

文「任せろ。とっておきの秘策がある」

紗「まぁ、高雅はその二人の看病をお願い。多分、精神的に参ってるから」

高「あー、分かった」

勇「じゃあ、行きますか。ちなみに、そいつはバカだから、お前の居場所を騙してるし、すぐに見つかる事は無い」

文「そんな事だ。味わえない秋休みでも過ごしてろ」

高「へいへい。てか、早めの冬休みみたいなもんだろ」

紗「それじゃ、ちゃんと家に居てね」

文夫達は空間の力でどこかへと消えていった。

高雅も空間の力を使って家へと帰った。








南極上空。

?「お兄ちゃーーーーん」

吹雪が舞う中、無邪気に呼んでいる裸体の少女がいた。

マイナスの気温に関わらず、全く持って平気な顔をしていた。

?「お兄ちゃーーーん、迎えに来たよぉーーーー」

文「残念だが、ここにお兄ちゃんはいないぞ」

どこからともなく現れる文夫に少女は首を傾げる。

勇「悪いが、お前を生かす訳にはいかない」

紗「ここであなたを止めるわ」

?「止めるぅ?。何をぉ?」

かわいらしく首を傾げるも、全く表情を変えない三人。

すると、少女は何か分かったのか、手のひらを叩いた。

?「そっかぁ、お兄ちゃん探しを止めるって事ぉ?。じゃあ、会わせてくれるのぉ?」

勇「そうだな、今度は北極に移動したかもな」

文「だが、行くことはできない。ここで俺らと遊んでもらう」

?「また遊んでくれるんだぁ。よーしぃ、張り切っちゃうぞぉ」

そして、彼らの遊戯が始まった。

殺気に満ち溢れたこの南極で・・・。

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