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文化祭 二日目 後編

桃太郎は誰もお供を連れずに海まで辿り着きました。

向かい側には目的地である鬼ヶ島が見えます。

桃「ちくしょー、お供がいないと辛いな」

愚痴を零しながらも、桃太郎は置いてあった船に乗り込みました。

しかし、困ったことにその船にはオールがありませんでした。

桃「あれ?。普通、船とオールは一緒だろ?」

しかし、いくら探してもオールだけが見つかりません。

?「探してるのはこれか?」

そこに親切な誰かさんが桃太郎にオールを渡してくれました。

桃「おお、ありがとうございま・・・・てっ、ええええええ!?」

桃太郎が驚くのも無理はありません。

オールを渡した本人は鬼ですから。

※鬼役は高雅です。

鬼「何だよ?。んな鬼を見たような顔をして」

桃「鬼を見たんだよ!!」

鬼「そりゃ、良かったな」

桃「良くねえよ。俺はお前を討伐して、お爺さんを助けるんだ!!」

鬼「そうか。なら、早くあの島に行く事だな。そこにお前の爺さんと鬼達がいる」

桃「いや。今、目の前に鬼がいるから」

鬼「じゃあな」

鬼は言いたい事だけを言って海に飛び込みました。

そして、泳いで鬼ヶ島に帰って行きました。

桃「お・・泳げたのか?。取りあえず行くとするか」

桃太郎さんはあまり深く考えず、鬼ヶ島へ向かいました。

だが、鬼ヶ島が見えていたとしても、いつになってもつきませんでした。

桃「と・・遠いなぁ・・・距離感が分からねえ・・・腕が棒のようだ」

それでも、桃太郎はめげずに鬼ヶ島を目指しました。



フ「コウガ兄様が悪役です」

ア「ごめん。私、この先の展開が読める・・・」

レ「僕も少しだけ思い当るぞ」



一時間かけて辿り着いた頃、桃太郎の腕はパンパンになっていました。

これでは、日本刀は振れない状態です。

桃「く・・くそ・・・こんな状況で戦える訳ねえ」

辺りを見渡すも、局地的な嵐が発生しており、紫がかった雲が空を覆っているだけです。

桃「どこのラス面だよ」

鬼「待ってたぞ」

桃「えっ!?」

突然、鬼達が岩の裏からぞろぞろと現れました。

桃太郎は待ち伏せされていたのです。

※他の鬼は名もない生徒達です。

桃「な・・何故分かってたし!?」

鬼「俺がお前にオールを渡した時点で分かってた」

桃「わ・・罠か!?」

鬼「普通、気付くだろ」

鬼1「ヒャッハー!!、袋叩きだーー!!」

鬼2「いええええええええええええい」

桃「ちょっ!?、タンマ!?」

桃太郎は休む間もなく鬼達と戦い始めました。

が、たかが桃から生まれただけで能力が優れている訳でもなく、呆気なくボコられてしまいました。

桃「うぐ・・・」

鬼3「どうした、それで終わりか!?」

絶体絶命のピンチ。

お供もいなければきび団子もありません。

あるのは今は振る事のできない日本刀だけ。

鬼「ひよっこ一人で何ができる?。お前ごときに人を救う力なんてねぇんだよ」

桃「ちくしょー、俺に力があれば・・・」

鬼「見苦しい。くたばれ」

鬼は金棒を振り上げ、トドメの一撃を決めようとします。

桃「お爺さん、お婆さん・・・すみません・・・俺・・帰れそうにありません・・・」

桃太郎が諦めかけたその時、雷が落ちました。

それも、振り上げた金棒の上に。

鬼はまる焦げになり、ピクリとも動かなくなりました。

桃「ん?、ラッキー」

鬼「と、思ってたか?」

桃「生きてるーーーーーーーー!!??」

何と言うことでしょう。

鬼はまる焦げになりつつも普通に喋れました。

折角の奇跡も無意味であったのです。

鬼「今時、雷で鬼がくたばると思うな」

桃「嘘だろ!?」

鬼1「はっはっは、お前のマヌケ面はお笑いだったぜ」

桃「くっそ・・・ん?」

鬼2「くたばれえええええええええい」

桃「そうはいくか!!」

桃太郎は鬼の攻撃を避け、その隙に日本刀で胴体を斬りました。

いつの間にか、腕の疲れが大分取れていたのです。

鬼2「ぐわあああああああ」

鬼は悲痛な声を上げて散って行きました。

鬼1「この野郎!!」

桃「桃太郎をなめるなよ!!」

日本刀を持った桃太郎の右に出る者はいません。

鬼は次々に倒れ、残り一人となりました。

鬼「やるじゃん。だが、その程度でこの俺を倒せると思うなよ」

鬼は死んだ奴の金棒を持ち、二刀流の構えになりました。

桃「正義は勝つ。絶対にな」

鬼「正義はそれぞれが持つ。勝つのは当然だ」

桃太郎の最終決戦が今始ます。



フ「こ・・コウガ兄様、絶対に容赦してないです」

ア「演劇でも容赦無しって・・・」

レ「だが、その動きは観客を魅了してるぞ」

高雅とAの戦いはそこら辺の劇とは違い、お互いに本気でぶつかり合っている。

もちろん、紙一重で攻撃を避け、隙あらば最速で敵を斬る。

どう見ても本物の戦いである。

ア「これって本当に演劇?」

フ「ここだけはリアルです」

レ「まぁ、演技より面白いのは確かだ」



桃「ぐわぁ!!」

鬼の一撃を受け切れず、日本刀が弾かれてしまいました。

鬼「万策尽きたな」

もう、桃太郎を守る物はありません。

今度こそ、絶体絶命のピンチです。

?「おーい」

鬼・桃「?」

そんな時、空から声が聞こえました。

見上げると、3匹の雉に乗った犬と猿がいました。

犬「暇だから助けに来た」

雉C「まぁ、お礼を言い忘れたからな、ちょっとこっちに来ただけだ」

猿「ウッキー」

桃「お前ら・・・」

鬼「はん、下等生物がどれだけ集まろうと俺に勝てる訳がねえんだよ」

桃「どうかな?」

鬼「何?」

桃「俺にはこれがある!!」

そう言って取り出したのは、猿に奪われていたきび団子です。

桃太郎はきび団子を取り出そうとしました。

しかし、いくら探しても手は空気を掴むだけでした。

桃「あれ?」

雉D「あー、団子なら俺らが食ったわ。ここまで運ぶの大変だったし」

桃「ちょ!?、お前ら、何しに来た!?」

猿「ウキー」

犬「無理やり連れて来られた」

雉C「取りあえず、気持ちは恩返し」

桃「ありがた迷惑だ!!」

鬼「はっはっは、本当に愉快だな」

鬼は腹を抱えて高笑いしました。

雉E「なめるなよ!!」

雉達は勇敢にも鬼に立ち向かいました。

鬼「ぐおっ!?」

雉はありえない速度で鬼を翻弄しています。

きび団子の力がまだ残っているのです。

雉C・D・E「もらったああああああ」

雉は鬼の隙をついて腹を貫きました。

鬼「ぐはああああ」

鬼は倒れ、遂に全滅しました。

桃「ちょ!?、脇役がボスを倒してどうする!?」

雉D「主役が必ず倒すなんて決められてない」

桃「そりゃ・・・まぁ、そうだけど」

犬「で?、これからどうすんの?」

桃「そうだった。お爺さんを助けないと」

桃太郎は目的を思いだし、鬼ヶ島の奥へと向かいました。

桃太郎一行は道中の宝を勝手に持ち出し、お爺さんを救い出して鬼ヶ島を後にしました。

が、船に乗る時に、宝が重すぎたため、出航することができませんでした。

桃「しょうがない。いくつか置いてくか」

犬「ふざけるな!!」

雉C「性根が腐ってやがる」

猿「前世からやり直せ」

桃「何で!?。てか、猿が喋りやがった!?」

結局、意見が割れ、喧嘩になってしまった桃太郎一行。

この後、桃太郎が勝利し、お宝はいくつか置いてくことになりました。



フ「雉が最強です」

ア「最後は桃太郎が勝ったけどね。けど、猿と犬って何しに来たんだろうね?」

レ「終わりが近いから登場させて置いただけだろう」



家に辿り着いた桃太郎一行はお宝を山訳の話で盛り上がっていました。

雉E「俺が倒したから9割は俺の物だな」

桃「ふざけるな。大体、雉がお宝を持ったって意味が無いだろうが!!」

犬「俺は名犬だ。だから10割よこせ」

桃「お前のどこが名犬だ!!。大体、また全部かよ。っておい、猿!!、何勝ってに持って行ってるんだ?」

猿「ウキキ?」

桃「とぼけるな!!」

犬「よろしい、ならば戦争だ」

桃「もう、やだこいつらあああああああああああああ」

桃太郎の叫び声は虚しく空に響き続きましたとさ。

お終い。



フ「め・・・めでたくないです」

ア「すっごい、無理やりな終わらせ方だね」

レ「まぁ、面白い所は面白かったではないか」

ア「そうだね。それじゃ、エクスとサミダレを呼んでくるね」

フ「ボクもいくです。どうせ、他のに興味はないです」

レ「僕も行こう。いい加減、自分をよそおうのも疲れる」

三人は人込みを抜けて体育館を後にした。

外に出てすぐのベンチに二人は座っており、案外すぐに見つかった。

ア「おーい、二人ともーー」

エ「ん?、終わったのかい?」

ア「うん。それで、これからどうするか相談しに来たよ」

サ「何じゃ、他の出し物は見物しないのか?」

フ「はいです。興味ないです」

レ「まぁ、正直な話、コウガのクラスがアレだったからな。他のに期待が持てん」

エ「はは、そうだったのか」

サ「まぁ、プロと言う訳ではない。厳しい言葉は程々にしとくんじゃ」

高「悪かったな。つまらない劇で」

ア「あれ、コウガ?」

いつの間にか高雅がすぐ傍にいた。

手には鞄を持っていて、まさに帰る準備万端だった。

レ「まだ終わってないはずだ。何故ここにいる?」

高「他の奴らの出し物なんて見ている暇があったら家で寝る」

ア「コウガらしいね。ところで、リュウコは何役で出てたの?。鬼の中にもいなかったし」

高「おい、龍子はナレーターだったぞ」

ア「嘘!?。あまりにもはきはき喋ってたから違うと思ったよ」

高「やる気になれば出来るんだよ、あいつも。と、言う訳で、さっさと帰るぞ」

ア「どう言う訳?」

高雅は人込みを使って先生にばれないように学校を後にした。

アリア達も高雅の後ろを追い、一緒に帰宅した。






★おまけ★


X「はっはっはっはっ・・・」

只今、Xは逆立ち全裸で町内を回っております。

ちなみに、Xのクラスはビリで高雅のクラスは後ろから3番目だった。

1番は凛のクラスのダンスパフォーマンスであった。

ちなみに、Xのクラスは漫才だったが、全部だだずべりだった。

X「今回は負けたが、次の勝負でひねりつぶしてやr「そこの君」はい?」

Xに話しかけたのは警察の人だった。

もう、何なのか分かりますよね。

警「猥褻物わいせつぶつ陳列罪で逮捕な」

X「はい?」

Xが?マークを飛ばしている内に手錠が掛けられ、連行されました。

その後、Xを見たものは誰もいなかった。

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