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文化祭 二日目 前編

緑淵高校体育館。

そこには地域の人たちで溢れていた。

その中にはもちろん、アリア達の姿もある。

フ「アリア姉様、いつになったら始まるです?」

ア「確か9時からだから、後5分ぐらいだよ」

レ「それにしても、すごい人の数だな」

現在、体育館には生徒と一般の人を含め、約800人が埋もれていた。

サ「私はこんな人込みは嫌だのぉ」

エ「では、少し外にいくかい?。僕もつきそうが」

サ「そうか。なら、少し付き合ってもらおうぞ」

ア「じゃあ、二人は離脱って事で」

サ「すまんのぉ」

エ「君達だけで楽しいでくれ」

そう言い残し、サミダレとエクスは体育館から出ていった。

それと同時にステージに誰かが上がった。

凛「ご来場の皆様方。大変ながらくお待たせしました。私は今回の司会者であり、生徒会長の姫花凛です」

凛は礼儀正しく頭を下げる。

凛「それでは早速参りましょう。最初は1年クラス別の合唱です。どうぞ」

凛が礼をしてからステージを降りた。

そして、観客が一斉に拍手をし、1年生の合唱が始まった。








ステージの裏側。

ここでは、1年生が合唱をしている間に2年生が演劇の準備をしていた。

そんな準備のさかいに対立をしている二人がいた。

X「ふふふ、売り上げは負けてしまったが、今度はこの俺様が優勝を頂くさ」

A「言ってろ、負け犬。俺は今までとは違うんだよ」

X「昨日は誤算だったが、今回は完璧だ。これで負けたら逆立ちで町内を一周してやる」

A「いいだろう、俺もそれを賭けてやる」

X「いいのか。泣いても許さないからな」

A「こっちのセリフだ」

互いに頭をぶつけ、睨みあっていた。

周りから見ればバカなサボりとしか判断してなかった。

そんな二人に見飽きたのか、高雅がAの後頭部にハイキックをした。

しかし、Aはかろやかに避け、そのままXの顔面に炸裂した。

高「おい、さっさと手伝えよ」

A「悪いねぇ。ちょっと挑発してた」

高雅は謝りもせずに、のびたXをほったらかしにして自分のクラスに戻った。

X「ぅ・・おい、この俺様を蹴って無言で帰れると思ってるのか?」

高「ところで、A。お前主役だろ。早く着替えねえと間にあわねえぞ」

A「やべっ。着替えどこに置いたっけ?」

X「おい、無視するな!!」

高・A「何だ、まだいたのか?」

高雅とAが声を揃えて言う。

完全におちょくっているのだ。

X「貴様らぁ・・・負けたらパンツ一丁で逆立ち町内一周だからなぁ!!」

高・A「へいへい」

高雅とAは軽くあしらってから去って行った。

そんな態度に、Xはマジギレ状態になっていたのは言うまでもない。







1年生の合唱が終わり、遂に2年生の演劇が始まろうとしていた。

フ「アリア姉様、コウガ兄様のクラスは何番目です?」

ア「えっと・・・あっ、どうやら最初みたいだよ」

フ「おお、早くみたいです」

ア「本人は見られるのは嫌がってたけどね・・・」

アリアがそんな告げ口をしても、フィーラは何の反応を示さずにステージの方をガン見していた。

凛「はい、1年生はどのクラスも練習の成果が発揮されてましたね。続きましては、2年生によるクラス別の演劇です。最初は2の2組による、『if 桃太郎』です」

奇妙なタイトルに観客達はざわめき始める。

凛「最後に、この演劇において注意があります。この演劇は童話、桃太郎とは一切関係がありません。似ている面もいくつかありますが、あくまで関係ありませんので、その所は注意をお願い致します。それではどうぞ」

凛がステージから離れると、幕が上がり盛大な拍手と共に演劇が始まった。







昔々、ある所にお爺さんとお婆さんが住んでいました。

お爺さんは都会へ出稼ぎに、お婆さんは水道代節約のため川へ洗濯へ行きました。

婆「はぁ、節約とは言え、やはりしんどいのぉ」

お婆さんは愚痴を零しながらも選択を済ませる。

すると、川の上から巨大な桃が流れてきました。

お婆さんは瞬時に洗濯物を結び、投げ縄の要領で桃を捕えた。

婆「ほあああああああああああああああああ」

そして、勢いよく川から飛び出た桃は思いっきり地面に叩きつけられ、真っ二つに割れた。

桃「い・・いてぇ・・・」

なんと言うことでしょう、中から普通の青年が現れました。

まるで何の取り柄もないようなちんちくりんな男の子?です。

桃「余計な事を言うんじゃねえ!!」

婆「これ・・・食えるのかのぉ」

桃「食うなぁ!!」

そんなこんなで、主人公が登場しました。



すると、ステージが暗闇に包まれた。

フ「何だか適当な感じです」

ア「主人公ってA君なんだ」

フ「あっ、明るくなったです」



桃太郎は成長する訳もなく、お婆さんからある情報を聞きました。

婆「桃太郎よ、お爺さんが鬼に捕まったらしいから助けに行け」

桃「命令系!?」

婆「ほれ、きび団子じゃ。これ食ってさっさと行け」

桃「だから、何で偉そうなんだよ!?。てか、何で捕まってんの!?」

婆「つべこべ言わずにさっさと行け。わしは寝る」

桃「うわっ、ちょ!?」

お婆さんは桃太郎を蹴り出し、日本刀を投げ渡して扉を閉めた。

桃「いててて・・・何だよ・・・てか、日本刀ってマジ?」

取りあえず、日本刀を腰に挿し、桃太郎の旅が始まった。



フ「も・・物凄い急展開です」

ア「他のクラスもあるし、時間の関係があるんだよ、きっと」

レ「そのようだろうな、きっと」



桃太郎が鬼ヶ島に向かっている途中、ある一匹の犬が現れました。

※ちなみに、犬役はBである。

犬「桃太郎さん、桃太郎さん、お腰に付けたきび団子、全部私に下さいな」

桃「丁重にお断りいたします」

犬「ケチ」

桃「ケチじゃねえよ!!。何だよ全部って!?」

犬「ああん!?、テメェ、たかが団子一個で従うと思うなよ」

桃「そりゃ、そうだけどさ、こっちだって個数が限られてんだよ。頼むから全部はしてくれよ」

犬「つまらねえ。こんなやつ、従えるか」

犬は文句を言って茂みへと帰って行った。

空しくなった桃太郎は旅を再開しました。



フ「げ・・現実味が・・・」

ア「まぁ・・・言ってしまえば当たり前だけど・・・」

レ「だとしたら犬が喋るのはいいのか?」



桃太郎は木陰で休憩をしていました。

桃「ふぅ、遠いなぁ」

雉C「ばあ!!」

桃「うわあ!?」

突然、3羽の雉が木の上からひょっこりとやって来た。

※ちなみに、雉役はC・D・Eです。

雉CDE「桃太郎さん、桃太郎さん、お腰に付けたきび団子、一つ私に下さいな」

桃「お・・おう、いいぜ」

桃太郎は3羽の雉にそれぞれきび団子を与えました。

雉は美味しく頂くと、お礼も言わずに飛び去って行きました。

桃「ちょ!?、おーーーい、食い逃げするなーーーーー」

桃太郎は腕を振りながら叫びますが、雉達は帰ってきませんでした。

猿「ウキー」

桃「あっ」

その隙に、木に隠れていた猿が桃太郎のきび団子を盗みました。

※ちなみに、猿役は夢です。

桃「うわああ、待ってくれええええええええ」

桃太郎は猿を追い掛けましたが、すばしっこい猿を捕まえることはできませんでした。

桃太郎はきび団子を失い、途方に暮れつつも鬼ヶ島を目指しました。

そこにしか、彼の行くところがありませんから。



フ「桃太郎が災難です」

ア「一応、面白いって言えば面白いね」

レ「これでは、人によるだろう」



後半へ続く





★おまけ★


外の風に当たっているエクスとサミダレはベンチに座っていた。

サ「中はどうじゃろうな」

エ「さすがに、透視能力は無いから分からないけど」

サ「まぁ、私は静かにのんびりする方が好きじゃ」

エ「そうかい。僕は少し賑やかな方が好きだな」

サ「ほっほっほ、好みは各々の勝手じゃ」

他愛もない会話をして時間を潰していた。

サ・エ「ッ!?」

そんな二人が同時に空を見上げた。

険悪そうな顔をして、空から目を放さなかった。

エ「まさか・・・」

サ「・・考え過ぎじゃろう」

エ「そうだよな」

そう言って、空から目を放す。

ただ二人は深刻な顔を変えずに考え込んでいた。

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