文化祭 一日目 後編
三編にまとめたら結構ぐちゃぐちゃになってしまった・・・
どうでもいい報告。
作者は推薦合格しました。
ただ、それだけの話。
高「良いことなのに、悲しーなー」
高雅とAは自分のクラスにつき、すぐに料理場に向かう。
高「交代だ」
B「おお、サンクス。それじゃ」
C「自由だあああああああああああああああ」
D「いやっほおおおおおおおおおおおおおお」
E「後は任せるぜ」
担当だった購買部組はさっさと出て行く。
残った料理場の光景を見て、高雅は溜息を零した。
高「・・・こりゃ、酷いな」
無残にも散らかった料理場。
洗ってない皿の山、焦げ付いたフライパン、冷蔵庫になおしてな素材。
高「あいつら、料理の才能が無さ過ぎるだろ」
A「これは酷い」
高「それにしても他の奴は?」
A「さぁ。サボってんじゃねえか?」
高「はぁ。取りあえず、片づけから始めるか」
A「よぅし、どっちが多く片づけるか勝負だ」
高「勝手にしてろ」
高雅とAは取りあえず片づけから始まった。
Aは張り切って片づけているが、高雅は裏腹にのんびり片づけていた。
二人の片づけの速度は異常で、悲惨な料理場は元の綺麗な姿に戻った。
A「6:4で俺の勝ちだな」
高「おめ。取りあえず、注文が入るまで寝るか」
高雅は待機用のイスを並べて、横になった。
そして、一秒も掛からずに夢の世界へと入った。
A「・・・暇d「注文・・・・入ったよ」ああ、ご苦労さん、杉野」
龍「えっと・・・オムライスが一つ・・・オレンジジュースが二つ・・・」
A「うい。おーい、高雅ーー」
高「・・・・Zzz」
A「ダメだ。完全に寝てやがる。起こすか?。いや、死闘が始まるだけか」
Aはしょうがなく思い、一人で準備し始めた。
Aの腕は結構なもので、器用に半熟のオムライスを作り上げた。
それと同時にオレンジジュースも用意をし終えていた。
A「おーい、出来たぞー。運んでくれ」
夢「はいは~い」
夢が元気良く返事をして料理を運んでゆく。
見たところ、客はすっからかんで空しい状態だった。
A「くっそ~、これじゃ優勝なんて無理だなぁ・・・」
高「だったら、諦めて寝てろ」
A「うぉお!?、いつの間に起きてんだよ!?」
高「んなことは、どうでもいい。で、このまま優勝できると思ってるのか?」
A「大丈夫だ、問題ない」
高「それ、なんてフラグ?」
A「じゃあ、どうすんだよ?」
高「さあね」
高雅は何を伝えに来たのか、また裏に戻って行った。
A「何だよ、あいつ」
龍「あの・・・ハンバーグ・・・一つ・・」
A「はいよ」
Aも裏に戻って行く。
戻ると高雅が何故か冷蔵庫を焦っていた。
それを見て、Aは高雅に何かやらせようと思い、声を掛けた。
A「なぁ、ハンバーグを作ってくれねえか?」
高「ん~・・・ちょっと待て」
すると、高雅は冷蔵庫にあった素材を全部取りだす。
何がしたいのか、出した素材を見て考え事をしていた。
A「何やってんだ?」
高「考え事」
A「見りゃ分かる。さっさとハンバーグを作ってくれないか?」
高「ん」
高雅が何気なく指を指した。
その方向を見ると出来たてのハンバーグが湯気を上げていた。
A「いつの間に!?」
高「・・・・・・これならできるな」
すると、高雅は勝手に何かを作りだした。
それを横目で見ながらも、Aは料理を誰かに運ばせる。
それを終えて再び見ると、綺麗に輝く黒い粒粒が出来上がっていた。
A「?、何だそれ?」
高「キャビア」
A「はいぃ!?」
高「キャビア」
A「いや・・そうじゃくて・・・はいぃ!?」
高「食え。味見。舌を活性化してどんな感じか教えてくれ」
A「あ・・ああ。言っておくが、俺は本物のキャビアを食った事があるぞ。味は分かるぜ」
そう言って、Aは高雅の作ったキャビアをスプーンで一口食べた。
だが、咥えたスプーンを離す事が無かった。
A「あれ・・・いや、嘘だ」
そう言って、もう一口食べる。
今度は活性化して確実に味を調べた。
だが、食感も味もキャビアそのものであった。
A「お前・・・何した?」
高「色んな調味料もあったし、簡単な調合だ」
A「調合っておま・・・いや、待てよ。これ使えば勝てるんじゃねえか!?」
高「作ってやってもいいが、メニューとか書き換えるのは俺は嫌だぜ」
A「俺、ちょっと本気出すわ」
そう言った瞬間、Aは残像を残して消えていった。
だが、残像になったAはすぐに実像となった。
A「改装、終わりました!!」
Aはビシッと敬礼を決める。
高「ご苦労。それと最後に言っておくが」
A「ん?」
高「・・・・俺は負ける事が嫌いだ。本気で勝ちたいか?」
A「おおともよ!!」
高「・・・じゃ、いっちょやるか!!」
こうして、高雅の究極の偽装料理とAの神速のメニュー書き換えが始まった。
A「俺、地味だなぁ」
一方、アリア達はと言うと、出し物をあらかた回りつくして、そろそろ帰宅しようとしていたところだった。
ア「どうする?。もう、殆ど回ったから帰る?」
フ「みゅ~・・・どうせなら、コウガ兄様と帰りたいです」
レ「では、どう時間を潰すのか?」
エ「また、コウガ君の所に行くのはどうだい?」
サ「それが最善の時間潰しかもしれぬのぉ」
ア「じゃあ、またコウガの所に行こっか」
目的を決め、歩き始める。
だが不自然にも、近づくにつれて人の数が多くなっていった。
ア「?、繁盛してるのかな?」
エ「行けば分かるだろう」
さらに進んで行くと、今度は列が見え始めた。
その最後列には見覚えのある顔があった。
ア「あっ、リンちゃんだ」
凛「?、あら、アリアさん。ごきげんよう」
ア「ねぇ、この列って何?」
凛「何でも、本物の高級料理を振る舞っていると聞いて、調べに来ましたの」
ア「そんな大そうな出店があるなんて、この学校で出来るの」
凛「そう言う物は禁止ですわ。ですから、生徒会長として調べに来ましたの」
ア「とか言って、ほんとはコウガに会いたいだけだったりして?」
凛「なななな、何を言います!?。そのような事はございませんわ///」
ア「目が泳いでるし、顔が赤いよ」
凛「そそ・・そんなこと、関係ありませんわ!!///」
フ「二人とも、目立ってるです」
フィーラに言われ、ふと周りと見ると見える範囲の全員がこっちを向いていた。
凛は咳払いをし、アリアは苦笑いをして間際らせた。
待つこと数分、列の始まりが見え始めた。
すると、アリア達の前に一人のメイドがやって来た。
それはアリア達も良く知っている人物だった。
ア「あっ、リュウコ」
龍「あっ・・アリア・・・それに・・・他の人たちも・・・」
夢「こら、龍子。普通に呼んだらいけないんだぜ?」
龍「ご・・ごめんなさい・・・」
ア「いいよ、別に」
凛「それよりも、高級料理とはどう言うことでしょうか?。予算内に入っていますか?」
夢「そら、ビックリするぜ!!。崎村がそこら辺の材料と調味料を使って本物の様な高級食材を作ってるんだぜ」
龍「あ・・これ・・・メニュー・・・です・・」
凛はメニューを受け取り、中をすぐに確認する。
フォアグラやキャビア、大トロまで幅広くメニューが書いてあった。
見た目はどれも本物みたいであった。
凛「・・・信用、し難いですわ」
夢「だったら、特別に料理場を見せてやるぜ」
凛「・・そうですわね。そちらの方が分かりやすいですわ」
ア「ねえ、私達も行っていい?」
夢「いいぜ、特別に連れてってやるぜ」
龍「で・・でも・・・高雅君の・・・・許可が・・」
夢「気にしない、気にしない」
夢は勝手にアリア達を料理場に連れてった。
龍子はどうしようと悩んだが、仕事の方を優先した。
こういうことに関しては高雅が恐ろしい事を理解しているのだ。
夢「ほらほら、こっちだぜ」
そう言って、夢が指を指す。
その先には高雅がただ立っていた。
凛「?、何をしていますの?」
レ「ただ、立っているように見えるのだが・・・」
ア「え!?、思いっきり料理してるよ」
凛・レ「ええぇ!?」
エ「だが、とても肉眼で捕えるのは難しい速さだが」
サ「微かに、ブレているのぉ」
フ「ボクには全然分からないです」
高雅の速さを見切っているのはアリア、エクス、サミダレだけだ。
他はただ立っているようにしか見えないのだ。
凛「・・・周りを見ても、特に、それらしきものは見つかりませんわ」
高「何がだ?」
凛・夢「うわぁ!?」
瞬間で高雅が後ろに現れ、驚きく。
高雅の表情はかなりご立腹のようだった。
高「お前ら、ここは立ち入り禁止だぞ。どうしてここにいる?」
凛「な・・何か卑怯な手を使っていないか確認しに来ただけですわ」
高「ふ~ん。っで、アリア達は何でだ?」
ア「あ・・えっと・・・ちょっと興味があったから」
高「じゃあ、お前は興味があれば国会議事堂にでも堂々と入るって言うのかよ」
ア「ごめんなさい・・」
アリアは深々と頭を下げる。
高「・・・まぁ、連れてきた奴が全責任を取るんだよな」
夢「えっ、ちょ・・・まっ――――」
夢と高雅は残像を残して消えてしまった。
すると、夢がいた所に夢らしき人形が置かれ、高雅が元の位置に戻って来た。
凛「・・・何をしました?」
高「罰」
それだけを言って、高雅はまた料理場につく。
凛「・・・まぁ、いいですわ。どうやら卑怯な手は使ってないようですし、これで失礼しますわ」
凛は確認を済むと、一人で裏から出ていった。
アリア達も出ようとしたが、アリアが何かを思いだして足を止める。
ア「あっ、コウガ」
高「何だ?」
ア「一緒に帰ろうよ」
高「・・・・知るか」
フ「え~・・」
高雅はアリアの質問に興味なく返す。
フィーラがブーイングをするも、高雅は何も答えない。
ア「ねぇ、一緒に帰ろうよ」
高「・・・俺が終わるのは4時ぐらいだ。そしてらさっさと帰ってやる」
ア「・・・くすっ、分かったよ」
アリアは高雅の不器用な態度に笑みを零し、裏から出た。
帰る途中、再び龍子と会う。
龍「あの・・・夢は・・・?」
エ「その答えはコウガ君のみがしる」
龍「?」
ア「と・・取りあえず、今はいないかな」
龍「・・・生きてる・・・よね?」
ア「大丈夫、きっと生きてるから」
あくまできっとである。
いつもそばにいるのだが、これだけは確信して言えなかった。
ア「取りあえず、大丈夫のはずだよ。それじゃ、私達はもう帰るから」
龍「あ・・うん。またね」
アリア達は帰ると言ってその場から去って行った。
龍子は夢の無事を心配しつつ、仕事に専念した。
文化祭一日目が終わり、高雅達は帰宅していた。
門の所で待っていたアリア達は高雅と合流したのだ。
ちなみに、高雅達の店は売り上げ一位で優勝を奪った。
高「ふぁ~、ねみぃ~」
ア「お疲れだね。明日もあるんでしょ、文化祭?」
高「まさか、また来るつもりか」
ア「えっ、だめ?」
高「やめとけ、二日目はステージでの出し物だからつまらないだろう」
フ「ステージです?。どんなことするです?」
高「俺の所は・・・『if、桃太郎』だったな」
ア「い・・いふ?。いふって何?」
高「もしもってことだ。まぁ、これはつまらないだろう」
ア「皆、どうする?」
フ「行くです」
レ「行こう」
エ「行くさ」
サ「行こうかのぉ」
ア「はい、満場一致」
高「テメェら・・・」
高雅は呆れて溜息を零した。
高「取りあえず、面白さは保証しねえぞ」
ア「別にいいよ」
アリアは笑って答える。
その顔を見て、高雅はもう何も言わなかった。
★おまけ★
敗北したXは後片づけも手伝わずに落ち込んでいた。
X「何故だ・・・何故午後から落ちたのだ・・・」
そう、午前の部はXのクラスが断然一位だったのだ。
だが、午後の部から一気に最下位まで下がったのである。
原因はこっそり雇ったプロの人達にあった。
X「何故負けたんだ・・・」
すると、生徒が落ち込んでいるXに声を掛けた。
生「なぁ、早く片付けよう」
X「何で負けたんだ・・・」
生(何でって・・・君の雇った人がギャンブル下手くそだったじゃん・・)
これが原因である。
Xの雇った人は執事に関しては完全にプロだったが、午後から行ったギャンブルはボロボロだったのだ。
お陰で、トップからビリと逆ごぼう抜きをしてしまったのだ。
X「くっそおおおおおおおお、二日目は負けんぞおおおおおおおおおおおおおおお」
生「早く片づけるぞ!!」
結局、Xは片づけをせずに燃え続けていた。
諦めた生徒はほったらかしにして片づけに戻った。
夢「お~い、誰かあたしを助けてくれ~だぜ」