合宿編 その5、強さの三要素
ただ今、交戦中。
ラ「この攻撃をかわしてごらん」
ラビリンスは両手の指10本から次々と矢を連射した。
無数の矢がコウガに向かって飛んでくる
高「何という弾幕だよ。こりゃ、隠れるか」
高雅はとっさに物陰に隠れた。
高「これは近づき難いな」
ア「どうするの?」
高「真の契約とやらは本当に凄いみたいだな」
ア「感心してないでどうするのよ?」
高「大丈夫だ。あういう奴は力に溺れるから頭を使えばすぐに倒せる。簡単にぶっ倒してやるよ」
ア「どこから湧いてくるのよ、その自信は?」
高「最初は俺らが勝っていた。それで、あいつは真の契約を使った。んで、今は余裕に俺らを追い詰めている」
ア「と、言うことは?」
高「調子に乗っている今が倒し時ってわけ。さっき、キレて理性を失ったふりもしたし、相手は完全に調子に乗っているだろうよ」
ア「あれって嘘だったの!?」
高「キレたのは本当だ。そら、そろそろ来るぞ」
ア「それで、作戦はあるの?」
高「もち」
高雅はアリア(剣)に親指を立てた。
ア「じゃあ、信じようかな」
アリアもその言葉を聞いて納得した。
ラ「隠れても無駄よ。この攻撃は広範囲だからね」
ラビリンスはさっきの攻撃を止め、力をためていた。
ラ「終わりね。この攻撃はかわせないもの」
ラビリンスがそう言った瞬間・・・
チュドーーン!!!
大爆発が起きた。
ラビリンスの目の前は巨大なクレーターが出来上がっていた。
ラ「これで終わりね。呆気ないものだったわね」
高「そうですか、呆気ないものですか?」
ラ「ええ、とっても呆気ないもの・・・って何で生きてるのよ!?」
高「気づくの遅いな。上を見ろよ。もう、俺の攻撃を用意してるぜ」
ラ「なんですって!?」
ラビリンスはすぐに上を見た。
ラ「・・・何よ、何もないじゃない」
高「当たり前だろ。嘘ついたからな」
ラ「あなたは何が言いたいわけ・・・」
ラビリンスは視界を空から高雅に向いた瞬間・・・
ズバッ!!
高雅がラビリンスを縦一閃で斬った。
ラ「が・・・」
高「頭使え、迷宮野郎。最強は力、知識、技術を一つも怠ってない奴のことを言うんだよ」
ア「女子を殺した罪をその身で償ってきなさい」
ラ「ぎゃああああああああああ」
ラビリンスは朝日の光が浄化したかのように消滅した。
高「ふう、なんか第2回戦は呆気なかったな」
ア「そうね。これで、ホテルも戻ったはずよね」
高「だろうな。それと、この穴どうする?」
高雅はドでかい穴に指をさして聞いた。
ア「いかにも不自然よね。こんな所に一晩でクレーターができるなんて」
高「穴を埋めるって言ってもはっきり言って不可能だし・・・」
ア「隕石にしちゃうって無理なの?」
高「う~ん、大きさが大体直径1キロだから、石の大きさは結構でかくせないけんから無理」
ア「じゃあ、このままほっとく?」
高「・・・そうするしかなさそうだ。よし、とりあえず寝るか」
ア「そういえば、一睡もしてないよね?」
高「適当にどっか日当たりがいい所で一休みするか」
ア「その前に、リュウコちゃんにもう終わったって伝えなきゃ」
高「はぁ~、めんどくせ」
ア「めんどくさくても行くの。ほら、早く」
高雅は渋々ホテルへ戻った。
ホテル内部。
高雅はアリアをブレスレットに戻し、ホテルをさ迷っていた。
高「窓があった部屋はどこだ?」
ア「ちゃんと見取り図覚えておこうよ」
高「うるせー、こうなるなんて思っていなかったんだ」
適当にさ迷っているとある生徒に会った。
A「おお、崎村じゃねえか」
高「何か用?。用件は5秒以内に言え」
A「相変わらずひどいな。それより、散歩してたらいいもの見つけたから来いよ」
高「ざけんな。そんな暇はない」
A「そう言うなって。一緒に美女の眠りを拝めようぜ。ちょうどそこのベンチで寝てるんだよ」
高「お前一人で拝めとけ」
ア(待って、コウガ)
高(何だよ)
ア(もしかしてリュウコちゃんかも知れないよ。リュウコちゃんも寝てないし)
高(なるほどな。その可能性が高いな)「おい、やっぱ案内しろ」
A「え!?・・・ああ、いいぜ。こっちだ」
高雅は生徒Aについて行った。
歩くこと2分、その先には・・・
龍「・・・すやすや・・・」
龍子が壁に体を寄せて寝ていた。
A「見ろ、あのかわいい杉野がこんな所で・・・って何やってんのお前!?」
高雅は普通に竜子の所へ行こうとしていた。
高「わざわざご苦労、じゃ」
高雅は適当に生徒Aに別れを告げ、龍子のもとに寄った。
龍「・・・うう・・・あっ」
高「起きたか」
龍「え・・あ・・・うん」
龍子は少し赤面しながら頷いた。
高「別に眠っている所見られたぐらい恥ずかしがるなよ」
ア「コウガは女心が分かってないね」
高「知るか。とりあえず、もう終わったぞ。それを伝えに来た」
龍「うん・・・ありがとう」
高「別にお前の為じゃない。自分の為だ。だからお礼を言われる筋合いはない」
龍「それでも・・・ありがとう。おぶってくれたりもしてくれたから・・・」
高「・・・じゃあ、俺はもう行くぜ」
龍「まって・・・あの、聞きたいことが」
高「何だよ?」
龍「その・・・アリアさんとはどういう関係なの?・・・」
高「・・・・・」
正直、高雅は何と言えばいいかわからなかった。
高(天使って正直に言っても信じないだろうな)
龍「あの・・・聞かれたくないことなら別に・・・」
ア「私はコウガの人生を見直させるために天国から来たの」
高「アホ、そんなの信じるわけないだろ!!」
龍「・・・具体的にどういうことをしているのですか、アリアさん?」
ア「簡単に言ったら人間嫌いをなくして友達を作ることかな」
高「違うぞ杉野。こいつはこのホテルの神様だ」
ア「何で嘘をつくのよ?」
高「うるさい、黙れ」
龍「あの・・・私が友達に・・・・・・」
高「いやだ。人間はこりごりだ」
ア「コウガだってリュウコちゃんはいい奴だって認めたじゃん」
高「それとこれとは別だ。とにかく、俺は人間が嫌いだ」
龍「じゃあ・・・認められるようにがんばるから」
高「なんでそこまで俺と仲良くなりたいんだよ?」
龍「・・・いつも助けてもらってるから・・・お礼がしたいの・・・だから」
竜子の真剣な思いに、高雅は頭を抱えて考えた結果・・・
高「わーったよ。これ以上拒否ったらまたクズの人間みたいになるからな」
ア「軽いんだかツンデレなのだか」
高「もういいだろ。俺は寝る。じゃあな」
高雅はこの場から逃げるようにどこかへ行った。
龍「ありがとう・・・私も部屋に帰ろう」
龍子も一人で普通に歩いて帰った。
その光景はあまりにも不自然だった。
ア「あら、リュウコちゃんは足を挫いていたんじゃ・・・」
アリアだけがその光景に気づいた。
ア「もしかして、まだ裏があるのかしら・・・まあ、今は疲れを癒そうかな」
アリアは考えるのをやめた。
もうちょい、合宿編は続きます。
☆おまけ☆
A「俺は一体何だったんだ?」
作「たんなる使い捨て」
A「ひどっ!!。作者鬼畜」
作「そんなこと言ったら消すぞ」
A「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい・・・」