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無双と夢想編 その15、正義は勝つ

裏に回っているレオと蓮田はなるべく兵に見つからないように気配を消して移動していた。

しかし、蓮田はそんな方法を知らない為、普通に歩いていた。

レ「蓮田殿、もっと姿勢を低く」

蓮「えっと・・こう?」

レ「そうだ。敵に見つかってはログナ殿に会うのが遅れてしまうぞ」

蓮「そっか。そうだった」

レオの言う事を素直に聞いていた。

そのお陰で、レオは蓮田に厳しく怒る事ができなかった。

レ「では、行くとするか」

蓮「早くログナに会いたいなー」

そう言って呑気にレオの後ろをついて行く。

レ(こんな戦の中でも緊張感が全くないな。まぁ、変に緊張するよりかはマシだな)

蓮「?、どうしたの?」

レオが蓮田の事を思っていたのが顔に出ていたのか、そう聞かれてしまった。

レ「何でもない。いつ流れ弾が来るか分からないから気を引き締めろ」

蓮「うん」

敵に気配を悟られないように慎重に進む。

そのお陰か、裏口の近くまで何事もなく辿り着いた。

しかし、そこで問題が起きた。

レ「・・・兵が集まっておる。これではどうにも中に入れないぞ」

裏口付近には天国の残兵共がギッシリと集まっており、中に入れる状態ではなかった。

蓮「どうしよう・・・」

レ「落ち着くまで待とう。無暗むやみに出るのはまずい」

そう言って待機し始めた。

もちろん、レオは周りの警戒を怠ってない。

そんな時だった。

蓮「・・?、ねえ、何かこっちに向かってくるよ」

レ「?」

蓮田が指を指している方を見ると、確かに、ドデカイ砂煙を上げてこちらに向かってくるのが見えた。

レ「何だあれは・・・?」

砂煙は徐々に巨大化し、遂に砂煙を上げている原因が見えた。

影からすると、人型である。

しかも、大声を上げて兵達に注目を浴びせられていた。

その声から判明すると、レオも知っている人であった。

A「ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああああああああああああああああ、二度も死にたくねえええええええええええええええええ」

必死こいて走るAの姿は天国兵の的となりつつあった。

兵A「おい、あいつ誰だ?」

兵B「天使ではないな。見たことも無い」

兵C「きっとセバス野郎の味方だ!!」

兵D「そうと決まれば応戦だ!!」

裏口付近にいた大量の兵共が一人残らずAに駆けだした。

それに気付いたAは地面をえぐりながら急停止した。

A「うお!?、何か来た!!。しかもやばい雰囲気だ!!」

後ろにはセバスチャン(創造)、前には大量の兵。

どう考えても穏やかではない。

A「畜生おおおおおおおおお。俺の天国ライフは地獄じゃねえかああああああああああ」

レ(A殿、悲惨だな)

そんな同情をしているが助けようとは全くしてない。

むしろ、利用して兵を消してもらおうとしていた。

レオの思惑通り、Aは方向転換して別の場所へ逃げていった。

レ「よし、これで中に入れる。行くぞ、蓮田殿」

蓮田に呼びかけるも、なかなか返事が返ってこない。

気になって蓮田のいる方を向いてみると、そこにいるはずの蓮田がいなかった。

レ「蓮田殿!?、どこに行ったのだ!?」

周りを見渡すと、蓮田がいち早く宮殿に向かっているのが見えた。

さっきは呑気に会いたいと言っていたが、実際は焦っているのだろう。

レ「くっ、世話が焼ける!!」

自分も急いで中に入ろうとした。

だが、すぐ目の前に突如砂煙が舞い上がった。

レ「ぐおっ、何だ!?」

目に砂塵が入らないように両手で顔を隠す。

砂煙が徐々に静まり、両手を放すと人影が見えた。

だが、さっきみたいにバカげた光景ではない。

最も、Aにとって馬鹿げた事ではないが。

レ「貴様、何ものだ!?」

立っているのは只者ではない雰囲気を纏っている。

それは一言も喋らないエクスの姿だ。

それを感じ取ったレオは一瞬で戦闘態勢に入った。

レ「?、見たことがあるような・・・」

エ「・・・・・・・・・・」

無言のエクスはただ剣を構え、戦う気を見せているだけだった。

レ「詮索は後だ。応戦する!!」

レオは高雅からもらった力を使ってエクスへ立ち向かった。











変わって高雅の方面。

高「ちくしょぉ!!。攻撃が当たらねえ!!」

マ「ちくしょぉ!!。攻撃が避けれる!!」

高「舐めとんのかテメェ!!!」

ア「コウガ、落ち着いて」

一方的に攻めてはいるのだが、攻撃が全くと言っていいほど当たらなかった。

完全に狙いを定めているのだが、一瞬にして攻撃を消されていた。

高「全く、どうなってやがる!?」

マ「全く、どうなってんだろうな!?」

高「テメェ、本気で殺されたいようだな」

ア「コウガ、挑発に乗り過ぎ・・・」

アリアは呆れてため息を零しながら静寂の力を強めた。

それに気付いた高雅はやっと我に返り、自分を情けなさを知った。

一度、深呼吸をしてから相手を見る。

高「あいつ、どうやって攻撃を消してるんだ?」

ア「消失や破壊を使っているようには見えないし」

じっくり観察していると、マックはレーザーを放つ。

高雅は避けずにレーザーを真っ二つにしてやり過ごす。

マ「う~ん、レーザーが当たらないと勝てないなぁ」

わざわざあごに手を当ててから考える素振りをする。

マ「ま、このまま過ごせば、いずれ勝てるか」

高「?」

不可解な言葉を言って一人勝手に納得するマック。

だが、高雅はそんな言葉も聞き逃したりしない。

高(持久戦に強いのか?。だとすると、早く決めた方がいいな)

高雅はさっきよりも数倍力を込め、マックを斬りに掛かった。

しかし、マックに接近したはずなのに、元の位置に立っている姿になっていた。

マ「無駄無駄ぁ。自分に触れることは断じて不可能さ」

だが、高雅は攻撃を止めない。

何度も何度も接近し、そしてその分、元の位置に戻された。

斬撃を創って飛ばすなど、飛距離のある攻撃を繰り出すも、全て消される。

敵のレーザーを避けようとしても、必ず当たる(だが、斬ってやり過ごしている)。

高雅はそれを繰り返し、今までのマックの事を思い返しながら謎を解いていた。

高「・・・同じ位置・・・消える・・・あいつの能力・・・」

マ(まずいな。少し把握されつつあるぞぉ。そろそろトドメと行くか)

マックはレーザーを放ち、高雅を追い詰めていく。

そして、トドメを刺すポイントまで追い詰めることに成功した。

マ(よし、ここなら最高のレーザーが撃てるZE!!)

心でガッツポーズをして、移動しようとする高雅をそこに戻す。

高「?」

マ「さよならだ。今度は斬る事はできないだろうな」

マックは高雅に狙いを定め、レーザーを撃つ準備をし始めた。

動けない高雅は同じように剣を構え、迎撃の準備をしていた。

マ「喰らうがいい。百発分のレーザーだ!!」

そう言って放たれたレーザーは異常なほど濃い色だった。

そして、太さも上から見た東京ドーム並みにある。

地面を抉りながら着実と高雅に接近していた。

高「おいおい、何だよこれ!?」

ア「強大過ぎるよ!!」

流石の高雅もどうする事も出来ない。

悪あがきに破壊や静寂を入り混ぜた盾を創造する。

だが、盾は触れただけで粉砕し、高雅を守るものはなくなった。

高「うあちゃ~、どーしょ?」

ア「きゃあああああああああああああああああ」

高雅は気の抜けた声を出し、アリアはもう叫ぶしかなかった。

だが、確実に詰んだと思われているのに、高雅の顔色は余裕を見せていた。

高「もちろん、対策はあるけどな」

ア「きゃあああああ・・・ってええ!?」

叫んでいたアリアは目を丸くして驚いた。

そして、数秒後にレーザーは巨大な傷跡を残して消えた。

マックの目の前にはまるで水の抜けた巨大な川が出来上がっていた。

マ「ふぅ~、正義は勝つ!!」

そう言って宮殿にVサインを送った。

高「正義は勝つ?。当たり前だろ。人それぞれ正義はあるからな」

マ「・・・ゑ!?」

後ろからあり得ない声が聞こえ、振り返ると首に剣を突きつけている高雅の姿があった。

マ「な・・何でぇ!?」

高「タネが分かれば対策は簡単だ。アリアの力は何だって出来るからな」

マ「どしてぇ・・・・何で分かったんだぁぁ!!!!!!??????」

異常なまでに大きな声を上げて悔しがる。

高「ちょっとばかし観察してたんだ。まぁ、それはお前も気付いていたと思うが」

マ「何故だぁ!!??。見破ったとしてもどうやって回避したんだぁ!!!!????」

高「じゃあ、解説してあげますか」

高雅は剣を突き付けたまま一言だけ告げた。

高「俺の過去を消した」

マ「げぇええええええええええ!!??」

高「お前は過去を利用できるようだな。俺を過去に飛ばした時もそうだし、さっきの攻撃もそうだったな。だって、あそこが一番レーザーを撃った事がある場所だったからな。過去のレーザーを出せば自然と重なって強くなる戦法だろ?」

マ「もももっももっもしかして、気付いていた?」

高「当然。攻撃も消すのも、過去にそれが無かった時に戻せば消えるからな。俺が移動できないのも、過去に戻しているからだろ?」

マ「参りましたぁ!!」

マックは首に剣を突きつけられているのに、一瞬で土下寝の体勢になった。

高「うん、許す訳ねえだろ!!」

セバスの仲間として許す高雅ではない。

マ「待って、待てって!!。自分はセバス様に脅されてただけなんだって!!。手伝わなければ家族を殺すって脅迫されて仕方なく手伝ったんだ!!」

高「一つ言っておく。まともな嘘を吐きやがれ!!!!」

高雅はマックの心臓を貫き、マックを討った。

その後、マックの宝石を探して破壊し、マックは完全に消滅した。

高「ふぅ」

フ「お疲れです」

エ「僅かな時間で敵の戦術を見切るとは、お前はほんとすげぇな」

高「どういたしまして。だけど、のんびり賞賛を浴びてる場合じゃない。さっさと親玉を討ちとりますか」

ア「でも、天国兵は中にはいないよ、きっと」

高「この際、当初の方法はどうでもいい。敵の残す駒は、あとエクスだけだろ」

それを聞いたフィーラは声を裏返して高雅に訴えかけた。

フ「エクスを殺すです!?。助けないです!?」

高「いや、そう言うつもりじゃねえけど・・・エクス、お前はどうして欲しいか?」

エ「本望は体が欲しいが、この際、ままは言わねえ。もし遭遇しても、思う存分戦え」

高「そう言われるとありがたい。だけど、少しはいい解決法を探すさ」

フ「では、宮殿へ行くです!!」

ア「気を付けて。セバスチャンの創造がどこに潜んでいるか分からないから」

アリアの忠告を聞き、皆はさらに気を引き締める。

そして、宮殿の扉を蹴り開け、中へと駆け込んだ。

ちょっとした余談。


高「正義は勝つ?。当たり前だろ。人それぞれ正義はあるからな」


↑気付いた人もいると思いますが、あの海賊漫画のセリフの一部のパクリです。

本来はそのまんま使おうと思っていましたが、さすがにそれはまずいと思い、ほんの少し変えました。

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