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果てしない物語は始まる

『これは貴方達の物語(ストーリー)。そして様々な種属の未来(想い)を手に今始まる。


目の前に流れてくる文字も音声も映像も蓮の頭を素通りする。自分の病室まで走って戻り、その後頼んでおいた甘めのカレーを急いで食べきってすぐさまログインをした。


今の蓮はゲームが楽しみな高揚感と珍しく走った興奮で冷静じゃなかった。そこに飛び込んできた『プロローグをスキップしますか』を迷わず選択した。


キャラメイク画面が出てくる。種族、体格、職業など様々なものがあるがそれらを全て無視してまずは体格スキャンをする。


体格スキャンとはその名の通り現実の体を読み込ませて現実とVRゲーム内の感覚を近づけたり、もしくは肉体を完全再現するためのもの。


なんだけど、体格スキャンは全身型のVR機器を買わなきゃ使えないし、最低でも値段が数万円は増えるからなぁ。プロ仕様のやつにも同じ機能ついてるけどあっちだと数十万は超えちゃうし。


そこまでやっても、動きがスムーズになるとかじゃなくて感覚が良くなるっていうか…リアル感が増すっていうか…説明しずらいけどその程度。


でもボクは絶対にゲームをやる時は体格スキャンで現実と同じ体でやってる。その方が…そう!生きてるっていう感じがするんだ。


そんなボクが使ってるVR機器は特別製。まず体に負担がかからないベット型、そして使用者の全ての生体情報を登録可能。さらにプロ仕様顔負けのスペックにある程度の遠隔操作までできる。


おそらく値段にするなら100万円は超えるに違いないという代物だ。まぁこれは姉ちゃんのっていうか病院の備品だからボクのじゃないし値段も知らないんだけどね。


とりあえず脱線はこのぐらいにして思考をキャラメイクに戻さないと、でも事前情報は見ないようにしてるから詳しいことは何も知らないんだよなぁ。ていうか発売前の公開情報がほとんどなかったらしいけど、それでも『種属』これがキーになってるのはわかった。


それを証拠に人間属という項目だけで100種はゆうに超えてる。これの他にあと亜人属、異種属の2つも残ってるんだから全部見てたら一体いつまでかかるかわかんないよ。


しかもこの種属の区切り方の規則性がない。特に人間属、これだけ桁違いに多くてごちゃ混ぜ。エルフとか獣人とかはまだわかるんだけどナーガとかドライアドとかも人間属扱いになってる。


それに亜人属でも鬼とかは角が生えてるだけなのに同じような見た目の有角属は人間だ。こんな感じのややかしいのが多すぎ!何、獣人属の人間と人獣属の亜人って字面変わんないじゃん。一応二足歩行してる動物と動物の特徴がある人間っていうぐらいには違うんだけどね。


気になる異種属はこれだけ特殊な感じなのに全て人型を保っているという所がちょっとがっかりかな。わかりやすいのはスライムとかも粘人属(スライム)になっててちゃんと人っぽいし不定形ではない感じだ。でもボクは人型から離れるの好きじゃないからいいんだけど


それにしても…結局何を選ぼうかな?


「絞り込み?あっ、ちょうど良い機能あるじゃん」


その中の項目にある、小柄補正いうものを押してみた。これは小柄なことがメリットになる種属だけを表示してくれるらしい。どうやらこのゲームは体格を自由に決められるが余りにも逸脱すると種属によって恩恵を受け取れなくなるらしい。


つまり大きい小人属(ドワーフ)も作れるがあまり意味が無いということだ。これを踏まえると実際の体格でプレイしているボクは実質縛りプレイだということだけど、いつものことだから仕方ないよね。


そして出てきた検索の中で目に入ったのは妖精属(フェアリー)だ。他の種属はあくまで小柄がデメリットにならないぐらいだけどこれはメリットになる気がする。


<妖精属>子供のような小柄な種属。見た目通り非力だが侮ってはいけない、うちに秘める魔力が高いのは勿論だが。その力を扱えば大の大人も余裕で殴り飛ばす。フラフラと風に揺られ気ままに魔法を振るう姿はまさに弄ぶ怪異。


なんか説明が全然可愛さの欠片もないんだけど、一応異種属だしこういう扱いは仕方ないだろう。


ステータスは力に下降補正がかかって魔力に上昇補正がかかるシンプルな魔法使いって感じなんだけど。特殊なのはスタミナの代わりにMPを使用できるということ。さらにMPを消費することで INT(知力)STR(筋力)として判定できる。まぁMPで戦う戦士みたいなこともできるんだろう。


そして特性は<浮遊><消費魔力回復>の2つ


浮遊はその名の通り宙に浮くが小柄なほど効果が高いらしい。


消費魔力回復はややこしくて使ったMPの何割かが時間で回復するがその割合は消費量が多いほど減ってしまう。そして回復が完了する前に続けてMPを使うと回復できずにそのままになる。つまり魔法を連発すると意味がなくなる。


次は職業、妖精属を選んだから相性が合うものは限られる。魔法職を選ぶとAGI(敏捷)とかも下がるのも多い。流石に今の段階で魔法戦士とかはないようだし、剣士とかは無難だけどSTR(筋力)に補正がかかるのはもったいない感じする。


これが良さそうかな、


<曲芸師>(短剣)世界を放浪しながら芸をして稼ぐ者。彼等は世を渡り歩く力も強靭さも持ち合わせていない。ただ手先の器用さと華麗な動きそして日々の幸運が生き残る術だ。


ステータス補正はSTR(筋力)VIT(防御力)が下がる代わりにDEX(器用さ)AGI(敏捷)LUC(幸運)が上がる。


魔法関係は上がらないけどステータス補正は無駄にならなそうだから大丈夫でしょ。


結構時間がかかったな。これ以上長くなると楓ねえ達が先にログインする可能性がある。でも後は装備を決めるだけだしちゃちゃっと済まそう。



と、思ってたんだけどこれめちゃくちゃ悩むぞ。装備を選ぶ際に予想外が2つあった。職業によって初期の装備が違うのはわかるけど、どうやら初期装備はそれぞれの出身国で買える装備の中から選ぶことができるらしい。


ボクの場合は妖精属の国の武器や防具の売買ができる。例えば防具を犠牲にすれば他の武器などを性能のいい物に買い換えることができる。しかも序盤の町では手に入らないような物に。


色々あるけどこういう時、優先するのはやっぱり武器だろう。見た目と能力が気に入った「魔葉刃(マハバ)」という名前の武器を買った。値段は初期武器より2段階も上だが性能は1段階上の物と同じ、その代わりMP(魔力)とINTで判定できる。


これだけなら頭の防具を捨てれば良いだけだし問題はなかった。問題なのはスキルや魔法も買えるということ。ぶっちゃけ防具を全部捨ててスキルと魔法に全振りするのもあり。


うーん、でもいやだなぁ半裸プレイは。まずその状態で楓ねえ達にどんな顔して会えば良いんだよ。それになによりもあの露出狂と同類になっちゃうのがもっと嫌だ。


ゲーム内で会うことが多いプレイヤーの内の1人をを思い出して少し葛藤する。


でも足ぐらいなら良いかな。


結局、胴と腰を一番安い「妖精の装束」に足は素足でやることにした。


最後にステータスを割り振ってプレイヤー名もいつも通りレンにする。本名でプレイしてるとプライバシーガバガバとか色々言われるけどこれはボクのポリシーだから変えるつもりはない。どうせ現実で困ることないし。


やっとこれでゲームが遊べるよ。


Unlimited Story 全てを繋げる物語が今始まる。



PC レン

LV1

種属 妖精

職業 曲芸師(短剣)

HP <体力>10 (+0)

MP <魔力>40 (+30)

STM <スタミナ> 10 (+0)

STR <筋力> 1 (-9)

INT <知力> 30 (+20)

DEX <器用さ>30 (+20)

AGI <敏捷>40 (+30)

VIT <防御力>1 (-9)

LUC <運> 28 (+18)

残りポイント0

所持金200メニー


スキル

<スラストダガー><舞風>


魔法

<突風(ブラスト)>


装備

頭 なし

胴 妖精の装束 +1

腰 妖精の装束 +1

足 なし

アクセサリー なし

合計防御力 2

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