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バカと言う名の危険人 プロファイル3 ー万引き犯はどっちー

今日の主人公はA社新入社員のアイリよ。

アイリは面接を受けにきた時からモデルみたいに可愛い子がいるって、社内ではちょっとした有名人だったの。

男性社員がずっと噂話をしていて、入社式の日には応援隊までできていたから、快く思わないお局様に入社前から目をつけられていたのよね。


何があったかというと、アイリが入社して3カ月が経った頃、嫉妬心を露わにしたユカリが動いたの。

ある日、アイリが会社の近くにあるコンビニで飲み物を選んでいたときの出来事よ。


ユカリが背後からそっと近づき、バッグに何かを入れたの。

アイリはそんなこととは知らずに、手に持っていたお茶のお会計をして、お店を後にしたわ。


アイリが出社するや否や、ユカリはニヤニヤしながら「バッグに何か入っていない?」とアイリに声をかけたの。

アイリは「何だろう?」と不思議に思いながらバッグの中を確認したけど特に変わったことはなかったわ。

ユカリは「あれ?おかしいなぁ。確かにパンを入れたはずなんだけど・・・」とぼやいていたの。


後日、ユカリは別の手を考えついたの。

またコンビニで同じようにアイリにそっと近づきバッグに何かを入れ、店員へ「あの人がペンを盗んでいるのを見た。」と告げたの。

店員は「はい」とだけ返事をしてアイリを見たけど、特に変わった点もなかったし、アイリも手に持っていた商品のお会計を済ませ店を後にしたの。


アイリがデスクに着くと、また待ち構えていたのがユカリだった。

ユカリはニヤニヤしながら「バッグにペンは入っていないか?」と尋ねた。

アイリはまたかと思い、わざわざバッグの中を中を確認してみせた。

そうしたら『見慣れない何かが出てきた』の。

アイリは「何これ?」と思いながらも『見慣れない物』を手に取り確認しようとしていたら、ユカリがすかさず「それ私の!さっき間違えて入れちゃったの!」と言い、奪い取るように持って行ったのよ。


数日後、今度は「私、欲しいものがあるの!」言い出したユカリはコンビニへ向かったわ。

あいにくアイリの姿はなかったけど、アイリと同期入社のエリンがいたの。

エリンも美人で、今期の新入社員は美人ぞろいだっと言われていたわ。

だからユカリはずっと修羅を燃やしていたのよね。

ユカリはエリンに背後からそっと近づき、バッグに化粧品を入れたの。

そしてまた店員に「私、見たの!あの子が化粧品を盗んでいた!」と告げて店を後にしたのよ。


エリンがデスクに着くや否や、待っていましたとばかりにユカリがすっ飛んできた。

大きな体を揺さぶりながらユカリはエリンに近づき、「あんた!万引したでしょ!」と言い放った。

エリンは、「何言っているの!そんなことするわけないでしょ!」と言い笑い飛ばしたが、バッグからユカリが指摘した通りの化粧品が出てきた。

騒ぎに気が付いたエリンの上司が近づいてくるとユカリは慌てて「それ、私の!さっき間違えて入れちゃったの。今回は見逃してあげるわ!」と言い化粧品を鷲掴みにし、床が軋む音を響かせながら歩いて行った。


そのうち、ユカリは『もっといいモノが欲しい!私に似合うのは高級品よ!』と言い始めた。

『私に似合うのはCHANELのグロスよ!』『デパートのアレが欲しい!』『誰かと一緒に買い物に行けばいいんだ!』とブツブツと言い計画を練り始めた。


そんなとき、コンビニから「御社の従業員が万引きを繰り返している。」と苦情が入った。

その話を聞きつけたユカリは、疑いをかけられる前に「私はあの子達が万引きしてたってコンビニの店員にちゃんと言ったのよ!店員が男だったから、ちょっとあの子達の顔がいいからって許してたのよ!」と言いつけた。


今度はミノリが慌ただしく走ってきた。

「私!間違ってパンを食べちゃったじゃない!」

「こないだ出社したらカバンにパンが入っていたの。」

「私、こんなパン持っていたかなって思ったんだけど、おいしそうだったから食べちゃったの!」

「あれ、ユカリがカバンに突っ込んだものだったの?!」

そしてコンビニへ慌てて走っていき、事情を話し頭を下げて代金を支払うと懇願した。


ユカリはその姿を見て、

「普通はこうして謝るものよね!」

「アイリとエリンはちょっと顔がいいからって許されて、図にのって謝りもしないんだから!」

と鼻を鳴らしていた。

そして、ミノリには「やっだ~、私ったらミノリに万引きさせちゃった~、ごめんね~。アイリと間違えて入れちゃったのー」と大笑いしていた。


コンビニからは、「事情は分かりました。ご本人らに非はないので被害届は出さずにいます。」と連絡があった。

ユカリは「本当に男ってのわ!ちょっと顔がいいからってすぐに許してしまうんだから!」と憤っていた。


後日、コンビニの前には警察官の姿があった。

そして、未精算の商品を手に持ち、他人のバッグに商品を入れるユカリの姿を目で追っていた。

ユカリがコンビニを出たその時、警察官に声をかけられた。

ユカリは「私は万引きなんてしていない!カバンの中を見てみろ!何も入っていないじゃないか!」と大声で叫ぶばかりだった。


翌日、出社してきたユカリは「警察官も男ばかりだから!ちょっと顔がいいからって依怙贔屓して!なんで私が捕まらなきゃいけないの!」「ミノリはちゃんと自分で謝っていたじゃない。普通はああするものよ!」と喚き散らしていた。

会社から注意をされようやく静かになったと思えば、今度は私はコンビニから『「ご本人に非はないから」って許されたのよ!悪いのは謝りもしないあの子達よ!』と騒ぐばかりだった。






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