ブラック企業勤めの美人のお姉さんに飼われている俺、ビッチな彼女が浮気しているみたいなんだが
この作品は「なろうラジオ大賞2」の参加作品です。
千文字と短いのは応募に文字数制限ルールがあるためです(m´・ω・`)m ゴメンナサイ
ブラック企業に勤める俺の飼い主は帰りが遅い。だが帰宅するとめちゃくちゃ俺を愛してくれる。
俺の体を撫でまわし頬ずりし「世界で一番大好き!」と全裸で抱きしめてくれるのだ。
「一緒にお風呂入る?」と甘く囁いてくるが、水嫌いなので風呂はノーセンキュ。でも温かい風呂蓋の上には乗りたいにゃ。
美人の飼い主と一匹ぐらし、俺は猫の勝ち組生活を満喫していた。
◇◇◇
ところが飼い主が別の男の臭いをさせて帰ってくるようになった。
まさか浮気!?
俺は飼い主の鞄を名探偵のごとく調べた。
すると俺が食べないマグロのちゅ~るを発見!? 俺はチキンしか食べないので飼い主の浮気が確定した…
『俺というものがありながら、なぜにゃんだ!? 浮気相手は会社にいるのか?』
俺は潜入調査を決意した。
◇◇◇
「飼い主の通勤鞄に入り、会社まで行くのにゃ!」
月曜の朝、俺は鞄からペットボトルとおにぎりを足で蹴って外へ出した。そして忍者のごとく空いたスペースに収まった。
会社に着くと、隙を見て忍者のごとく鞄からにゃるんと這い出る。そこで俺は驚愕の真実を見てしまった!?。
飼い主が他の雄猫にちゅ~るをアーンしているではないか!? しかも複数の雄と同時プレイだ。
『世界で一番大好き! あの言葉は偽物だったのか!?』
飼い主のビッチな浮気現場を目撃した俺は、涙がボロボロ溢れた。
「あら? 新しい猫がいるわよ!」
「いや~ん可愛い! 食べちゃいたい~!」
俺に気づいた美人のお姉さんではなく、「おねぇ」さん達が俺を奪い合うように撫でて抱き上げた。
「はぁ癒されるわ~、うちの会社は給料安くて糞だけど、猫の癒しがあるから辞められないのよね~」
ダメだそんなとこ撫でられたら、あっああ…
『助けて~俺の貞操がおねぇに奪われる~!』
俺は必死で声を抑えた。
『おねぇの指でイカされてなるものか!? 俺は飼い主さん一筋一途なんだよ!』
「うにゃ、にゃにゃ…にゃん…」
だが複数のおねぇに愛撫され、気持ちよさに俺はついに声をあげてしまった…。
何かとても大事な物を失った気がする…
「茶太郎! どうして会社にいるの!?」
俺の声を聞いた飼い主が一目散に駆けつけてきた。
「すみません、この猫はうちの子なんです!」
「なんだ、社長がまた新しい猫を連れてきたかと思ったわよ」
ぐったりした俺を、おねぇ社員から奪い取るように、大切そうに抱きしめる飼い主。
その瞳に嫉妬が浮かんでいるのを見て、俺は少しだけ満足な気持ちになった。
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