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凡人こそ「私はすごい」と宣え

作者: 鮎子

本当にすごい人間は、まあ俗にいう「能ある鷹」は爪を隠す。

でも私は、すごいのに爪を隠さない。

私は、ちょっとした自分の成長のその刹那を決して逃さない。

その成長を大袈裟に捉え、また自惚れることを欠かさない。

褒められたら、私は。

そうなんです私は天才なんですう、えへへへ、なんて軽く言ってのける。

そうなんです私は見込みのなる人間なんですう、ふへへへへ、なんて

重々承知で言ってのける。

一人で浮かれてハッピーに浸る。

だって私は、弱いから。

常に他人の「だめだだめだ」の連呼に応え、

加えて自分でも「できないのかなダメなのかな」なんて宣い始めると、

あっという間に心が死ぬから。

私は、こんなところでくたばる種じゃない。

私は、ここで挫けてる場合じゃない。

いくべき場所はさらなる高み。

私がもっと、輝ける場所。私がもっと、輝きたい場所。

そうじゃないと、私は満足しないから。

このままじゃ私はいつまでもグダグダ、ここで何者にもなれないままだ。

そんな焦燥に駆られ、不自由な心を患うばかりだ。

そう、わかっているのだ。


私は天才ではないことを。


わかっているのだ。

だからこそ、自分を信じていたいのだ。

天才ではないから、自分の居場所を把握しているから、

行きたい場所が明確だから。

だから私は自分を褒めちぎる。

少しでも一歩踏み出した自分を、褒めちぎって

もう二、三歩先へいざなうのだ

ちょっと上手くなっただけ。それだけで、自分を過大評価する。

すかさず脳内で私うまい私うまい私うまいと連呼する。

決して脳内放送がいかれているんじゃない。

本当に、すごいことだ。

ここまで来た。ここまで来るのに、時間がかかった。

だから、せっかくここまでこれた自分を全力で褒めちぎる。肯定する。

本当に、よくやった。

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