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キラの強さの秘密が明らかになります!

気配を消しつつ、キラと2人屋根の上から下を伺う。

少年たちはナイフを手で弄びながらゲラゲラと笑っていた。


「雷帝の仲間に歯向かうなんて生意気な奴等だったな」

「紫の服着てんだからわかるだろうにな!」

「マジ雷帝様々だわ、俺らの天下じゃね」


(ふん、やはり雷帝の子分どもか)


当たりをつけていると

「ルイ、ライテイってなんのことかな?」

キラから質問された。


「ああ、雷帝っていうのはこの曇天街の四天王の1人」

「シテンノウ?」

「そう。曇天街には他の追随を許さないその強さから四天王って呼ばれてる4人の強者がいてね。雷帝はその中でも特に最強って言われてるんだよ」

「…最強…あれが?」

キラは下を覗きながら怪訝そうだ。

それも仕方ない。キラから見れば少年たちなど三下にしか見えないだろう。


「あれはただの子分だからね。しかも成りたてみたいだ。雷帝はちゃんと強いよ」

「そう…。で、どうする、の?」


キラに問われ思案する。

できれば雷帝と揉めるのは避けたいところだ。

だが、このままいい気になっている少年たちを捨て置けば、また意味なく殺される人が増えるだろう。



「おいっ、俺たちの歩く道に座り込んでんじゃねぇよ」

「ここは俺たちの縄張りにする、出ていきやがれ」

「歯向かうならお望み通り殺してやるぜ」


考えている間に、また少年たちが暴れだす。

(さすがに、捨て置けないな)


「ルイ、私が()ろうか…?」

キラが立ち上がり臨戦態勢をとる。


(…うーん、まああれなら殺しても問題ないか)

「じゃあお願いしようかな、よろしくキラ」

にこやかに告げればキラは満足そうににっこりと笑い、飛び降りた。



**************************



屋根から飛び降り、敵の前に着地する。


「ああん、なんだてめぇ」

「雷帝の仲間である俺達に手ぇ出すつもりか」

敵がつまらない声を荒げた。


私はワンピースのスカート部分の下、太ももに装備している長針を自らに擦って血を付け、声をあげた2人に放つ。

瞬間、2人が屍となってくずおれる。


「なっ、ふざけんなよ」

「おい、殺るぞ」


さすがに危機を感じたのか残りの3人はナイフで突っ込んできた。

(厄介な、、)


3人は連携がとれているらしく、1人の攻撃を避けるともう1人が待ち構えている。それをなんとかかわせば、今度は2人から攻撃された。うち1人のナイフが頬をかする。


キョリがとれれば針を放てるが、相手の攻撃の手が止まないのでそれもできない。

(だったら)


よけながら敵の攻撃を見切り、頬に傷をつけてくれた奴の手首をつかみ捻る。

緩んだ手からナイフを奪い取り、そいつをぶっ刺し、ナイフを抜く。そいつが倒れる。

瞬間ひるんだ残りの2人にも同じようにナイフを刺し、敵を殲滅した。


ルイからされた初めての()()()だ。

少し手間取ったが達成できてホッとする。


姉に言われるがまま人を殺すことには不快感を抱いたというのに、ルイのためなら、むしろルイの役に立てて嬉しいと感じる。

不思議なものだ。



**************************



上からキラの戦いを眺める。


最初、キラは2人を針で刺した。

(針なんて装備してたのか…)


それにしても、あれはどういう仕組みなのだろう。

急所に刺さったわけでもないのに、即死とは。

…普通に考えれば()だろう。

ただ、キラは針で自分の肌を擦っていた。

毒針ならそんなことしたら自分まで死んでしまうはずだ。


(そもそも肌に擦る意味はなんだ?)

考えれば、針で自分を傷つける必要性がわからない。


(…キラ自身の血が毒になってる、とか?)

うん、それなら説明がつく。

キラが針に自分の血を付けたのはその血が毒となるからというわけだ。



ナイフを奪ったキラは残りの3人を一刺しで片付ける。


あのナイフはさっきキラの頬をかすっていた。ということはキラの血=毒が付いていたことになる。

だから、急所は外れていても一刺しで命が絶たれた。


(やっぱり仮説は正しいみたいだ)



戦闘を終え、キラがこちらを見上げてくる。

応えるように俺も下へ飛び降りた。


「お疲れ様」

「うん」


刺しどころがよかったのか返り血は浴びていない。

ただ、頬の傷は思ったより深そうだ。


手をキラの頬へ伸ばす。

途端、キラに手を捕まれた。


「触っちゃダメ、キケンだから」

案の定だ。

「ああ、やっぱり毒なのかな?」

「…ウン」

悲しそうにうなずかれた。


俺はキラの頭を片手でポンポンしながら、

「戦ってくれてありがとう」

お礼をのべる。

キラは上目使いで軽くうなずいた。



さて、ここからどうするか。

雷帝の子分に手を出した以上、考えなくてはならないことが山ほどある。しかし、キラの傷が優先だろう。

(うん、彼女を頼ってみようか)



**************************



ルイはなにやら考え込んだあと、腰の鞄から赤い玉を取り出し、ライターで火をつけた。

すると、玉から赤い煙がもくもくと上がってゆく。


「なに、それ」

「これはね、ある人へ向けたSOS信号だよ」

「SOS?」

「そう。助けてくださいってね」


敵は私が殺ったのに、なにを助けてもらうのだろうか。


「何のため、に?」

「キラの傷を見てもらわないとさ」

「へ?」

「本で読んだろ?傷は消毒しないと」

「消毒…私に毒効かない、ヨ?」

「消毒は毒じゃなくてバイ菌を消すんだよ。バイ菌と毒は別物だから」

「ソッカ」


確かに本で読んだ。

傷口からバイ菌が入ると化膿したり病気になったりするって。

でも、今まで気にしたことがなかったからやっぱり実感はわかなかった。



ゾワッ、急に周りの空気が変わった。

(んっ!)


「ルイ、狙われて、る」

「そうだね。赤い煙玉は怪我したときにある人を呼ぶために使う。だから、赤い煙があがるとハイエナどもが群がるんだよ」


ハイエナは読んだ物語に出てきた。

要するに、弱ってる人間から物を奪い取ろうとする、そんな奴らのことか。


「まあでも、俺達は弱ってないんだから問題ないね」

ルイはニコッと笑うと私の肩に片手を置いた。

そのまま周りを威嚇する強大な殺気を放つ。


途端、私達を狙っていた者たちが逃げてゆく気配がする。

殺気にあてられ倒れた者もいるようだ。

ただ、肩に置かれた手からは穏やかで優しい気が流れているので私には問題がなかった。

(やっぱりルイはすごい)


改めてルイの強さを実感し、そして自分にはその殺気が向けられないことに安堵した。


ルイとキラ、曇天街最強に喧嘩売っちゃいました…

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