転生したら中ボスの花嫁♂になりました
タイトルの通り、中ボスがテーマの異世界ものです。
後に勇者と敵対の果てに、協力し打倒魔王を選ぶことになる中ボスのお話。
人気がありましたら、続編書いていきます
転生したら中ボスの花嫁♂になりました
※異世界転生
※勇者に一度倒されるが和解し仲間になる中ボスの妻になった話
※中ボス×その嫁♂
あらすじ的な
平凡で家事しか取り柄がない俺。ある日頭を強く打って死んでしまう。そして異世界で果物の香りがする民族の村人に転生しました。そして村を支配する魔王の部下である大幹部の花嫁♂にされました…
最初は怖かったけど大幹部は意外と優しくて…
【魔王の大幹部】
俺は異世界に転生し、果物の香りがする民族の村人になった。民族は異世界でも異質な存在だった。身体中から果物の香りがしてしかも体液もフルーティーという…
民族は人身売買されることを恐れ、山合の村で隠れて生活していた。
しかし、魔王の部下は来てしまった。
「我が名はガイスト。この村は我が支配下とする!」
魔王の大幹部、ガイストが村を乗っ取った。
「殺されたくなければ、一人人質を差し出せ」
ガイストがそういうと村の長は迷いなく俺を差し出した。
「ラザル! お前がいけ! お前は一年前に父親を亡くして一人だろ」
俺が親を亡くしたのを理由に俺、ラザルはガイストに差し出された。
「んと、ラザルです…」
「ほう、お前は桃の香りがするのか…」
「はい…」
「…気が変わった。お前、我の嫁になれ」
「…はい?」
色々わけがわからないまま俺は大幹部の花嫁にされてしまった。
【果実人間の俺】
「お前達が果実の匂いと味がするのは本当か?」
「あ、はいまぁ…」
ガイスト様は俺を見る。
「舐めさせろよ。逆らったら殺す」
「ひぃ!はい…」
ガイスト様は俺のほほを舐め出す。
「甘いな…本当に、桃の味がする」
「わ!ちょ…」
ガイスト様はこれを夫婦のコミュニケーションだという。
【俺を選んだ理由】
「我は桃の実が好きだ。それにラザルは可愛らしい顔をしてる」
「ちょ! ガイスト様!?」
【家事と夫婦】
「おい! 妻よ、夕げの支度など侍女にさせればいいだろう」
「あ、いえ。俺じっとしてるの落ち着かなくて…」
「お前がするなら我もやる」
ガイスト様がなんだか優しいのを知るのはこれからです…
【勇者が村を解放するためにやってきました!】
「大幹部ガイスト! 村を解放しろ!」
「きたか…」
ガイスト様に支配された俺の村を解放するために勇者達が乗り込んできた。
村が支配されたままなのは確かに嫌だけど…俺はガイスト様のそばにいたい。
「待ってくれ!! ガイスト様は殺さないで!!」
俺は叫んだ。
【勇者と】
「あんた、男だけどアイツの嫁さんなのか…」
「はい…」
「あんた、辛くないのか? 無理矢理結婚させられて」
「最初は怖かったですよ、でもガイスト様意外と優しくて…俺が妻でいたいのは事実なんです!」
「…」
【中ボスは殺されずに済んだ】
「あの勇者と共に魔王を倒しに行く」
「はい?」
「我々も勇者率いるレジスタンスに加わる」
「…ガイスト様、辛くないですか?」
「魔王のやり口に我はあまり納得出来なかったと確信してな。お前には辛い思いをさせるかもしれないが…」
「大丈夫です! 俺、ガイスト様がそうしたいなら…」
転生して、結婚して手に入れた幸せ。これがずっと続くと思ってたけど…ちょっと怖くなってきた。