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No name #6
僕は指先で天球の月の唇をなぞる
冷たくて白くて柔らかな唇
ねえ僕もいつかは君のところへ行くよ
夜空で輝く小さな星になって
君の声の届くところに行くよ
でも今はここから君の可愛らしい姿を見ているよ
僕は天球の月にそっと口付ける
甘くて物憂げで優しい君
ねえ君は僕が見たどの天使よりも美しいね
愛らしくて清楚な僕だけの唇
何度も何度も口付けて
君の光を飲み干すよ
僕の心は幻
だからいつか君のところへ行くよ
君の光の一粒になるよ
君を抱きしめるよ
僕の恋は夢
だから今はここからどんな地上の天使よりも
愛らしくて美しくて艶やかな君の唇を
指先でなぞっているよ
いつか君のところへ行くよ
君の愛の届くところへ行くよ
夜空の小さな星になって
いつまでも君の隣で輝いているよ