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No name  作者: nabakari
過去作品
5/30

No name #6

僕は指先で天球の月の唇をなぞる

冷たくて白くて柔らかな唇


ねえ僕もいつかは君のところへ行くよ

夜空で輝く小さな星になって

君の声の届くところに行くよ

でも今はここから君の可愛らしい姿を見ているよ


僕は天球の月にそっと口付ける

甘くて物憂げで優しい君


ねえ君は僕が見たどの天使よりも美しいね

愛らしくて清楚な僕だけの唇

何度も何度も口付けて

君の光を飲み干すよ



僕の心は幻

だからいつか君のところへ行くよ

君の光の一粒になるよ

君を抱きしめるよ

僕の恋は夢

だから今はここからどんな地上の天使よりも

愛らしくて美しくて艶やかな君の唇を

指先でなぞっているよ


いつか君のところへ行くよ

君の愛の届くところへ行くよ

夜空の小さな星になって

いつまでも君の隣で輝いているよ


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