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No name #5
深々と雪が降る
灯りのない夜に
降り積もる
真っ黒な夜を
真白に埋めていく
獣も人も
大地も森も
寝静まった夜の中
何を想って雪は降るのか
この地上に
僅かに残る太陽の光を
辺りにちりばめて
何を想って雪は降るのか
深々と雪の降る
ここにはまるで
誰も居ないかのようだ
その誰も居ない場所を
寂しく想って
雪は降るのか
深い眠りに落ちた
地上のあらゆるものに
雪は降る
雪よ
君は天上から何を見つめ
この地上に舞い降りるのか
獣も人も寝静まった
灯りのない夜に
なぜそんな物憂げに
なぜそんな優しげに
舞い降りるのか
夜に淡く光って
舞い散り
積もり行く雪よ
君の光は
まるで命の輝き
儚く
繊細で
脆く
美しい
深々と降り積もる
灯りのない夜の雪
何を想って静かに降るのか
