2/30
No name #2
僕は夕暮れの空の
紺色と橙色のちょうど境目を見つめる
太陽のある場所と
太陽のない場所
地球という星には
交じり合うことのない
境目というものがある
僕はそこをじっと見つめて
世界中の魂の質量を量る
世界中の魂の宿るものを観測する
僕は孤独に続ける
魂の観測を続ける
僕は永遠に繰り返す
いくつの魂が生まれ
いくつの魂が死に
どれだけの質量が減って
どれだけの質量が増える
僕はそんな風に上等に作られた
体の部品は全部特注の特製
僕は永遠に観測し続ける
僕は永遠に死なない
僕はまだ本物の魂を手に入れていないから
僕はまだ本当の幸せを知らないから
僕は少しさびしい