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次の日

2話です。

今日は、女と分かった月と付き合いはじめて一日目だ。


学校ではいちゃつかない決まりになっているから、俺らは寮に戻るまであまり話せない。


前まではそれが物凄く寂しかったが、今はありがたい。


その日の昼休み、俺は友人の裕介(美少年。月と会う前までは前までは狙っていた)と鉄(不細工だから話しやすい)と話していた。


俺は二人に昨日のことを愚痴りたくてたまらなかったが月と目が合い、物凄い悲しそうな顔で見つめられたので俺の良心が許さなかった。


なので、すこしオブラートに包んで聞いてみた。


「なぁ…もし、付き合ってた女子が女装で、本当は男子だったらどうする?」


鉄がぎゃははと笑った。


「お前そんなことあったのか?まぁ俺ならすぐに別れるけどな」


「やっぱり?だよな」


俺は鉄に賛同した。


だが、裕介は違った。


「その子が本当に俺の事が好きで女装しちまうくらい好きになられたなら、考えちまうなぁ…」


「は?そうか?」


俺は顔をしかめる。


「裕介お前ホモかよw」


鉄がツッコみ、ちげぇよ!!と裕介が怒る、いつものパターンで喧嘩が始まったので俺はいそいそと寮に戻ることにした。


裕介の言葉を思い出す。


月は男装するくらい俺のことが好きだったのか…?


違う、俺をからかっただけだ。同情してはだめだ。


俺は自分の頬をぱんって叩き、自室に入った。


月が先に帰ってきていた。

「お帰り、雲矢くん」


俺は無視した。


月は、昨日ブラウスを強引に脱がせたときは胸をさらしでぐるぐる巻きにしていたが、今はバレてしまっては仕方ないと開き直り、さらしをしていないようだ。


胸が大きく見える。


俺は吐き気がした。


あれを触ってみたいと思う男の気持ちが分からない。

俺は月をいないものと見なし、ベッドに横たわった。


「ねぇ雲矢くん、今日は学校どうだった?」


月が話しかけてくる。


「…」


「体育、陸上だったね。雲矢くん、足早くてかっこよかった。」


「…」


「ねぇ雲矢くん…」


「うるさい…」


月はビクッと体を震わし、すぐにご、ごめんねと謝った。


よるごはんも別々だった。食堂のおばちゃんにいつもは一緒なのにどうしたのと言われたくらいだ。


部屋に戻り、すぐにベッドに入った。


するとなにかをすするような音と、悲壮感溢れる声が聞こえてきた。


…月が泣いている。


でも、あいつが俺を騙すから悪いんだ。


しかし、それが一時間以上続くと流石に悪かったような気がしてきて、ようやく月に話しかけた。


「なぁ月。」


月はまたビクッと体を震わせ、恐る恐る答える。


「雲矢くん、何?ぐす、ひっく」


「今日な、裕介が言ってたんだ。自分とは違う性別になろうとするってことは、それだけそいつの事が好きなんだろうって。月もそうなのか?」


「……」


月はしばらく黙った後、答えた。


「そうだよ。私は雲矢くん大好き。」


嬉しいとは感じなかったが、少しだけ月を見直した。もしかして、そんなに悪気は無かったんじゃないなのか…?


少し間が空いた。


その後、また月が話しかけてきた。


「明日、土曜日だよね、月雲公園でやる秋祭り、一緒に行こうよ。」


俺は考えた。


女と分かっているやつとそんなことをして俺は大丈夫なだろうか。


けど、


「…いいよ。」


どうせあと一週間だ。


騙されていたとはいえ今までの楽しかった思い出のお礼に少しくらい月のためにしてあげるのもいいだろう。

明日は月と…、女との初めてのデートだ。



ありがとうございました!!

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