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50代から始める基礎戦闘術  作者: 岡村 としあき
第四章 『丸山田中年の事件簿』
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CG回収率100%、丸山田 誠一郎

「暴力はイケナイなあ、マルちゃん。相手の子だって、きっとマルちゃんの娘の事、大事に思ってるぜ? マルちゃんに負けないくらいさ!」


 その言葉で誠一郎の顔が般若の様に豹変した。


「ほう、実の父親である僕よりも大事に? あの年頃の男なんてのは体のことしか考えていないんだ。一夜限りの快楽の為に色々なウソを平気で付くんだよ!」


 今の誠一郎は印藤の可愛らしい瞳と同等かそれ以上にやばかった。『ああ、マルちゃんってこんな顔もするんだな、レアCG回収しちゃったよ、オレ』と春川は自分のセリフに後悔した。


「丸山田、それくらいにしとけ。春川を問い詰めたところで何も出てきやしない。それよりも今夜の事なんだが、たまにはこちらから撃って出ようかと思う」


 未だ興奮の収まらない誠一郎だったが、留子に見つめられ次第に覇気をなくしていった。


「師匠、どういう事ですか?」


「小泉家当主、小泉 浩之が近くの別荘で各界の著名人を招いてパーティーを開くらしい。小泉は我々同様、日本有数の優良企業の経営者だ」


「パーティー会場で浮かれてるトコを叩くわけ? さっすが留子! いい事いうねえ」


 気が付けば、いつの間にか印藤が店長室に上がってきており、留子に抱きついていた。


「ちょ、離せ印藤!」


「いーじゃん、減るもんじゃねーし。留子ってちっこくてカワイイから、こうやって抱きしめてると幸せになれるんだよなあ」


 留子は嫌そうにジタバタと手を振るが、印藤はそれにお構い無しに留子の腰に手を回し、首筋に舌を這わせた。


「やめろ、バカ! 気持ち悪い!」


 まるで猫の様に俊敏に体をひねり、印藤から抜け出すと誠一郎の背中に隠れ、印藤をキッと睨みつける。


「だからお前は苦手なんだ! そっちのバカとじゃれあってろ!」


 春川を指差し、留子はそっぽを向く。


「春川ってデカ~イ口たたく割には、あっちのほうは意外とお粗末なんだよなあ。股間満足度100%? ギャハハ! 俺は全然満足できませんでしたけどー?」


「ちょ、インコちゃん! 何言っちゃってんの!? それを言ったらインコちゃんだって――」


「うるせーな。誰が男にしてやったと思ってんだよ?」


「きゃあああああああああ! その時の話は絶対ダメえ! もう、黙ってて!」


 春川は耳を押さえて地下に逃げて行った。


「あーちょっと、イジメすぎちゃったかな?」


 印藤は階段を見つめて、イタズラがみつかった時の子供の様にばつの悪そうな表情をした。


「おい、お前達。仲良くしろよ。今日はこの4人で小泉の首を取るんだからな。20時までにそれぞれ準備を整えて、上の駐車場に集合。私が用意しておいた変装用の衣装に着替えておくように、以上! 一旦解散!」


 留子は印藤に捕まらないように、さっさと店長室から出て行ってしまった。

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