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50代から始める基礎戦闘術  作者: 岡村 としあき
第一章 『白く細い足との出会い』
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スマホに機種変換だ、丸山田 誠一郎

「ゴミ掃除だよな、コレ。ちゃんと給料出るのかね」


 少女はそういうとカバンから拳銃を二丁取り出し。


 ――撃った。


 爆竹のような音が鳴り響き、男の一人がうめき声を上げて倒れる。


 映画の撮影か何かだったのか?


 だが、目の前の男達はいずれもカメラ映りするような顔ではなく、服装も作業服やら、学生服やら、ジャージなど地味でバラバラだった。


 残りの二人の男が同時に少女に襲い掛かる。


 危ないと思った瞬間、男達の肩を踏み台にし、3メートルくらいジャンプして、滑り台の上に着地した。


 ワイヤーアクションというヤツだろうか?


 間抜けな顔で夜空にワイヤーを探す誠一郎をよそに、二発の銃弾が誠一郎の顔面をかすれ、男達に命中した。


 苦悶(くもん)の表情を浮べどさりと倒れる。まさか、死んだのだろうか?


「救急車……えっと……警察?」


 震えた指でケイタイを操作するが、白く細い腕につかまれ激痛が走った。


「余計な事するんじゃねーよ」


 少女がまたまた恐ろしい握力で腕を(つか)んだ。誠一郎の手からケイタイを奪い取り、踏みつける。


「あ……ああ……なんて事を……」


 せっかく仲良くなったキャバ嬢(新人のハルヒちゃん21歳)の電話番号が……。ちょっとエッチなメールマガジン(購読無料)が……。白く細い足の下敷きになり……消えた。


 誠一郎は、我が半身を失ったかのような喪失感に包まれた。


「あ、そういやおっさん。噛まれてたっけ? 面倒な事してくれたなー」


 げんなりした顔で少女は誠一郎を片手で突き飛ばし、トランポリンの様なお腹に飛び乗った。


「痛い、何をするんだ!」


 起き上がろうとする誠一郎の額に銃口を押し付け、(おど)す。


「ヴァンパイアに噛まれたら人間捨てるか、ヴァンパイアになる前に死ぬかどっちかしかないんだぜ?」

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