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50代から始める基礎戦闘術  作者: 岡村 としあき
第二章 『渡る世間はヴァンパイアばかり』
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風評被害かも、丸山田 誠一郎

登場人物紹介


丸山田(まるやまだ) 瑠奈(るな)


高校一年生。16歳。

幸いな事?に母美雪の遺伝子を濃く受け継ぎ、美しく成長した誠一郎の娘。

父親のことは『クサイ、ウザイ、ジャマ』の三拍子そろったダメオヤジという認識で、誠一郎が嫌い。

最近出来た初めての彼氏、春川 優人に夢中。


丸山田(まるやまだ) 美雪(みゆき)


誠一郎の妻で瑠奈の母。推定30代後半(これ以上は何も知りません)

美しい容姿で、蜂の様に男を引き寄せる花。

大学時代はミスキャンに選ばれるなど、派手な経歴の持ち主。

そんな彼女が何故、誠一郎の様な男と家庭を築くに至ったのか……。

本編最大?の謎

「それで、どうしたんだい? 私に電話なんて」


 留子が番号を教えていたのだろうか?


『いや~はは……な~んかトラブっちゃってさ。元カノA、Bが同時にヨリ戻したいって迫ってきてさあ。そこに元カノCが現れたもんだから、第三次オレ盗り合戦に発展しちゃって……』


 なんという……うらやましい奴だ。


『まぁ、おっさんには縁のない話だろうけど、キャハハ』


 激しくムカついた。携帯を握りつぶしたい衝動に駆られたが、初任給が人質にされているのですぐにクールダウンし、気持ちを落ち着かせた。


『そんなわけで、ちょっち遅れそーだからテキトーに時間潰しといてね……んじゃ』


 きょぬーとの通話が終了した。


「春川か? どうせまた遅刻だろう? あいつはいつもああなんだ」


 留子がやれやれ、と言った表情でドアを開け、私設ゲームセンターへ消えた。


 春川が到着したのはそれから1時間後の事である。


「よー、マルちゃん! 待たせちまったな!」


 講義室の机で眠りこけていた誠一郎に、軽快な足取りで春川がやってきた。


「ってマルちゃんって……私の事かい?」


 これでは、うどんやそばが風評被害だろう。 


「昨日アヤちゃんと相談したのよ、マルヤマダセイイチロウって読み辛いじゃん? 最初はマルヤマダセイウチロウとか、デカマルコちゃんとか、メタボリック将軍とか……」


 最終的に候補に挙がったのが、肥満戦士ピッグマンとマルちゃんとデブだったらしい。最後のはどう考えても悪口だろう。


「あ! ごめん、彼女から電話だわ! はいはいー今出ますよー。るーちゃーん」


 るーちゃんというのが今の彼女のようだ。


「うん、うんうん。え、マジ? 日曜行ける? え!? お金の事なら全部オレが出すって言ったじゃんよー。ん、お小遣い入った? わかった、んじゃ現地集合にしよっか。でも、るーちゃんが出すのは交通費までだぜ。あとは何もかもオレに任せておくんなまし。ん、じゃあまた、明日学校でねー」


 ようやく電話が終わったようだ。


「いやあ、今付き合ってる子さ、チョーレベル高けえんだけどね。もう、24時間オレの携帯鳴りっ放し! ちょっち勘弁して欲しいかも。ま、それだけオレにお熱なんだけどさ、イケメンって肉体労働なのよ、キャハハ」


 24時間電話をかけまくるとは一体どういう神経をしているのだろう。きっと親の(しつけ)がなっていないに違いない。デートなどに行かず、真面目に参考書を買う瑠奈の爪のアカをせんじて飲ませてやりたいものだ。


 誠一郎は目の前に娘の彼氏がいる事も知らず、一人鼻息を荒くした。

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