1/4
透明な色彩をえがく
こういう人って
増えていると思います。
あなたからの俺は、
何色にみえるの?
冷たい。
頭の芯が透明に透きとおっていくような冷たさ。
俺の両わきをなでていくのは、群青の絵の具をたらしたような薄青の水。
光が差しこんだ水中はガラス玉のように白をためこんでいる。
息をすってそれをとりこめたなら、俺も輝けるだろうか。
眩しいくらいやわらかに、すべてを抱擁するように。
許してもらえるだろうか。許してほしいんだ。
目的もなく日常を見送っていく俺を。
明日がくることに、楽しいでも痛いでも悲しいでもなく、なにも感じなくなっていく俺を。
今の俺は色に例えるなら、白、いや透明かな。
指先から冷たくなっていくような、そんな浸食。
俺という個体が世界にのみ込まれていく瞬間。
自我を保っていることが難しいんだ。
俺と世界の境界線が水彩絵の具みたいに曖昧で、色をたすたびに、呼吸をするたびに、俺のほうが世界にのまれていることを知った。
お読みいただき
ありがとうございます。