略奪愛はいけないと思うの
注意事項1
起承転結はありません。
短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。
注意事項2
友人ポジの行動をそのまんま写していたら、バグった話。
乙女ゲー友人ポジとして、第二の人生を謳歌している私であるが、ふと、将来の旦那を見かけた。でも声を掛けるのは躊躇った。私が推してるこの乙女ゲーの主人公ちゃんと、仲睦まじく談笑していたから。
前知識として、乙女ゲーしていた時の立ち絵は少なかった。その上登場してもあんな風に心から笑っている様なものはなかった。僅かに口角を上げて、一言、二言話すくらい。だからこそ、今歩んでいる第二の人生がゲームではないことを思い知った。
もしかしたら万が一、いや、百が一、私の推しと将来の旦那が結ばれる事も無きにしも非ずなのだと。こんな事だって有り得なくは無いのだと。
出来れば主人公ちゃんは私の推しと、友人ポジは未来の旦那と結ばれる事を幸せを願ってる。
あの子はどう思うだろうか……。一応、二人の間に恋愛感情はなさそうなのだ。
その理由の一つに『外に嫁を作っても仲良くしよう』という台詞をノベライズに存在する。そしてその台詞をノベライズ宜しく、幼少期の私はそのまんま引用した。でも略奪愛は……!!
一人悩んでいるうちに、隠れて様子を伺うのを忘れていた。現実に引き戻したのは涼しげな声。
「やぁ。探したよ」
やっぱり略奪愛は見ていて気持ちのいいものじゃないな……。そう思い掛けて思わず脳内で頭を振った。いやいやいや、仮にも外に嫁作る事を許容した友人ポジ、基、私が今更何言ってんの!! それが例え『君に好意が有るよ』なんて言われた後でも!! 乙女心は秋の空なんえ言えど、男の人だって、より好みの子が近くにいたら、そっちに靡くでしょうよ。あんなのはただの気まぐれ。
そんなちぐはぐな思いが思い切り言動に出ていた。
「あ……私も探してたよ。でも話し中で邪魔だろうから、また今度ね」
「じゃあこの手はなぁに?」
バグった人間は何をするか分かったもんじゃない。言葉では相手の方に行っていいと言いながら、指は思い切り彼の服を掴んでいる。
血の気が下がり、また上がり、思考の整理がままならない事を再度理解した。機械のように、曖昧な路線を突っ斬らなければ良いのだけど。
「ただのバグです!! お気になさらず」
「そうなの? でも……」
彼の手が後ろに回る。そのまま胸に抱き込まれて、髪を撫でられる。僅かに香る上質な香が胸を満たす。とてもじゃないけれど、父親が金の亡者とは思えない程洗練された香り。
「吊り橋効果って知ってる?」
「知ってます……」
胸の動悸を恋と勘違いするあれ。合コンとかで良くやるらしいあれ。前世は縁が無かったから知らんけど。
「こうでもしないと君、意識の一つもしてくれないから。もうね、何でも利用しようと思って」
そう思って顔を上げると、そりゃもう満面の笑顔が広がっていた。
私の嫌な事があった時の口癖、
『そういうの良くないと思うの』が元ネタです。
なお友人ポジの中の子はこの乙女ゲー好き過ぎてファンブックはおろか、公式ノベライズ、コミック全て制覇してます。
※私はまだこの域に達してません。
だからあの時の『外に愛人作っても仲良くしよう』は友人ポジの台詞を流用しただけです。
本当は親愛関係であっても、略奪愛は嫌いです。
それは自らの推しである攻略対象と恋愛関係に発展しない事、本人が政略結婚の相手だろうと『未来の旦那』呼びする事からお分かり。
※多分!!
あくまで今生は『友人ポジ』として、友人ポジの幸せを願いながら行動する。のがポリシー。
前世の恋愛経験は乙女ゲーで埋められているので、些細な事でもビビり散らかします。
頑張れ!! 旦那!!
それはそれとして有頂天になった旦那、
もしかして両思い? なら『推しの攻略対象』見る必要も無いよね? 監禁しても構わないよね?
とか思わないでね。