第一章データ『用語』
注:このパート以降、既出の名称についてのルビが無くなります。
次章以降に新出した作品独自の言葉などについてはその章の間はルビが振られます。
AngelSide、DevilSideで判明した事については括弧で括ってあります。
【異世界病】
退屈な日々に嫌気が差し、自分勝手に遺書を残し心中を選んだ二人の遺書の公開から徐々に広がった流行り病。精神病と診断され、一種の信仰にもなっている。
『次は、異世界で』と残して死んだ二人は後に『始まりの二人』と呼ばれ、ネットを通してその死までの様子を撮影され動画は拡散された。
尾ひれが付いた結果、異世界病者は事故死や自殺をすれば異世界に行けると信じており、自然死を嫌う傾向がある。
その精神病は『始まりの二人』の死後、十年程経っても広がり続けており、現実では事故防止や自殺防止の徹底的な管理が成されているが、それでも自殺者は後を立たない。
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【半界】
『始まりの二人』により生まれたであろう天使と悪魔の戦争が絶えず起きている『始まりの二人』にとっての異世界。
その名前が半端な世界の略であるのか、であれば何が半端なのか。
それとも半分に分かれた世界なのか、であればもう半分は何処にあるのか。
それとも半分現実で半分異世界という意味なのか、その名の理由は謎に包まれているが、そう呼ばれている。
大きな街一つのエリアや森に囲まれたエリア、山のようになっているエリア、果てには湿地帯や雪が降るエリアなど、現実ではありえない地形の組み合わせがされている。
ある程度は現実と状況がリンクしており、例えばコンビニやスーパーマーケット、ドラッグストアといった場所であれば定期的に自動で食料などが供給されていく。電化製品や衣類の類いも然り、しかしネット環境や電話などの通信手段だけは電波自体が存在しない為基本的には持っていてもロクに使う事は出来ない。
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【天使】
半界に於ける抗う側のプレイヤー、天使は白い両翼を持ち空を飛べるが、それ以外は人間そのもの。
自殺を試みた異世界病者ではない人間の前に現れ、人間が死を悔やんだ場合に半界へと誘う事が出来る。天使を含めた天使陣営の全ての人間は銃火器や刃物、それに加えて刻景と呼ばれる時間に関する奇跡を持ち、悪魔陣営が駒とする魔法使いを殺す事を目的とする。
天使という役割を得た時点で、ある程度強力な恩恵が施されており、半界へ誘なわれた人間よりも刻景の能力が強いという特徴を持っている。天使が誘った人間の刻景については強弱関わらずランダムで与えられる。
(天使同士が殺し合った場合、殺した側が天使の立場を奪われ堕天使となる。その場合にどのような状態になるのかは不明)
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【刻景】
天使陣営の全ての存在がそれぞれ一つずつ持つ時に関する奇跡。
その力の詳細は多岐に渡っており、それ単体で破格の強さを誇る物もあれば、一人では使いようが無いものの二人になった途端強力になるものもある。弱い刻景も存在するが、悪魔陣営と天使陣営は人が増えるスピードが全く違う為に、弱い刻景であっても弱い魔法使いを倒す事で役に立つ事は出来る。だが共通して装着している時計に『7.97』や『3.36』等といったコンマ2秒まで数字が表示されており、刻景を使っている間のみその時間が減っていく。刻景によりその時間を使い切ってしまった場合はどのような場合でも即死となる。
使用すると一定範囲の色がモノクロとなり、その効果はその範囲にのみ適応される。鍛錬によってその範囲を線状や扇状に出来る場合があり、範囲の拡大や縮小も出来るようになるが、刻景によって限界が存在する。
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【刻景の種類】
葛籠抜芥:刻景・名無し 他人の刻景の中を制限無しに自由に移動することが出来、刻景の中にいる間のみ時間が減る。
石鐘響:刻景・刻止め 範囲内のあらゆる存在と物体の時間を止める。フィリによって喪失させられた。
天使長:刻景・リードタイム 広範囲に及ぶ思考観察能力、正確にはその人物が過ごしてきた時間を盗み見る能力、全てを見通すわけではなく、場合によってはサーチが必要だが使用時間は極めて短く済む。
夜久朝日:刻景・スロータイム 範囲内にいるあらゆる存在と物体の時間を十分の一程度まで遅らせる。
仕掛け屋:刻景・ウェポンタイム 武器の類いの時間を停止させる。撃ち込んだ銃弾を一気に飛ばす事などが可能。
フィリ;刻景・ロストタイム 自身の何らかと引き換えに相手の何かを喪失させる。自身の喪失物が大きい程相手の喪失も大きい。
コック:刻景・タイムカード 半径10メートルの何処かに一枚のカードを出現させ、それを取った刻景使いの残り秒数を増やす。カードに書かれている秒数は一秒から五秒のランダム。
キーパー:刻景・タイムキーパー 男がギリギリ入れる程度の極小範囲ではあるが範囲内で使用した刻景の時間消費を自分も含め三秒まで未使用扱いに出来る。
名も知らぬ刻景使い:刻景・グリーンストップ 色格が緑までの魔法使いの魔法を止める。使用者は雑魚専と揶揄されていた。
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【仕掛け武器】
仕掛け屋が作り続けている一風変わった武器の名称。
それ自体が変形する物や通常の武器をより強力にした物など、色々な種類がある。感知トラップなどもそれに数えられるようで、仕掛け屋が作った戦いに関する物であれば全て仕掛け武器と言っても良いだろう。例としては時間を設定し相手へ貼り付ける事で刃を飛び出させる円盤こと円刃や、通常のマチェーテに火薬を込め引き金をつける事により、振ると同時に引き金を引き爆発を起こす事で勢いを強化するといった仕掛けをつけている。
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【悪魔】
半界に於ける攻め入る側のプレイヤー。その姿は謎に包まれているが、異世界病者を言葉巧みに操り魔法使いに仕立て上げ、天使陣営の人間を殺させる事で経験値を得させている。(まるでゲームを楽しむかのように余裕を見せている)
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【魔法使い】
悪魔によって半界に誘われた異世界病者の成れの果て。魔法を使い天使陣営の人間を殺す事によって経験値を得る事が出来、その量によって格が上がっていく。上位格になる程強い魔法を使う事が出来るが、基本的に悪魔に勝てるようには出来ていないようであり、あくまで天使陣営を殺す為の駒として扱われている。
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【色格】
魔法使いの強さを表す表示、白から始まり青、黄、緑、紫、赤、黒と続くが、天使陣営からは赤以上の色格を見れば逃げろと言われる程の強さを誇る。
基本的には白と青がルーキー、緑と紫にやや差があるが中堅、それよりも大きな差の上に立つ赤、黒に至っては見たことのある人間はそうそういないレベル。
使える魔法の種類は色格が上がる程に多くなり強まるようだが、詳しい事は謎に包まれているが。青色が光の槍を撃つ事、緑色が粘着地面を作り出す事、紫色が光の大槍や大量の光の槍、大火球を撃つ事が確認されている。
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【神の子】
天使や悪魔よりも強い恩恵を持って生まれた半界でのイレギュラーポジション、天使陣営に付くか悪魔陣営に付くかを選ぶことが出来、天使陣営についた場合は最強格の刻景を(悪魔陣営についた場合は最強格の魔法を)手に入れる事が出来る。だが半界に於ける神というポジションはあくまで場を動かす為に存在しており、厳密に言えば天使と悪魔の戦争の傍観者という意味合いが大きい為、位で言えばそこまで高いものでは無い。
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【始まりの二人】
半界にいるはずだがその姿を見た者は殆どいない。だが、天使陣営はその二人を殺す事で半界から現実へと戻りやり直せると考えており、悪魔陣営は色格が黒まで上がればその二人に謁見する事が出来、自分だけの異世界へ行けると信じている。
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【世界の嘘】
芥が気付いてしまった半界に於ける信仰の矛盾。
現実での十年前に同級生だった響が『始まりの二人』よりも前に死んでいるという事から、天使陣営が信じている事も悪魔陣営が信じている事が真実ではないのだろうかと彼は揺らいでいた。
(そんな時にそれを口封じする為に天使長は芥の殺害を決めた為、世界の嘘の存在はほぼ確定の物となってしまった)
真実がどのような物であるかは未だ分かっていない。




