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49話:悟の感情

悟の朝は、眠気なまこで、家族で朝食を摂る。成長期がいることもあって量は多く、太りたくない悟は遠慮しているが、母からはもうすこし量を摂るように言われている。




母「なんだかんだで体力は大事なのよ」




悟「そうだけどさ」




父「身体、まだおおきくなんの?」




父は少し笑っていた。もう少し線が太い方がいいだろうと日頃から言われている。




わかっているけどね・・




口に含んだ味噌汁をすすりながら思う、悟であった。




期末テストが控えている、両親にはあまり心配かけたくなかった、予習・復習はそれなにりしたが、テストの結果がどうなるか心配だった。綱島西の店舗兼住所から自転車で高校へ向かう。そんなに距離はないが、時間をかけたくなかった。バスも面倒に感じ自転車を選択している。高校までそれほど時間をかけずに到着する。


クラスでは期末テストが近く、集中している生徒が多い。悟には女生徒がそれなりで、男子生徒は油断を感じるものだった。


大学への進学は意識といては浅い、昔から家業を継ぐつもりだったし、学校の授業が役にたつのか疑問だった。しかし両親からの説得もあり、通学しているが、悟の感情は人形を製作している最中の集中した世界に籠りたかった。




悟(まあ、楽しいけど・・・色々な人がいるよなぁ)




学内では友人と呼べるのは多くはない、自然と仲良くなったのは同じクラスの立花律子とその友人、一部の教師、最近は上級生の石坂浩二と知り合になった。時々LINEでメッセージがくる、上級生だが、偉そうに感じることはなく冷静に接してくれているのが嬉しかった。




悟(やっぱり、話して楽しい人いるよな、こういうことなのかな、学校に通えって)




悟の授業を受ける態度は、一見すると真面目なようであり、特段教師から注意を受けるものではない。しかし頭の中ではぼんやりと、物想いにふけることもおおい。




悟(まずは、期末テストかな。それが終わったら夏休みか、一月以上の休みは貴重だぞ、どうしようか。せっかく作った衣装、見てもらいたいなぁ、でも夏休みにわざわざよぶのもどうなんだろ、何も言わないしな立花さん)




2限の休み時間、スマートフォンの通知のポップに気付く、いぶしげに感じるもLINEを開く浩二からのメッセージだ。




浩二:調子はどうかな?どう、お茶していかないかい、テスト期間中だから帰るかな




悟は、すぐに返事を書く




悟:いえ、大丈夫ですけど。


浩二:衣装どうなったかなって


悟:いや、別になにも


浩二:見せていないのかな。それじゃ持ってきたらどうかな。部室に


悟:部室?デザイン研究室ですか?


浩二:いや、日常研究会だよ


悟:立花さんたちの部でしたっけ


浩二:そう、僕も見たい。実は。なるだけなら着ているところも


悟:着てくれるかな


浩二:そこは言っておくよ


悟:ん?


浩二:知り合いなのは立花君かな?すこし含ませておくよ


悟:え?


浩二:じゃあ、うまいことやるんだね。楽しみにしてる




そこでメッセージのやりとりを終えた




悟(あれ、言っておくって?立花さんに?)




悟は律子を見る。難しそうな顔をして、教科書を読んでいる。実はライトノベルを挟み休憩の合間に読んでいるのは知っている、悟の視線に気づき、


にんまり笑いながら手を振ってくれる。




悟(うん、えへへ、えーと、どうしよ)




昼休みになり、悟は鞄から弁当を取り出す、弁当にとりかかろうとすると視界の隅に見知った顔があった。




律子「や!悟君、すこしいい」




悟「へ?立花さん?何?」




律子「ん?いや、私に用があるっていうから・・・」




悟「え?」




律子「浩二さんからだけどね、知り合いだったんだね。何?衣装の件だって」




悟「え?ええと、ちょっとまって、外いこうか」




律子「外?廊下だね」




二人は廊下に出た、学食へ行く生徒や、違うクラスに行こうとする生徒が幾人かいる。




二人は向かい合った。すこし距離が近い。




律子「うんうん、あのね。衣装の件で話があるって」




悟(うそぉ!向こうからきちゃったよ)




悟「ええと、あの衣装の件なんだけど。持っていこうかなって」




律子「ん?手芸部に?」




悟「え?いいや、なんだっけ日常研究会に、そこで見てもらおうかなって」




律子「え?そっちのほう?」




悟「うん、なんかねデザイン研究室も見たいんだって、だから時間とれないかな」




律子「今、テスト期間中だよ?いつ?」




悟「終わってから、夏休み始まるまでかな?」




律子「うーん、いいけど。みんなに見られるのかぁ」




律子は少し悩んでから答えた




律子「え~じゃあ皆に説明しとくよ~少し喜ぶ人はいるかも」




悟「うん。用件はそれ。いいの?」




二人はわかれた、律子はクラスを出ていったようであり、悟は弁当を見つめながらすこし頬が上気していた。

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