怪しい占い師3~誰だって“失敗”はあるさ! あの米○さんだって…。えっ、しない?~
早く次のヒロインを出したい。
元ヒロインズの事も書きたい。
モグモグモグ♪ モグモグモグ♪
(両目を見開いて。)
「これは…うまいッ!! サツマイモの味噌汁には劣るが、うまいッ!! ──メロンパンはやっぱり、カリカリモフモフの食感が大事なんだよねっ! って言われてるんだけど、同じ『赤髪のツンデレ』としてどう思う? フェイトたん♪」
「お前まだ食うのかよ…。って誰がツンデレだ!!」
◇◆◇◆◇◆
「大聖母神マリアネーゼ? 聞いた事ないなぁ…」
首を傾げてお姉さんに聞き返す。
お姉さんはコクリと頷き、話を続ける。
「ええ。正確には【大聖母神ユグノテレサ・マリアネーゼ】様…。【教会】でもごく一部の人達しか知らない女神様だもの。キミが知らなくても同然よ」
「教会の連中でも知らないって…。一体どんな女神なんすか?」
「あまりこの女神様については詳しく教えたくないんだけど…。四の五の言ってられないか。どうせ後から教えないといけないし…。良いわ、キミには特別に教えてあげる。この女神様は──」
ちょっと渋るような…勿体振るようなニュアンスで、お姉さんは言葉を続ける。
それを俺は黙って聞く。
「『女神や男神を産み出した女神』って言われているの」
そんな事を唐突に言われて一瞬固まり、考える。
女神や男神を産み出した?
確か女神だけでも“百”を越えるって聞いた事が…。
それってつまり──。
「それって超弩級の肝っ玉母ちゃんってことぉおおッ?!」
思わず大きな声を出して驚いてしまう。
お姉さんが小さく「うるさっ…!」っと反応する。
おいおいおい。
それってどんなビッ○・マムだよ。
あれかな?
「言うこと聞かなきゃ、寿命を貰っちゃうぞ♡」
みたいな事言ってくる女神様のかな?
・・・・だったら超ヤベぇー女神じゃん…。
何かミスったら容赦なく殺されんじゃね?
有無を言わさず、問答無用で寿命取られんじゃね?
・・・想像したらちょっと恐くなってきた…。
俺は『恐怖の大王』でも見るかのように、お姉さんを見詰める。
そんな視線など気にする事なく、お姉さんは話を続ける。
「きっ、肝っ玉母ちゃんって…。まあその通りよ。全部が全部じゃないけどね。──神の世界にも“位”があってね、マリアネーゼ様はその中でも4番目に偉い方で、簡単に説明するならキミがいま言った通りの方よ。【超越神ゼウヨゼル・オーディング】の正妻で『女神の女王』とも『始祖の女神』とも言われているわ」
「その神なら知ってる。いっちゃん偉い神ッスよね? てゆーか、その神以外にも男神っていたんだ。てっきりハーレムクソ野郎だと思ってた」
俺がそう言うと複雑そうな顔(フード越しだけど多分そう)をして、ちょっと呆れ気味に返すお姉さん。
「仮にも最高神を『ハーレムクソ野郎』って…。──ボソッ(それにキミも前までは、余り人の事言えた義理じゃないじゃない…」
「ん? 何か言ったっすか?」
「いいえ、何も…。話を続けるわね。──男神は女神以上に世界に対して放任的…と言うより、完全に無関心ね。いまさっき話したけど、神の世界にも“位”やら何やらいろいろあって複雑なの…。言いづらいんだけど、とても男尊女卑が酷くて、全部女神たちに押し付けて自分たちは戦やら宴やら何やらで一切関わろうとしないのよ…。だからゼウヨゼルぐらいしか、この世界ではあまり知られていないわ…。──ボソッ(ほんとっ…アイツら……ッ!!」
テーブルに乗せている両手を強く握りしめ、歯軋りの音が聞こえるぐらい、力いっぱい歯を食い縛るお姉さん。
見ていて何だか居た堪れない…。
それにちょっと恐い。
最後の方も、何言ってるかよく聞こえなかったし…。
なので場の空気が変になる前に、次の話題へ移す。
「でもッスよ。そんなに凄い女神なら、何でもっと有名じゃないんっすか? 他の女神はあんなに有名なのに。それこそアンヌとか…」
「・・・この女神様は表に出ることを好まない女神なのよ…。それに夫であるゼウヨゼルが極端に嫌がるの。ほら、溺愛のあまり独占欲が強すぎて、妻を紹介したがらない旦那さんっているじゃない? ああいった感じかしらね。──ボソッ(自分は他の女神たちと平気でイチャイチャするくせに……」
また最後の方だけ聞こえなかった…。
これについて触れてはイケナイ気がするから、軽くスルーする。
それよりも早く本題に入って、面倒臭そうな事をちゃっちゃと終わらせたい気分になってきたので、お姉さんに訪ねる。
「ふぅ~ん…。その女神についてはもういいや。それより、その凄い女神様が一体俺に何の用っすか? わざわざお姉さんみたいな【教会側の人間】でもない人を使って…」
「──ッ!!」
口を開けてハッ! っと驚くお姉さん。
いちいちリアクションしてくれるのが、なんか良い♪
「あなた……私が教会の人間じゃないってよく分かったわね。何も言ってないのに…」
「なんとなくッスかね。アイツらが常に醸し出している独特の雰囲気を、お姉さんからは全然感じないっすから♪ ──お姉さんは何て言うか…『好感度の塊!』みたいな?ww」
冗談混じりでそんな事を言うと、お姉さんが俺の顔をまじまじと見詰めてくる。
そんなに見詰められると何か照れるし、正直恥ずい…。
「・・・・」
「・・・・」
やめてっ! 無言はやめてぇ!
今の状況での沈黙は拷問でしかないからっ!
せめて何かしら反応とってぇ!!
嗚呼……数秒前の自分を殴りたい…。
なんだよ…『好感度の塊♪』って…。
馬鹿じゃないの!
俺が顔を赤くしながら頬を掻いていると、
「ありがとう…。本来なら私は貴方にそんな事言ってもらう資格なんてないのにね───」
「えっ…?」
「ううん、何でもないわ。・・・質問はもう終わり? だったら次は此方が質問し返す番ね。キミ的に言ったら『私のターン!』ってやつかしら♪」
ほんの一瞬表情を曇らせて呟くお姉さん。
けれど直ぐさま明るい表情に戻って、再び質問をしてくる。
俺はそれがちょっとだけ妙に気になったが、考えても仕方ないと思い、頭の隅に無理矢理押し込んでお姉さんの質問に耳を傾ける。
(お姉さんに言いそびれたけど、俺まだ「質問終了」って言ってなかったんですけど…。まあ良いや!)
「それじゃあ今度は…っと言っても私からの質問も、あと2つ・3つぐらいなんだけどね…。──キミはあの勇者以外に他の勇者に会ったことはあるのかしら?」
「あるッスよ。遠目からだったり、すれ違う程度ッスけど」
「そう…。その時その勇者達の事をどう思った・感じた? キミの率直な感想を教えて!」
「う~ん…。ウチの勇者ほどじゃないけど、何奴も此奴も似たり寄ったりって感じがしたッスかね。──『類友』的な? 『“まともな勇者”』が一人もいないって言うのかな? 『なんでお前らみたいなのが?』って思った!」
そう俺が言うと「やっぱりそうよね…」と聞こえるか聞こえないかのトーンで呟くお姉さん。
なにが「やっぱり」なのかは知らないが、ホントに俺はそう思った。
あのクズは勿論。
他の勇者達にも会った時に強い嫌悪感を感じた。
『なんでこんな奴らが? ありえねぇーだろう!』っと本気で思った。
こんな事を思っているのは俺だけじゃない筈。
だけど誰も何も言わない。
何故なら仮にも“神(女神)”が選んだ“勇者”なのだから…。
暫くの沈黙の後、意を決したかの様にお姉さんが話し出す。
「最後の質問ね…。これはあくまでも例えばの話なんだけど…。──もしも…もしもよ。貴方はとても偉い立場の人で子供が何人かいて、その子供達も偉い役職に就いていたとする。そしてその子供達がとても重要な一大プロジェクトを任せれる事になって──」
「待った!」
「えっ…?」
話の途中に手を挙げて遮る俺。
そんな俺を見てキョトンとするお姉さん。
俺は構わず言いたい事を続ける。
「話の途中で悪いんすっけど、この話…無かった事にしないッスか?」
「えっ? なっ、なに言って──」
「そんじゃ! ・・・お姉さんの事は好きだったよ…」
そう言って俺は席を立つ。
お姉さんは困惑した表情で俺の動きを目で追う。
何が起こったのか心底理解不能といった感じだ。
暫くフリーズ状態だったが、俺が本気でどっかに行こうとするのが分かると急いで立ち上がり、慌て呼び止める。
「ちょっ、は? 何処に行くのよ! 話はまだ──」
「お姉さんが言おうとしてる事は大体分かるッスよ。大方俺にあの勇者どもの尻拭いや後始末みたいな事をしろって言いたいんすよね?」
「──ッッッッ!!!!」
息を詰まらせる程に驚くお姉さん。
どうやら図星みたいだな…。
俺は半身になり、少し顔を強張らせて更に続ける。
「正確には『女神様の!』かな…? ──これは単なる俺の予想でしかないんッスけど、たいへん偉大で『全知全能』であるはずの女神様たちは、とある“失敗”を犯した…」
「──ッ!!」
「そう。【“勇者の選任の失敗”】という絶対に決してあってははならないことを……」
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最初のタクト君とフェイトたんの会話ネタ…伝わるかなぁ~。σ(^_^;)?
同じ『“炎系”』と言う事と──。
「そんなのはどうでもいいですから、“ボク”の出番はまだですか……?」
ひっ…! 三 (lll´Д`)