怪しい占い師2~お姉さんは教えたい。主人公はふざけたい~
会話多め?
描写(?)少なめ。
ハムハムハム♪ ハムハムハム♪
「いや~、今日もパンが旨いっ!」
「あっ! それ後で食べようと思ってた俺のラン○パック! いつの間に…」
「~~♪♪」
「ったく…。それ食ったら続き話せよ…」
「ふぁ~い♪」
◇◆◇◆◇◆
「神の…遣い……?」
俺はお姉さんの発言に更に驚き、目を見開いて見入る。
そんな俺を見て、再びフード下から艶然に微笑むお姉さん。
「そうよ♪ 正確には【“女神”】の遣いね。私はとある女神様より遣わされた──」
「つまりお姉さんは使○ってことですかッ?!」
「えっ…?」
二人して一瞬固まり、微妙な間を作りだす。
けれどすぐさま、
「いやっ、ちがっ───」
「いやぁあああ!! 侵されるぅううう!! 侵食されるぅううううッ!! 俺の中にお姉さんが入ってくるぅううう!! いやぁあああっっ!! 入って来ないでぇえええッッ!!」
「ちょっ、落ち着きなさいよおっ! 私はそんなんじゃ──」
「だって“神の使い”なんでしょうッ?!」
「そっそうだけど、意味っていうか…字がちがっ──」
「汚されるぅううう!! 穢されるぅうううう!! 誰か助けてぇええ!!・・・『助けなさいよっ! バカシ○ジッ!!(声マネ)』『嫌だ! やだよ! 助けてよカ○ル君ッ!(声マネ)』『これがリリ○の選択だよ、シ○ジ君…。(声マネ)』『貴方は死ぬわ……だって私が殺すもの…。(声マネ)』・・・やだぁあああ!!」
「アンタわざとやってるでしょうッ!? 私は○徒なんかじゃないってばっ! それにどっちかって言うと、敵対して殲滅する組織の──って何言わせんのよバカッ! もうっ! 私の話をちゃんと聞きいてよっ!! あと声がデカイッ!!」
肩で息をしながら、全力でツッコミを入れてくれるお姉さん。
俺はそれをケタケタと笑い見る。
ウヘへェw このお姉さん面白ぇーww
そしてノリが良い♪
揶揄いがいのある親戚のお姉さんって感じ。
いやぁ~久しぶりに笑った。
誰かとお話しするのって、こんなに楽しかったんだなぁ♪
このお姉さん…マジで好きだわ♡
(勿論。ライク的な意味で)
こんなやり取りをずっと続けたいww
だから重要な大事な場面だって分かってるんだけど、ついついフザケてしまう。(笑)
俺がケタケタと笑っていると、息を整えてコチラを睨み見るミサ○さん──じゃなくて占い師のお姉さん。
その表情はフード越しでも分かるぐらい、疲労と怒りでいっぱいいっぱいって感じだった。
「はぁ…はぁ…。ホントっ……いい加減にして…。これじゃあいつまで経っても話が進まないじゃない…。もし次フザケたら──本気で怒るわよ?」
「・・・サーセン…」
こっ、恐ぇええええッ!!
マジこぇえええー!!
声のトーンがガチだった!
女の人って、あんなに低くてドスの利いた声が出せるんだね…。
マジで超ビビった…。
・・・そろそろ本当に真面目に聞かないとな。
じゃないとガチでリアルに『ナニカ』されそうだ…。
なので俺は背筋をピンッ!と伸ばして姿勢を整え、お姉さんに訪ねる。
「んで? その神の遣いの方が俺みてぇーな負け犬に、一体何の御用っすか? 言っておきますけど、宗教勧誘なら御断りっすよ。俺はもう“神”なんていねぇー・信じねぇーって決めたんで……」
若干素っ気なく、ぶっきら棒に言う。
お姉さんはそんな俺に対して真っ直ぐ見詰めて、
「漸くまともに話を聞いてくれるみたいね、ありがとう。──そんなに自分を卑下しないで。それに、そんな悲しい事も言わないでよ…。神ならいるわ。だから私が来たのよ…」
まるで俺の心情を見透かすかのように、憐れみと同情を含んだ優しい声色で、諭すように返してくる。
・・・このお姉さんが本当に“神の遣い”なら、今の俺の現状を知ってるンだろう。
だからこんな風に…。
確かに今の俺は心身ともに、某『巨乳幼なじみ』が「もうやめてぇっ! 彼のライフはとっくに0よぉっ!!」って思わず言ってしまうぐらいの状態だ。
だからといってそれが何?
って感じ。
それで何かが変わるの?
だったら今頃世界中の『恵まれない人達』は『幸福な人々』になってるだろうよ。
だから俺は視線を明後日の方向に向けながら、面倒臭く答える。
「同情とかいらないんで。『家なき○』じゃねぇーっすけど、『同情するならなんとやら』なんで。早く用件だけ言ってもらって良いっすか?」
「・・・分かったわ。でもその前に幾つか質問させて。──キミは“勇者”について何処まで知ってる?」
「バカでアホでゴミでクソでゲスでカスでキチガイで、碌でなしで人でなしで鬼のような悪魔でこの世の害悪でしかなくて、今すぐにでも消えればいいと心底思っている、気持ち悪い害虫みたいなクズ野郎……」
「・・・キミの勇者に対する恨み辛みは十分過ぎるぐらい分かったわ…。でも真面目に答えて。大切な事なの」
真顔で勇者について怨言を発すると、フードで分かりづらいが、おそらく真剣の表情で訊いてくるお姉さん。
真面目に答えたつもりなんだけどなぁ~。
仕方なく俺はため息を吐いて、俺が知識として持っている『勇者とは?』を答える。
「あくまでも学校で習った程度だけど…アレでしょう? 勇者は魔王が復活…もしくはその前兆が見られる時に、女神達によって選ばれてウンタラかんたらってやつ」
「ウンタラかんたらって…。まっ、まあ大まかに大分ハショリにハショッて、大体そんな感じよ。それじゃあ“女神”についても、ある程度は知っているのね?」
「一応。『この世界は複数の女神達によって監視・見護られているが、基本女神たちは放任的で世界に介入・干渉はしない。けれど、世界の滅亡や破滅・終焉、所謂〔世界の危機〕が近づく時、救済・対応処置として全人類より“勇者”を選任する。』──みたいな?」
「凄いじゃない! いろいろ説明が足りない部分があるけれど、キミにしたら上出来よ! 続けて♪」
パチパチパチ♪ と軽く拍手をしながら、まるで出来の悪い我が子を褒める母親のよう仕草をするお姉さん。
俺はそれを見て微笑する。
馬鹿にされてる感じなのに、不思議と嫌じゃない。
それどころか、ちょっと嬉しい…。
誰かに褒められるなんて久しぶりだし、このお姉さんからは不思議と悪意や嫌味みたいなモノを感じない。
仮にあったとしてもこのお姉さんになら、よっぽど酷い事をされない限り、許してしまうだろう。
・・・・何でだ?
お姉さんについて考えていると、当の本人が「どうしたの?」みたいな顔で首を傾げてたので、俺は続きを話す。
「・・・『女神たちによって選ばれる勇者は必ず“4人”で、例外はほとんどない。そして【神託】によって“勇者”に選ばれた者はその証として、身体の何処かに【聖痕】が刻まれ、スキルとして【勇者】のスキルが付与される。』──ここまではOK?」
「ええ良いわ、そんなところよ。続けて♪」
「──『勇者を選ぶ女神は毎回違っていて、今回【“魔王復活”】の為に勇者を選任した女神は【慈愛と癒しの女神ナーチル・ゲーテ】。【美と知性の女神クレオード・パドレス】。【予言と権威の女神ヒヒミンコ】。そして───」
溜めるように俺は一回大きく深呼吸をして、お姉さんを見詰めながら言う。
「そして、あのクズを選んだ【聖戦と断罪の女神アンヌ・ドゥルクス】……」
俺の言葉を確認するとコクリと頷いて「良くできましたぁ♪」みたいな感じで、再びパチパチパチ♪と小さく拍手するお姉さん。
それを見て俺はまた微笑する。
「偉いッ! お姉さん、特別に満点をあげちゃうっ♪ ──って言いたいところなんだけど…。もっと補足説明が必要ね。でもまあ良いわ。それじゃあ次は───」
お姉さんが次の質問をしてこようとするので、片手を挙げてそれを制止する。
「お姉さん、ちょっと良い?」
「・・・何かしら?」
「俺からも何個か質問良いっすか?」
「えっ…? でも──」
「さっきからずっとお姉さんのターンばっかで、どっかのインチキデ○エリストみたいっすよ! 俺も攻撃(質問)させてくださいよっ!」
“決闘”に負けそうな駄々っ子みたいに言うと、頭に『???』を浮かべて戸惑うお姉さん。
「デュ○リスト? 何それ…。私…攻撃されちゃうの…?」
と呟く。
俺は構わず再度訪ねる。
「んでどうなんっすか? 攻撃──じゃなくて、質問しても…?」
「・・・わっ、分かったわ。攻撃されたら困るもの…。それで? 何が聞きたいの?」
そう言って少し身構えるお姉さん。
俺はそれを笑顔で返す。
「あざーすっ♪ ──お姉さんさっき『自分は女神の遣いだ!』って言ったよね?」
「ええ。言ったわよ。それが何かしら?」
「それってさぁ───」
俺は笑顔を崩して目を細め、軈てお姉さんを鋭く睨み見る。
「どの女神の遣いなの……?」
俺のその一言と雰囲気で、何かを察したのだろう。
お姉さんが慌てて返答する。
「あっ! ごっ、誤解しないでっ! 私は【“アンヌ・ドゥルクス”】の遣いじゃないわッ!! 私は別の女神の遣いよっ! 信じて!」
お姉さんの慌てっぷりに訝しむ俺。
尚も「信じてっ! お願いよぉ!」と詰め寄るお姉さん。
基本俺は女神やらなんやらなんて、どうでも良いと思っている。
しかし、ソイツだけは違う。
ソイツは…【アンヌ・ドゥルクス】だけは違う…。
アンヌだけは大っ嫌いだッ!!!!
さっきも言ったが、アンヌがアイツを…あの“クズ”を選んだから、俺は…“俺達”はこんな状況になっているんだッ!!
───とまでは言わないが、少なからず選んでいなければ、違った状況になっていたかもしれない。
もしかしたら、ミルフィーまでは────。
っとついつい思ってしまう・考えてしまう…。
・・・・今更そんな事はやめよう。
『もしかして』なんて言い出したらキリがない。
それに俺は某お笑い芸人みたいに、時は戻せない。
なので俺は未だに「お願いだから信じてよぉ~」と涙声で詰め寄ってくるお姉さんに、優しく声を掛ける。
「分かった、信じるよ。だから教えて。お姉さんはどの女神の遣いなの? あっ! 渋るとかはぐらかすとか無しだから!」
「・・・絶対にいま教えないと…ダメ?」
「ダメ。んなら俺はもう行くから。サイナラー」
「わっ、分かった! 教える、教えるから行かないでっ!」
席を立とうとする俺を無理やり制止し、何かを諦めたかのような溜め息を吐いて、咳払いをしながら此方をジッと見詰めて話しだす。
「はぁ~…。本当はいろいろな話を終えてから教えたかったんだけど…。仕方ない、今教えるわね。・・・コホン。貴方のもとに私を遣わせた女神様の名は───」
「【“大聖母神マリアネーゼ”】様よ!」
少しでも面白い・続きはまだ?・はよ更新せぇ!
と思われた方は低くても良いので、評価(☆)してくれると嬉しいです。
励みになります。
エ○ァ……(・・;)