表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

8/11

怪しい占い師2~お姉さんは教えたい。主人公はふざけたい~

会話多め?

描写(?)少なめ。



 ハムハムハム♪ ハムハムハム♪


「いや~、今日もパンが旨いっ!」


「あっ! それ後で食べようと思ってた俺のラン○パック! いつの間に…」


「~~♪♪」


「ったく…。それ食ったら続き話せよ…」


「ふぁ~い♪」




◇◆◇◆◇◆



「神の…遣い……?」



 俺はお姉さんの発言に更に驚き、目を見開いて見入る。

 そんな俺を見て、再びフード下から艶然(えんぜん)に微笑むお姉さん。


「そうよ♪ 正確には【“女神”】の遣いね。私はとある女神様より遣わされた──」

「つまりお姉さんは使○ってことですかッ?!」


「えっ…?」


 二人して一瞬固まり、微妙な()を作りだす。

 けれどすぐさま、


「いやっ、ちがっ───」

「いやぁあああ!! 侵されるぅううう!! 侵食(・・)されるぅううううッ!! 俺の中にお姉さんが入って(・・・)くるぅううう!! いやぁあああっっ!! 入って来ないでぇえええッッ!!」


「ちょっ、落ち着きなさいよおっ! 私はそんなんじゃ──」

「だって“神の使い(・・・・)”なんでしょうッ?!」


「そっそうだけど、意味っていうか…()がちがっ──」

「汚されるぅううう!! (けが)されるぅうううう!! 誰か助けてぇええ!!・・・『助けなさいよっ! バカシ○ジッ!!(声マネ)』『嫌だ! やだよ! 助けてよカ○ル君ッ!(声マネ)』『これがリリ○の選択だよ、シ○ジ君…。(声マネ)』『貴方は死ぬわ……だって私が殺すもの…。(声マネ)』・・・やだぁあああ!!」


「アンタわざとやってるでしょうッ!? 私は○徒なんかじゃないってばっ! それにどっちかって言うと、敵対して(・・・・)殲滅する(・・・・)組織(・・)の──って何言わせんのよバカッ! もうっ! 私の話をちゃんと聞きいてよっ!! あと声がデカイッ!!」



 肩で息をしながら、全力でツッコミを入れてくれるお姉さん。

 俺はそれをケタケタと笑い見る。


 ウヘへェw このお姉さん面白(おもしれ)ぇーww

 そしてノリが良い♪

 揶揄(からか)いがいのある親戚のお姉さんって感じ。


 いやぁ~久しぶりに笑った。

 誰かとお話し(・・・)するのって、こんなに楽しかったんだなぁ♪

 このお姉さん…マジで好きだわ♡

(勿論。ライク的な意味で)

 こんなやり取りをずっと続けたいww


 だから重要な大事な場面(シーン)だって分かってるんだけど、ついついフザケてしまう。(笑)


 俺がケタケタと笑っていると、息を整えてコチラを睨み見るミサ○さん──じゃなくて占い師のお姉さん。


 その表情(かお)はフード越しでも分かるぐらい、疲労と怒りでいっぱいいっぱいって感じだった。


「はぁ…はぁ…。ホントっ……いい加減にして…。これじゃあいつまで経っても話が進まないじゃない…。もし次フザケたら──本気で怒るわよ?」


「・・・サーセン…」


 こっ、恐ぇええええッ!!

 マジこぇえええー!!


 声のトーンがガチだった!

 女の人って、あんなに低くてドスの利いた声が出せるんだね…。

 マジで超ビビった…。


 ・・・そろそろ本当に真面目に聞かない(やらない)とな。

 じゃないとガチでリアルに『ナニカ(・・・)』されそうだ…。


 なので俺は背筋をピンッ!と伸ばして姿勢を整え、お姉さんに訪ねる。


「んで? その神の遣いの方が俺みてぇーな負け犬(・・・)に、一体何の御用っすか? 言っておきますけど、宗教勧誘なら御断りっすよ。俺はもう“神”なんていねぇー・信じねぇーって決めたんで……」


 若干素っ気なく、ぶっきら棒に言う。

 お姉さんはそんな俺に対して真っ直ぐ見詰めて、


(ようや)くまともに話を聞いてくれるみたいね、ありがとう。──そんなに自分を卑下しないで。それに、そんな悲しい事も言わないでよ…。神ならいるわ。だから私が来たのよ…」


 まるで俺の心情を見透かすかのように、憐れみと同情を含んだ優しい声色で、諭すように返してくる。


 ・・・このお姉さんが本当に“神の遣い”なら、今の俺の現状(・・)を知ってるンだろう。

 だからこんな風に…。


 確かに今の俺は心身ともに、某『巨乳幼なじみ』が「もうやめてぇっ! 彼のライフはとっくに(ゼロ)よぉっ!!」って思わず言ってしまうぐらいの状態だ。


 だからといってそれが何?

 って感じ。

 それで何かが変わるの?

 だったら今頃世界中の『恵まれない人達』は『幸福な人々』になってるだろうよ。


 だから俺は視線を明後日の方向に向けながら、面倒臭く答える。


同情(そんなん)とかいらないんで。『家なき○』じゃねぇーっすけど、『同情するならなんとやら』なんで。早く用件だけ言ってもらって良いっすか?」


「・・・分かったわ。でもその前に幾つか質問させて。──キミは“勇者(・・)”について何処まで知ってる?」


「バカでアホでゴミでクソでゲスでカスでキチガイで、(ロク)でなしで人でなしで鬼のような悪魔でこの世の害悪でしかなくて、今すぐにでも消えればいいと心底思っている、気持ち悪い害虫みたいなクズ野郎……」


「・・・キミの勇者に対する恨み辛みは十分過ぎるぐらい分かったわ…。でも真面目に答えて。大切な事なの」


 真顔で勇者について怨言を発する(答える)と、フードで分かりづらいが、おそらく真剣の表情で訊いてくるお姉さん。


 真面目に答えたつもりなんだけどなぁ~。


 仕方なく俺はため息を吐いて、俺が知識(・・)として持っている『勇者とは?』を答える。


「あくまでも学校で習った程度だけど…アレでしょう? 勇者は魔王が復活…もしくはその前兆が見られる時に、女神()によって選ばれてウンタラかんたらってやつ」


「ウンタラかんたらって…。まっ、まあ大まかに大分ハショリにハショッて、大体そんな感じよ。それじゃあ“女神”についても、ある程度は知っているのね?」


「一応。『この世界は複数の女神達によって監視・見護られているが、基本女神たちは放任的で世界に介入・干渉はしない。けれど、世界の滅亡や破滅・終焉、所謂〔世界の危機〕が近づく時、救済・対応処置として全人類より“勇者”を選任する。』──みたいな?」


「凄いじゃない! いろいろ説明が足りない部分があるけれど、キミ(・・)にしたら上出来よ! 続けて♪」


 パチパチパチ♪ と軽く拍手をしながら、まるで出来の悪い我が子を褒める母親のよう仕草をするお姉さん。


 俺はそれを見て微笑する。


 馬鹿にされてる感じなのに、不思議と嫌じゃない。

 それどころか、ちょっと嬉しい…。

 誰かに褒められるなんて久しぶりだし、このお姉さんからは不思議と悪意や嫌味みたいなモノを感じない。


 仮にあったとしてもこのお姉さんになら、よっぽど酷い事をされない限り、許してしまうだろう。


  ・・・・何でだ?


 お姉さんについて考えていると、当の本人が「どうしたの?」みたいな顔で首を傾げてたので、俺は続きを話す。


「・・・『女神たちによって選ばれる勇者は必ず“4人”で、例外はほとんどない。そして【神託】によって“勇者”に選ばれた者はその証として、身体の何処かに【聖痕】が刻まれ、スキルとして【勇者】のスキルが付与される。』──ここまではOK?」


「ええ良いわ、そんなところよ。続けて♪」


「──『勇者を選ぶ女神は毎回違っていて、今回【“魔王復活(・・・・)”】の為に勇者を選任した女神は【慈愛と癒しの女神ナーチル・ゲーテ】。【美と知性の女神クレオード・パドレス】。【予言と権威(カリスマ)の女神ヒヒミンコ】。そして───」


 溜めるように俺は一回大きく深呼吸をして、お姉さんを見詰めながら言う。








「そして、あのクズ(・・)を選んだ【聖戦と断罪の女神アンヌ・ドゥルクス】……」








 俺の言葉を確認するとコクリと頷いて「良くできましたぁ♪」みたいな感じで、再びパチパチパチ♪と小さく拍手するお姉さん。

 それを見て俺はまた微笑する。


「偉いッ! お姉さん、特別に満点をあげちゃうっ♪ ──って言いたいところなんだけど…。もっと補足説明が必要ね。でもまあ良いわ。それじゃあ次は───」


 お姉さんが次の質問をしてこようとするので、片手を挙げてそれを制止する。


「お姉さん、ちょっと良い?」


「・・・何かしら?」


「俺からも何個か質問良いっすか?」


「えっ…? でも──」

「さっきからずっとお姉さんのターンばっかで、どっかのインチキデ○エリストみたいっすよ! 俺も攻撃(質問)させてくださいよっ!」


 “決闘(ゲーム)”に負けそうな駄々っ子みたいに言うと、頭に『???』を浮かべて戸惑うお姉さん。


「デュ○リスト? 何それ…。私…攻撃されちゃうの…?」

 と呟く。

 俺は構わず再度訪ねる。


「んでどうなんっすか? 攻撃──じゃなくて、質問しても…?」


「・・・わっ、分かったわ。攻撃されたら困るもの…。それで? 何が聞きたいの?」


 そう言って少し身構えるお姉さん。

 俺はそれを笑顔で返す。


「あざーすっ♪ ──お姉さんさっき『自分は女神の遣いだ!』って言ったよね?」


「ええ。言ったわよ。それが何かしら?」


「それってさぁ───」


 俺は笑顔を崩して目を細め、(やが)てお姉さんを鋭く睨み見る。






   「どの女神(・・・・)の遣いなの(・・・・・)……?」







 俺のその一言と雰囲気で、何かを察したのだろう。

 お姉さんが慌てて返答する。


「あっ! ごっ、誤解しないでっ! 私は【“アンヌ・ドゥルクス”】の遣いじゃないわッ!! 私は別の女神の遣いよっ! 信じて!」


 お姉さんの慌てっぷりに(いぶか)しむ俺。

 尚も「信じてっ! お願いよぉ!」と詰め寄るお姉さん。


 基本俺は女神やらなんやらなんて、どうでも良いと思っている。

 しかし、ソイツ(・・・)だけは違う。

 ソイツ(・・・)は…【アンヌ・ドゥルクス】だけは違う…。


 アンヌだけは大っ嫌いだッ!!!!


 さっきも言ったが、アンヌがアイツ(・・・)を…あの“クズ(・・)”を選んだから、俺は…“俺達”はこんな状況になっているんだッ!!


 ───とまでは言わないが、少なからず選んでいなければ、違った状況になっていたかもしれない。


 もしかしたら、ミルフィー(・・・・・)までは(・・・)────。


 っとついつい思ってしまう・考えてしまう…。


 ・・・・今更そんな事はやめよう。


『もしかして』なんて言い出したらキリがない。

 それに俺は某お笑い芸人みたいに、時は戻せない。


 なので俺は未だに「お願いだから信じてよぉ~」と涙声で詰め寄ってくるお姉さんに、優しく声を掛ける。


「分かった、信じるよ。だから教えて。お姉さんはどの女神の遣いなの? あっ! 渋るとかはぐらかすとか無しだから!」


「・・・絶対にいま教えないと…ダメ?」


「ダメ。んなら俺はもう行くから。サイナラー」


「わっ、分かった! 教える、教えるから行かないでっ!」


 席を立とうとする俺を無理やり制止し、何かを諦めたかのような溜め息を吐いて、咳払いをしながら此方をジッと見詰めて話しだす。


「はぁ~…。本当はいろいろな話を終えてから教えたかったんだけど…。仕方ない、今教えるわね。・・・コホン。貴方のもとに私を遣わせた女神様の名は───」















  「【“大聖母神(・・・・)マリアネーゼ(・・・・・・)”】様よ!」

少しでも面白い・続きはまだ?・はよ更新せぇ!

と思われた方は低くても良いので、評価(☆)してくれると嬉しいです。


 励みになります。


 エ○ァ……(・・;)


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ