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赤髪の元ヤンヒロイン(?) フェイトたん♪~ライ○ゴッドでも、テス○ロッサでもないよ!~


 勇者パーティーを追放された俺は、あの勇者(ドクズ)に言われた通りに村に戻って独り寂しく自分を慰めていた…。



・・・・んなことはなく、村に戻っては来ているけど実家ではなくて、とある民家の二階の一室に居た。


 その部屋の前には『お兄ちゃんのへや「許可なく勝手に入るな。特にタクトッ!!(#`皿´)」』と書かれたドアプレートが掛けられていたが、ガン無視して入る。



「と言う事があったんだよ。酷いと思わない? だから慰めてよぉ~、親友ぅ~!」


「んー! んっー! んんーッ!!」



 身振り手振りを交えてこれまでの出来事を説明している俺の足元で、短パンにタンクトップ姿の一人の超絶美女(・・・・)が、口をガムテープで塞がれたうえに両手両足をロープで縛られながら、こちらを涙目で睨んでいた。


 美女は赤髪ロングの長身で、

 手足の長いモデル体型。


 しかも出る所はちゃんと出て締まる所はちゃんと締まっている、まさに女性が憧れる理想の体型の一つをしていた。


 そんな羨ましくも憎たらしい身体を激しく揺らし、水揚げされたエビみたいに暴れ回る美女。


「んっー! んんっー! んんーッ!!」


 尚も怒気の孕んだ瞳で見つめ、

 抗議の呻き声をあげている。

 ついでに鼻息も荒くしている。


 俺はそんな美女に声を掛ける。


「何言ってんのか分かんないよ、フェイトたぁ~んw ちゃんと俺が分かるように喋ってよww それに何で興奮してんの? おっぱいでも揉んでほしいの?ww ──仕方ないなぁ~。フェイトたんがそこまで言うなら……」


 そう言って指をワキワキさせ、鼻の下を伸ばして美女の胸元に両手を近づける。


 しかし美女はさっきまでの動きを止めて、強く鋭い眼光で静かに俺を見詰めていた。


「………」


(ヤベッ…やり過ぎた…。フェイトたん、超MK5(マジでキレる五秒前)じゃん。早く謝らねぇと…)


 一瞬にして我に返った俺は直ぐさま美女に謝り、

 許しを請う。


 美女は暫くジィーっとこちらを見たあと、軽く溜め息を吐く動作をして「これ…剥がせよ…」とでも言うように顎を上げてくる。


 俺はそれをゆっくり丁寧に剥がしてゆく。

(いきなり殴られたくないから、手足のロープはそのままに)


「ごめんフェイトたん。ちょっとしたジョークのつもりだったんだよ…。本当にごめんねっ!」


「………」


 俺がガムテープを剥がし終わると、

 美女は三回ほど深呼吸して──。



「テメェェーー! タクトォッ!! いきなり何しやがるっ! そんなに殺されてぇのかよ、あ”あ”ん”!? ──久しぶりに帰ってきたと思ったら、突然変な飴玉(くち)ん中に放り込みやがって! それ舐めたら急に眠たくなって、気がついたらこの有り様だ! 一体何なんだよ! てゆーか何で俺、“()”になってんだよッ!?」



 低い声(ハスキー)でありながらも、思わず耳を塞ぎたくなるような金切り声で責め立てくる超絶美女。


 改め、この部屋の主で俺の幼馴染にして最高の大親友──“フェイト”たんが詰め寄ってくる。




 もう気づいている人もいると思うけど、

 フェイトたんはちゃんとした『()』である。


()』と言うより『()』って言った方が近い存在。


 曲がった事が嫌いな性格で、硬派で無駄に正義感が強く、「女に手を出す奴は如何なる理由があろうと総じて屑」や「女は男に守られるもの」と本気で思ってる、ちょっと古くさい考えの持ち主。


 そのうえ自分は口が頗る悪いくせに、女性に対して「女ならもっと御淑やかにしろ」や「女だったらお上品に振る舞え」や「女がそんな汚ねぇー言葉使うな」などと平気で言う。


 更に「気にいらねぇー」と思った野郎には直ぐに手を出すのに、相手が女性だと物に当たる短気で乱暴者。


 ある意味ちょっとした困ったちゃんである。


 でも本当はとっても家族想いで、

 友達(ダチ)思いの良い人。


 一度打ち解けてしまえば…仲間になったらかなり頼れる、兄貴分的存在。


 それがフェイトたん。



 そんなフェイトたんがなんで絶世の美女(・・・・・)になってるのかとゆうと、先ほどフェイトたんが言っていたとある“飴玉”を舐めた(俺が無理やり突っ込んだ)せいである。


 俺はその事について説明する為に、取り敢えずフェイトたんに落ち着いてもらおうと、なるべく刺激しない様に返答する。


「ちょっと落ち着いてよ、フェイトたん。今からちゃんと説明するからさ!」


「わかった…。兎に角まず、これ…(ほど)けよ……」


「それは無理♪」


「何でだよッ!?」


「だってフェイトたん、俺がそれ解いたら絶対に殴る気でしょう? 違う? 何年幼馴染やってると思ってんの!」


「あったりめぇーだろうがっ! こちとらイライラしてんだよ! 久しぶりに帰ってきたと思った懐かしい親友ダチからこんな仕打ちを受けてんだ。一発ぶん殴んねぇーと腹の虫が収まらねぇよッ!」


「またそうやって…。『短気は損気』って言葉知らないの? 暴力 ダメっ! 絶対ッ!! だよ?w」


「いきなり得体の知れねぇーモン食わしたあげく、拉致紛いな事するようなヤツには言われたくねぇッ!」


 ダメだこりゃ。

 これじゃあ埒が明かない…。


 そう思いながら暫く頭を掻いて居ると、フェイトたんが睨み付けたまま、何かを急に思い出したかの様に俺に問い質してくる。


 それは出来れば訊いてほしくない──でもいつか話さないといけない──いや、その話をする為に俺はここに来た様なもの──の内容だった。



「色々訊きてぇ事は山ほどあるけどよ、まずは確認させろ。 ──タクト! お前…他のみんなはどうした? ミルフィーやソフィアやリゼーネ姉さん。特に“(ニーナ)”や“従妹(フィオナ)”はどうしたんだ? 何で居ねぇーんだ? 説明しろっ!」



 鋭い眼光で…でもどこ温かみを感じる眼差しで、俺をじっと見詰めてくる親友(フェイトたん)


 俺はそんなフェイトたんを少し眼を細めて見詰め返し、軽く溜め息を吐いた後、意を決して呟く様に語り出す。







「それについても今からちゃんと説明するから、何も言わずに黙って聞いて居てくれると嬉しい…。あと、これだけは最初に言わせて…。──ほんとにっ…本当にっ、本当にごめんなさいッ!!」




 土下座をしながら俺は、これまで(・・・・)の事をフェイトたんに説明した。

少しでも面白い・続きはまだ?・はよ更新せぇ!

と、思われた方は低くても良いので、評価(☆)してくれると嬉しいです。

励みになります。



───『MK5』って“死語”通り越して、もはや化石だよなぁ~…。


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