27/86
◆二話『仲秋リマインド』-0
二話の更新となります。細かく分けるのが性に合わなかったので、あまり分けずに投稿します。
赤子は問題なく成長している。
子供の成長の早さに顰める。筍などに例えられるだけあり、気付けば立ち上がり、言葉を発するようになっていた。日々を忙しなく過ごすが故にそういった成長などという部分にまで意識が回っておらず、身の回りの世話をさせている式神たちが衣服などの新調を申し出てきて初めてその事実に気付く。そういうことを幾度も繰り返した。
その都度、私はその子の耳元で囁いた。
「失敗作」
心を込めるように。
「失敗作」
心などないくせに。
「失敗作」
言い聞かせるように。
「失敗作」
呪うように。
「失敗作」
願うように。
「失敗作」
何度も、何度も、何度も。
分けないと言っていますが、『-0』は分けます。分けないと言ったな、アレは嘘だ!




