16/86
◆プロローグ『遺されたモノ』-0
――目が覚めて、初めて目にしたのは己が腕の中で眠る赤子。
これは、なんだ? と、訝しむと同時にすべてを理解する。肉体に刻まれた記憶がすべてを教えてくれる。魂に刻まれた望みはただ一つ。故に、私は赤子の額に手を持っていく。
不安などなさそうに微睡む幼子を撫でる。揺らさぬように、起こさぬように。
「――失敗作」
それは眠りながらも、その小さな手で私の指を掴んだ。
私は赤子を抱え、暗く、昏く、終わってしまったその場を立ち去った。
――目が覚めて、初めて目にしたのは己が腕の中で眠る赤子。
これは、なんだ? と、訝しむと同時にすべてを理解する。肉体に刻まれた記憶がすべてを教えてくれる。魂に刻まれた望みはただ一つ。故に、私は赤子の額に手を持っていく。
不安などなさそうに微睡む幼子を撫でる。揺らさぬように、起こさぬように。
「――失敗作」
それは眠りながらも、その小さな手で私の指を掴んだ。
私は赤子を抱え、暗く、昏く、終わってしまったその場を立ち去った。
特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。
この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。