5.独りという呪い
今日はどこまで投稿するか一切決めていません。
まぁできたところからそのまま投稿しているだけですので…
教室の喧騒が少しづつ落ち着きを見せてきた頃、
「で、柴翠。そろそろ【ステイタス】見せてくれよ」
「あぁ、わかった」
と、言うと睦紀は水晶__【ステイタス】の結晶を左の手の甲にぶつけた。
これが神からの福音を授かるということ。
水晶が吸い込まれるように睦紀の手の甲へと取り込まれていった。
そして、取り込まれた左手の甲には歪な円を中心に6つの花弁あるような幾何学模様の刺青のようなものが描かれた。
「うーん、何度見てもこの光景は謎だよな。どういう仕組みで異物がこんな簡単に吸収されるものなんだ?しかもこの刺青も人それぞれで似たようなものはあるにしても同一のものはないって話だぜ?ほんとに謎だな」
この刺青が神の福音を手にしたものへの証であり、これもまたパンドラの箱の一つである。
人が人ならざる力_【ステイタス】を手にするのはこの作業を行うだけである。
ちなみにこの刺青は消すことができず、この刺青が消えるときは___まぁ、そういうことである。
「まぁ、そんなことは今はいいか。で、柴翠。どうだ?」
「ちょっとは落ち着けよ。まだ見てないんだしよ....。ふぅ、【ステイタス】オープン」
そして、現れる【ステイタス】に少し....いやかなり驚愕することになる。
name:柴翠 睦紀 Lv.1
job:
HP:100
MP:100
STR:15
INT:15
VIT:15
MND:15
AGT:15
DEX:15
LUK:02
CS:【独創呪術界】
Skill:5p
【独呪】
Ability
「なんだろ、俺たちのステイタスを見たせいで柴翠だけ異質のように感じるのは気のせいだろうか」
「な、なんていうんだろ....平均的というか偏った感じではない分、これからどうなるのか気になるところだよねっ!」
「そうだといいんだがな....。そこはまだいいんだ」
「あ、いいのっ?」
「刈谷の言うとおりだ。俺もこの核とスキルについてが謎なんだよな」
そう、刈谷と睦紀が注目しているのはコア・スキルと【独呪】というスキルだ。
「とりあえず詳細を見てもらってもいいか?あと、物がものなら....」
「あぁ、わかってる....おまえにも話さんよ」
そう、核やスキルなんかなどの【ステイタス】に関わることは基本他言無用である。理由は以前も話していたがそれ以外にも話すことがきっかけで核の使用ができなくなることも例外なくある。
(しかも、この文字を見ているとなんとなく....まぁ最悪の話であってまだ確定しているわけではないんだけどなぁ)
そんなことを思いながら、コア・スキルと【独呪】の詳細を開く。
【独創呪術界】
指定範囲の空間を書き換える。
その世界の中では階位順序が発動主が最上位となる。
ただし、指定範囲・上位者相手次第では莫大な魔素を消費する。
【独呪】条件が満たされている状態のみ使用可能
【独呪】解呪不可
独りで生きることを決定づけられた呪い
パーティ・クラン所属時、全ステイタス6割減少
他者に説明することはできない。
....最悪の類だった。
「あー、理解したが多分説明できないものだ」
「は?多分ってどういうことだ?やはり呪いの類で使用不可とかそういうものか?」
「......ちょっと試してみるか。俺のスキルは(【独呪】パーティ・クランに所属すると全ステイタスが6割減少する。しかも解呪不可)だそうだ」
「....は?今なんて言った?」
「だから(パーティ・クラン所属時に全ステイタス6割減少)だとよ。で、どうだった?」
「......なるほど、話すことすらできないというわけか」
先ほどから刈谷に向かって【独呪】詳細を言ってみたが、どうやらその部分だけノイズが走り、聞き取ることができないとのこと。
まぁ読唇術とか使えばわかるかもしれないが、詳細にも「説明することができない」と書かれている以上読唇術ですら説明することができないのかもしれない。
「まぁ、【独呪】とやらの詳細は謎ではあるが厄介な代物であることには違いないか核のほうはどうなんだ?」
「そっちは説明できそうだ。ただ、説明しようにもいまいちわからんから詳しくは言えない。一言でいえば固有結界系統の核である感じだな」
「なるほど、≪剣帝≫の【剣精墓地】みたいな認識でいいのか?」
「その部分がいまいちわからん。なにせ書かれていることが発動時、階位順序が最上位へと変換されるとしか書かれていないからな」
「それは謎だな。固有結界系列でもしっかり記載されているって話らしいからな......」
話題に上がった≪剣帝≫とはちょうど2年前ぐらいから注目を浴びた存在の2つ名である。本名は知らず、ローブで全身を隠しているため詳細はほとんど知られていない。
ただ唯一2つ名に≪剣帝≫と言わしめたのが、おそらく≪剣帝≫の核であろう【剣精墓地】である。
詳しい話は今回は省くが、そのスキルの系統が固有結界と呼ばれるものであったことには間違いないのだ。
「じゃあ、今度検証でもしてはっきりさせておくか」
「あぁ......多分検証すらできんと思う」
「ん?なんでだ?」
「多分説明しきれないところがあるから簡単に言うと呪いでソロ限定みたいだわ」
「えぇーーーーーーーーーーーっ!」
と、ここまで空気であった柳瀬がそう叫ぶのであった。
ということでタイトル回収しました。
説明にあった≪剣帝≫の【剣精墓地】はまんまFateの〇宮君のような認識で問題ありません。
実際はちょっと異なりはしますが......対して違いないですかねぇ。