4.思考する【ステイタス】
少しずつ学園のキャラを出しつつ、やっていこうとは思いますが如何せん数が多くなりそう....。
柳瀬遥の【ステイタス】を確認し終え、あの考察厨が戻ってきたところで刈谷が話し始めた。
「と、ある程度の推定が出てきたがまだ確証までは至れないな。今度試してもらってもいいか?」
「んっ!いいよっ!なんか楽しそうだねっ!」
「あぁ、やめとけ?だいぶかったるいからさ」
「.........?」
この考察厨を黙らせるには何時間拘束されることやら。
「まぁ、そのことはまたあとで詰めることにして....。じゃ、次は俺かな?とはいっても俺もまだ【ステイタス】を見たわけではないからな。....っと【ステイタス】オープン」
name:刈谷 京治 Lv.1
job:
HP:100
MP:100
STR:24
INT:20
VIT:05
MND:24
AGT:12
DEX:40
LUK:08
CS:【改変筆術】
Skill:5p
【高速思考】【並列思考】
Ability
「ほう、初期の時点でスキルを獲得しているのか。......まぁ、このスキルを見ると先天的なものも含まれるのか?」
「どうだろうか、もしかしたら【ステイタス】獲得時に得られた報酬なのかも知れない。こればっかりはパンドラの箱だし、解明しようがないな」
「まぁ、確かに剣道部がアビリティに剣術が備わっていたことがなかったし、いまいちなところではあるな」
この【ステイタス】。幾度もなく研究を重ね続けられてきたが、この中身は刈谷が言っていた通りまさにパンドラの箱。知ろうとすればするほど謎が深まり、結果としてそういうものであるということに落ち着いたのだ。
「だが、まぁなんだ。刈谷は近接に遠距離もできそうな感じか?にしてもお前の核はどういうものなんだ。名前だけだとよくわからないんだが」
「......それなんだがな、俺の核はどうやら遥ほど単純なものではないらしいな」
刈谷いわく、【改変筆術】というコア・スキルは端的に言えば敵性術式を改変させることができるという代物だ。......いやなにそのチートは。
ただもちろんではあるが、使用する対象が刈谷よりも強者である場合では成功する可能性が低いおそれがあるが、それでも敵の魔法の術式をいじることができるというのは実質魔法の無効化を意味している。
「これは使いこなせばかなりの代物となるね」
「......よくわからないけど、京君すごいってことだねっ!」
やはり、柳瀬は話についていけなかったようだ。
「柳瀬については後回しだが、この構成は前衛でも後衛でもいけるって感じか?にしても......」
「あぁ、......異様にVITが低すぎる」
この偏った構成は類を見ない存在である。
通常ならば魔法系統もしくは物理系統へと偏りを見せるのが基本である。
しかし、刈谷の初期ステイタスにはその偏りがあまり見られず、むしろVIT__耐久値が異様に低いという謎の偏りを見せている。これはなかなか見られない系統であり、どう転ぶのかはその人次第であろう......。
「にしても、なかなかトリッキーなステイタスであることには変わりないな。なかなか面白いな考察がはかどるぜ」
「はぁ、この考察厨は......如何してこんなんなんだよ」
「謎を謎のまましたくないだけだよ。......で、紫翠。お前の【ステイタス】も見せてくれるんだよな」
いや、別に俺見せるとは言ってないんだがなぁ。
実際、刈谷・柳瀬が勝手に【ステイタス】を開示しただけであって、睦紀はまだ一度も見せるとは言っていないのだ。
まぁ、別に俺だけ黙っているのもどうかとは思うし、結局見せるんだけどさ。
「別にいいが、そもそもまだ水晶取り込んでいないんだよね。ちょっとまってろ?」
「おまっ、興味ないからってまさか取り込んですらいないとは....。恐れ入ったぜ」
「よせやい、照れるだろ」
「....多分ほめてないと思うよ?紫翠君」
そんなやり取りをしている中、教室の歓声が人一倍大きくなった。
「な、なに?なんなの?」
「多分あいつだろ....ほんといけすかねぇな」
「イケメンはそういう星のもとで生まれた存在だし、そういうもんだろ」
周囲の声を聴いていると
どうやら、イケメン君__唐澤 速人の【ステイタス】がかなり強力なんだとか。
さらに唐澤の核が強力な攻撃スキルなんだとか。
なにそのチート主人公。
どうせ「あれ、俺何かしちゃいました」とかいうんだろ。
もう面倒くさいんだよなぁ、そういう人。
と、刈谷と睦紀は心底うんざりしていた。
ということで、考察厨の刈谷のステイタスでした。
コア・スキルがチートじみているのは仕様でございます。
まぁ、理由は話すかなぁ?
あと、がやの一人__イケメン君のコア・スキルは機会があれば話します(一応決まってはいます)