表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

淡い道路

作者: 奥野鷹弘

運転席に座るカレはボクにこう言った。

「どうだ、お前の空は今日は青いか?」て。


相変わらずのボクは右手を顎にすりつけながら車窓越しの空をを見つめた。





カレはもう一度、ボクに訊ねた。

「どうだ。青いか?」

「淡い。」ボクは合間無く応えた。

するとカレは信号が赤なのをいいことにいい気になって、ボクの横顔をマジマジと観てきた。

そんな展開を創造していなかったボクは照れ隠しをするように口を動かす。

「淡いって云っているでしょう??この空のように。澄んで雲一つもない、そんな中で木々や草花が色彩際立つ。なのに強く刺激をすることなく、逆に穏やか。あぁっ、もう何が言いたいかさっぱりわかんないっ、とにかく、ボクの思いもそんな感じだっ、、ていう話っ。ちゃんちゃん!」

「それ、、、俺、喜んでいい話か?」カレは口角を少し上げて二やけた。


そして前を向いて青信号になった道路にアクセルを踏んだ。


急発進した反動に思わずコクリと頷いたボクだったけれど、そんな出来事がなくても頷いたと思う自分がいる。そう『カレを笑顔へと誘う』。それだけで、他に何もいらない。枯れ葉舞うこの季節でも。




ボクがいることで、カレは旅を楽しめる。

カレがいることで、ボクは旅に出られる。



「んま、とにかく迎えに行って今日も良かったよ。」

カレはそう呟いてさらにスピードを上げる。



今日はより紅葉が深まっている場所へ。カレの故郷へ、お出かけらしい・・



『ん・・?』


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ