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第三話


「見て、ほら」

そう言って差し出されたのは、金色の切れた鎖。

「何?これが見せたい物?」

「うん。なんかこれ、すごい強い力があると思わない?」

「そう…かな…」

美咲はそっと触れてみる。

強く、優しい『気』。

「ね?すごいでしょ?」

若菜はにこにこ笑って、続けた。

「父さんのお友達からもらったんだって。え…と、純さんだったかな」

「ふーん…」

美咲はもう一度よく見てみた。

少し錆びていて、それでいて、鮮やかな光りを放っている。

「ね、これ少し借りていい?」

「いいけど…明日には返してよ?」

「うん」






美咲は家の前に立って考えた。

目の前にあるのは、赤い鳥居。

父が神主の美咲は神社の境内の家に住んでいる。

「これと同じ『感じ』。どこかで……」

考えながら、ふと物置に入ってみた。

いつもだったら絶対入らない場所。

「あれ?こんなのあったっけ」

倉庫の床に、捨てられたようにあったそれ。

それは、首飾り。

金の鎖にトップは星の紋。

かがんで拾い上げた瞬間、気づいた。

「これ…だ…」

同じ『気』だ。

切れた鎖と同じ『感じ』。

「なに…裏に何か文字……?」

暗い倉庫ではよく見えない。

でも、確かになにか書いてある。

しかし美咲は他の『言葉』を口走った。

それは知らぬはずの呪。


あずまの地に馳せし龍神よ、あおの色を持つ神よ、四神のあるじである我に神を使わせよ。出陣・青龍」


言った後で、美咲は瞳を見開いた。

「……え」

これは、なんだ。

「わ…っ…!?」

突然、倉庫の中に突風が起こる。

美咲はきつく目を閉じた。

「主…ね。そもそも神様なんて信じてないあなたが、どうして私の主なのかしら」

聞き慣れない、アルトだった。

恐る恐る目を開いた美咲は我が目を疑った。

「だ…誰……」

「なに。自分で呼んでおきながら」

それは、華奢な少女。

濃色な短い青の髪。暗がりでも解る、蒼の瞳。

袖の無い着物に丈の短い着物。

全て青で統一されている。

おそらく青以外受け付けない少女だった。

「あの…だれ…?」

美咲の再度の問いに、少女は微笑して答えた。


「青龍」


美咲と歳はさほど変わらないであろう外見。

だが、何か圧倒する威圧感。

「せ…青龍…?」

「そう。だって呼んだでしょ?私のこと」

「もしかして………」

あのネックレスが、これの引き金か。



青龍第二号誕生〜。

呼び方がややこしくなる…

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