107 探索者組合と新魔法理論
「ふーっ! 疲れた!」
会議室の次の間を出て、一つ伸びをする。
気を抜くにはまだ早いかもしれないが、言葉通りマジで疲れた。
気兼ねしない振る舞いに周りからは苦笑をもらったが、これくらいは許してもらおう。
さっき王に言われた通り、何から何までやるのがこの俺だ。
なんて、言ってはみたが「やる」と言ったところでできないんだけどな。
だからこそ周りの人の助けが必要なわけで、結局のところ皆の支援が必要な俺は、そう大層なもんでもないのである。
「さて、じゃあ戻りますか。ちょっと帰りがけに探索者組合に寄ろうとは思ってますが」
「さっきキンケイルの組合長が言っていた件だね。私はこのまま王都の研究室に戻るよ。君を助けるために、少しでも早く準備をしたいんだ」
師匠はくいっと眼鏡を掛け直しながら言った。
視線が鋭くてドキッとしたが、これはおふざけ無しのマジモードの時の表情である。実に頼もしい。
「準備のために、この聖女様を借りたいんだけどいいかい? さっき召喚に使った魔石を預かれば連れていけるのかな?」
「ええ、たぶんそうです」
即答したが、こういう有無を言わせないような物言いも師匠ならではだろう。彼女の場合「理屈で考えればそれが正解」なことがほとんどだから、俺もあんまり考えずに返答できる。
フェリシアは「え? うそでしょ?」とか言ってるが、彼女は反論できる立場にはないので、努めて無視である。
「えー……っとその、アルメリアさんと二人っきりってこと? リョウも一緒に来たらどうかしら」
「気安く名前で呼ばないでくれたまえよ、聖女様。私だって貴方へのわだかまりは解けたわけじゃないんだ。それと、君こそはリョウの負担を第一に考えるべきじゃないのかな?」
「うっ……。ほらリョウ、彼女ってば私にキツいのよ。ね?」
ね? とか言われて俺が助け舟を出すとでも思っているのか。
理屈で責める師匠にフェリシアが苦手意識を持っているのは分かるが、自業自得である。俺もこれくらいの意趣返しはさせてもらいたいところだしな。
「なに子供みたいなこと言ってんだ。大人同士、話し合って解決すればいい。心配するな、宝珠には俺がありったけ魔力を込めておくから、時間はいくらでもある」
「そんなぁ……むぅ……」
「それじゃ師匠、フェリシアのことは頼みましたよ」
「頼まれはしないよ、我々は大人同士だからね」
ニッコリ笑顔を師匠と交わす。
これでフェリシアも師匠からみっちり仕返しを受けてくれることだろう。
……いや、まあ。
もちろん分かってはいる。
彼女を酷い目に合わせたところで、俺には一切得なことは無いのだ。
ただ、いざチャンスが目の前に転がってくると、イジメというかイジりというか、つい仕返ししてやろうという感じになってしまうのは仕方ないよな。師匠も面白がって同調してくれるし、彼女らが研究の準備をするのは必要事項だから、今回ばかりはおとなしく仕返しされてもらうことにしよう。
「じゃ、俺たちは行きますね」
「ああ。また何かあれば研究室まで来てくれたまえ。それと、今日の話し合いの結果は聖女様が報告してくれるだろう」
「分かりました」
うなだれるフェリシアを横目に、師匠とそんな風に言葉を交わして、その場を後にした。
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「……行ったかな?」
「ええ、行ったみたいね」
そう二人で言いながら、リョウたち一行がイリスに連れられて通路の先に消えるのを見送った。
この口調、この一回のやり取りだけで分かってしまう。
さっきの彼女の下らない振る舞いが、演技であったことが。
「少しクサかったんじゃないか? 彼も面白がってはいたみたいだけど」
「そうかもね……まあ、バレたって構わないわ。それ込みで、リョウなら理解できるはずだもの」
「まあ、それもそうか」
彼のことで知った風な口をきかれると、少々腹が立つなあ。
もちろん事実を言えば、彼女以上に彼のことを知っている存在は居ないのだろう。けれど、彼を本当に理解しているのは私たちだ。それは彼女に何を言われようと、譲る気はなかった。
「ごめんなさいね」
「何を謝るんだい? リョウのことなら、リョウに謝るべきだろう」
「違うわよ。これだけ彼のことを気にかけてくれるんだもの、私の物言いは気に障るだろうと思って」
見透かされてる……か。
そりゃあまあ相手は千年自我を保っている存在だ。
このくらいの思考なんて、読めて当たり前と言えば当たり前だろうね。
「それで、今後もこの茶番は続ける気かな? だとしたら私もありがたいんだけれど」
「いや、今日ので懲りたわ。貴方とリョウのコンビを放置したら、それこそずっとイジメられそうだもの。今日の話し合いで貴方と和解したってことで、次からはナシね」
「ほおう、じゃあ和解しなければいいわけか」
研究室に近い出口に向かって歩きながら、フェリシアとそんな風に下らない会話を続けた。
リョウの言った通り、彼女は千年生きたただの人間。
それを心底理解できる、とても下らなく、安穏とした時間だった。
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王城の出口でイリスさんと別れ、キンケイル探索者組合に足を向ける。
出口とか門とかなんか見慣れないなあと思ったら、よく考えたら転移で直接王城の中に来たんだったか。
通ってないのだから見慣れないのは当然だ。と言うかつい数時間前のことなのに忘れすぎだろ。御前会議の内容が濃すぎて、脳みそが煮えたぎってるなこれは。
「なあ、どっかの屋台で甘いモンでも買ってこうぜ」
「良いっすねえ。俺も立ちっぱなしで疲れてたとこっすよ」
トビーに適当に提案してみたら、ヤツも同じ気持ちだったようだ。
後は他の同行者たちだが……。
「お二人もどうです、王都の甘味でも。探索者組合に付き合わせることになりますし、奢りますよ」
「よろしいんですか? では、ぜひ」
「私も……よろしいのですか?」
アトラさんは甘味と聞いて華やいだ笑顔を浮かべた。
従者のエルフ、ホランドは、自分にも話が向いていると気づいて驚き顔である。
「そりゃもちろん。トビーですら食うんですから、ホランドさんにだって奢りますよ」
「ご主人、俺も当然オゴリっすよね?」
「わーってるよ」
オゴリだのなんだのうるさいトビーだが、俺が居ない間に生活費云々を稼いでいたのはトビーたちだから、実質トビーの奢りとも言える。気づかれたらきっとドヤ顔になるだろうから言わないが。
俺たちは探索者組合に歩みを進めながら、適当な屋台でグラムリートを四本購入した。
これは穀物粉を水で練って棒に刺し、それをたっぷり砂糖を入れた豆(っぽいもの)を裏漉しした餡で包み、焼いて熱を通した食べ物である。棒状の餡饅の、餡と生地が逆になったバージョンと考えれば分かりやすいか。
餡を外にして焼き目をつけるってのが日本人の記憶を持つ俺としては違和感あるが、焦げ目のついた餡ってのも中々イケる。というか今の俺にとっては砂糖万歳だから、なんでもイケるのだが。
「ふわぁ、甘いです!」
「ほう、これは悪くない」
アトラさんとホランドさんは、グラムリートを食べて、まるで主従が逆になったようなリアクションをしていた。
どうもホランドさんの方が舌は肥えているようである。
聞いてみるとやはり、樹人族は食事に結構こだわる種族のようだ。ただ自然の甘味とかを残す傾向にあるため、人間の使う砂糖のような精製・濃縮した調味料を使う文化はあまりないらしい。そんなホランドさん的にも、素材の味を残しつつ、強い甘みのあるグラムリートはお眼鏡にかなったようだ。
アトラさんは巫女と言う役職上、普段精進料理みたいなのを食べてるようで、しきりに感動していた(ホランドがグラムリートを半分奪われていた)。
めちゃくちゃ気に入ったようなので帰りに買っていくことにし、シータたちへ買う土産の話もしつつ、俺たちはキンケイル探索者組合へとたどり着いた。
「へぇ、マイトリスより立派な建物ですね」
「まあそうなんですけど、マルティナさんの前でそれ、言わない方がいいですよ」
キンケイル探索者組合について率直な感想を述べるアトラさんに、そう忠告しておく。
森の民の使者に対してどんな対応をするかは未知数だが、俺が同じことを言ったら確実に血祭にされる内容だ。くわばらくわばら。
「いらっしゃいませ、ご依頼ですか?」
何も持たずに受付に行くと、今は一張羅を着てるからかそんな風に迎えられる。
というかこの桃色髪の女性、見たことあるぞ……いやあえて触れんが。
「エイトのチームを探してまして、今日は来てましたか?」
「ええ、本日も探索に出ておりますよ。予定だと……もう少しで帰ってくるみたいですね」
彼女は俺の方を覚えて無いようだ。
何かの書き付けを確認しながら、丁寧にエイトの予定を教えてくれた。
「じゃあ、少し待たせてもらいますよ」
「では空いている席があちらにありますので、どうぞ」
終始丁寧な態度で応対されて微妙な気持ちになりつつ、アトラさんたちと連れ立って空いているテーブルの席につく。
そしてしばらく雑談しながら待っていると、目的の連中が帰ってきた。
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「あー、終わった終わった! ……お?」
「お!」
くたびれた様子で探索者組合に入ってきたエイトが、入り口近くのテーブルの席についていた俺に気付く。
俺も同時に気付いて視線が合い、お互い間抜けな感嘆符を上げるに至った。久方ぶりに合う人間の反応なんてこんなもんである。特に向こうは完全に想定外の再会だろうしな。
「リョウじゃねーか! 久しぶりだな!」
「こっちこそ久しぶり。元気にしてたか? 一回マイトリスに来てくれてたんだろ、タイミングが合わなくて悪かった」
「それに関しちゃ、すれ違いだったな。まあ、足代も出てたし気にすんなよ」
報告をチームの仲間に任せ、こっちに近づいてきたエイトと挨拶を交わす。
俺が試練で迷宮に入っている時に一度マイトリスに来てくれていたことを謝罪すると、彼はカラカラと笑った。彼らにとってはそれも王立探索隊の任務のひとつ、ということにしてくれているらしい。彼は気にするなと言うが、これは個人的な貸しということにしておこう。
エイトの後ろに視線を移せば、彼のチームは少しメンツが変わったようだ。俺の知っている他のメンバーは、魔法使いのロミノと斥候のシュミットくらいだろうか。シュミットは知らないメンバーを引き連れて受付に向かったので、エイトと共にこちらに来ているのはロミノだけである。
「ロミノも、久しぶり。元気だったか?」
「ええ、まあね。それよりアンタ、しばらくここに居るわよね? エイト、ちょっと引き留めててくれないかしら」
「あ? おう、あれか。まあしばらくここで話してるから、早めにな」
ロミノはそう言ってどこか焦ったようにさっと立ち去り、エイトも分かったような口ぶりでそれを送り出す。
全然状況はつかめないが、その辺はエイトに聞けば分かるだろう。
そうして彼に事情を尋ねれば、どうもロミノが俺に渡したいものがあるらしい。
「なんだよ、渡したいものって」
「へっへへ、実は新しい魔法の論文らしくってな。俺たちも協力したんだぜ? 迷宮攻略のために開発された魔法だから、今のお前には絶対役に立つはずさ。……ってか、ところでよ」
耳打ちするようにエイトが顔を近づけてくる。
こちらも耳を向ければ、小声で「迷宮の奥でなんかヤベえ敵と戦うらしいがマジか?」と言われた。邪神云々はまだ知らないまでも、俺が何かと戦うことは知っているらしい。
「誰かからなんか聞いたのか?」
「ウチの組合長から少しな。まだチームのやつらにも話しちゃいないが、こっちにもお役が回ってくるらしいって聞いたぞ」
キンケイルの探索者組合長も気の早いことだが、エイトたちは立場的にも、ほぼ確実に仕事が回ってくることだろう。とはいえ今日まさにその大方針が決定したところな訳で、俺からここで話をしていいのかは悩ましいところだな……。
「いや、悪い。その反応で何となく分かったよ。話しにくいこと聞いちまったな」
俺が悩んでいると、返答を手で遮るように突き出してエイトが言った。
その後独り言のように「探索者組合だけじゃ済まない話ってことかぁ」と呟いていたので、大枠は正解と言ったところだろう。見かけによらず有能なやつである。
その後は、互いに当たり障りのない近況報告を主とした雑談で時間をつぶした。
俺の方は竜殺しとか言う一大トピックもあったが、魔法三技能のことを大々的に話してない関係で、話の内容がかなり淡白になってしまったのは残念である。俺の『聖騎士』叙勲の話が広まれば隠す必要は無くなるので、そうなったら改めて自慢させてもらうことにしよう。
そんな感じで、待つことしばし。
アトラさんたち森の民にもエイトが興味を向け始めた頃合いで、ロミノが探索者組合へと戻ってきた。
「あ、ちゃんとまだ居たわね」
荒らげた息を整えながら、そんなことを言う。
どうも走って取りに行っていたらしい。
「そんな急がなくても逃げやしないのに」
「そんなの分からないじゃない。……って、それよりこれよ!」
汗で額に張り付いた髪を拭いながら、一つの紙束を差し出す。
「これが新しく作った魔法の論文か?」
「何で知って……まさか!?」
「エイトに教えてもらったんだよ」
受け取った論文を紐解きながら言うと、ロミノは真っ赤になって「何で先に言うのよ! バカじゃないの!?」とエイトをベシベシ殴り始めた。
内緒にしておいて俺を驚かせたかったのだろう。可愛いことである。
「いてっ、ちょっとやめろって、悪かったよ!」
「驚かせようと思ったのに!」
「興味を持たせた方が引き留められるって思ったんだよ!」
そんな二人のじゃれあいを横目に論文を読み進めていく。
ロミノが言ったように、魔法を新規開発って聞いた時は内心かなり驚いていたのだ。その直後俺が迷宮の奥に挑む話に移ったから、言葉には出さなかったが。
正直なところ、魔法を新しく作るなんて魔法学園を卒業した程度の人間にできることじゃない。マイトリスで出会ったフレッドたちだってそんなことはしていなかった。師匠と交流を持つに至ってなんとなく知ったことだが、教授やそれを目指すような人間が、時間と手間を費やして行うことなのである。
それを考えれば、探索者をやりながら論文ひとつまとめ上げるロミノの才覚たるや。実地の検証がその場でできる立場とはいえ、師匠のもとで術式をかじったからこそ分かる。魔法開発は片手間でできる産物じゃないのだ。
そんな凄いロミノの作った論文の内容は、と言えば。
端的に言って、これはやばい。
「お前、これ……」
「あんたなら分かるんじゃない? この魔法の凄さが」
「ああ、これは凄いなんてもんじゃないぞ。……これ、学会にはもう提出してるのか? 読んどいてなんだが、俺が先に見ていいようなもんじゃないだろ」
「提出はもうしてるわ。でも最近ちょっと審査機関の動きが遅いのよね……この論文は閉鎖実験系の情報が無いから、論理承認で出したんだけど。解放実験系の情報はもう揃ってるから、そっちが終わったらすぐ魔法大全に載せられるのに、まったく学会は何をやってるのかしら」
ロミノがめちゃくちゃ早口でそう語る。
そうか、学会は今魂魄魔法で……って、今はそれじゃない。
この魔法論文の内容だ。
魔法の術式は魔法使いのメシのタネ。
それを承認前に見せてくるのもそうだが、そもそもこの論文は魔法そのものに価値があるものじゃない。以前に学会を騒がせた師匠の「術式変数」「連結術式」と同じように、術式構築における新理論となりえるもの……つまり、いくらでも応用の利く代物なのである。
「人呼んで『崩壊術式』。エイトたちの命名だけど……どう? 使える理論でしょ? それでね……」
発案者による怒涛の(当然めちゃくちゃ早口での)解説が始まり、並列思考・情報処理をフル活用して同時に論文に目を通しながら理解しようと努めたが、この魔法理論はやはり凄い。
語りたくなる気持ちも分かるというものだ。
彼女の構築した理論、それは術式を意図的に不安定化させ、暴発と言う形で瞬間的に魔法の威力を高めるものであった。
活用例としての術式名は「不安定化・魔法付与」で、武器が相手に当たる瞬間にエンチャントを爆発させるというものだ。もちろん爆発の後はエンチャントは解除されてしまうが、迷宮内で強力な魔物と相対した時、切り札になりうるものである。
「……と、言うわけよ。それでこの不安定化にも法則があって、それを制御・指向化させるために私が」
「ちょ、ちょっと待てロミノ! ストップ!」
このまま論文の内容を全部話しそうな勢いだったのでひとまず止めに入る。
語りをインターセプトされたロミノは憮然とした表情だ。
「一から十まで話されても細かいことは全部分からないって」
「ふーん……ま、そうね。あんたでもそうすぐには理解し切れないでしょうね、この理論は」
と、言っているロミノの表情は一転してご機嫌である。
以前のように彼女からライバル認定されているのが理由かもしれないが、正直魔法開発の点では一切彼女にかなう気がしない。というか研究の方が天性なんじゃなかろうか。ちょっともったいないな。
「それで……なんでこれを俺に? しかも承認前に見せてくれるなんて、俺は助かるけど、ロミノにメリットないだろ」
「承認機関の動き遅いってのもあったけど、あんたに渡せば、あんたのお師匠さんにも見てもらえるかと思って。それにこの魔法は探索者が使ってこそ。本当は竜の討伐の前に教えてあげたかったくらいだわ」
「なるほどな。確かに師匠に見せれば、色々活用方法を思いついてくれそうだ」
「って言うか、そっち経由で承認ねじこめないかしら?」
「もちろん、それも頼んでみるよ。活用するにしたって、ロミノの名前で使わせて欲しいしな」
「嬉しいこと言ってくれるじゃない。じゃあ、お願いね」
まあ実際のところは師匠を経由しつつ、俺の名前と王からの圧力を添えてのねじ込みになると思うが。
それをためらう気が無くなるくらいの魔法であることは間違いない。魔法学会の人たちはこれからしばらくデスマーチになりそうが、そこは頑張ってもらうしかないだろう。
「確かに渡したからね? 次に会った時に使ってなかったら泣くから」
「馬鹿言うな、そんなもったいないことしないよ」
「それならいいけど」
ロミノとそう交わして、俺たちは探索者組合を後にした。
エイトは他に何か言いたそうだったが、まあ放っておいてもいいだろう。
彼が聞きたそうだった邪神討伐(対外的には迷宮踏破になるのだろうか)については、ここで話さずとも追々情報が回ってくるだろうし、その件で改めて会うことにもなるはずだ。
「とりあえずは、師匠のところにこれ持っていくか」
俺だけのところに留めておいていい情報ではない。
トビーやアトラさんたちは適当な場所で待ってもらうことにして、俺はひとっ走り師匠の研究室に向かうことにした。





