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第72話


 「すらざえもんはぶんり、へびえもんはとりあえずたいき。いいか?」


 「御意」


 「かしこまりました!」

 

 スラ左衛門は分離をした。

 大きくなってる分、分離後の数も増えている。


 「すらざえもん、あのむれをゆうどうしてあつめて」


 「お任せを」


 分離したスラ左衛門はスノウウルフの群れに向かった。

 





———————————————————————————






 「ラビは大丈夫なのか?」


 ニールは少し心配していた。

 知識があるとはいえまだ子供。

 Dランク相当もモンスターの群れを相手に無事でいられるのか心配なのだ。


 だが、その心配は無い。


 「ああ、もちろんだ。あんな子供だが、勘と判断力はイイモンを持ってる。俺の武器がある上にあいつらも付いてるんだから負けはない」


 「スライムさん達も強いんですか?」

 

 「進化してからはまだ力は見てねーけど………」


 そう言えばあの2匹の鑑定はまだしてなかった。

 試しに見てみよう。



———————————————————————————


 

 スラ左衛門



 ラージスライム《召喚魔獣》



 HP:1500


 MP:400


 攻撃力:700


 守備力:670


 機動力:760


 運:10


 スキル:分離Lv.3/変形Lv.3/巨大化Lv.2


 アビリティ:なし




———————————————————————————





———————————————————————————



 ヘビ右衛門



 ポイズンサーペント《召喚魔獣》



 HP:1800


 MP:300


 攻撃力:650


 守備力:680


 機動力:800


 運:10


 スキル:超視覚Lv.3/毒生成Lv.4


 アビリティ:なし




———————————————————————————



 モンスターの特徴として、まずHPが人より高い。

 他は種族ごとに違いはあるが、これだけは例外を除き共通している。


 「………ほー、なかなかの強さだ」


 俺はボソッとそう言った。

 鑑定のことは誰にも言ってない。

 そこから万が一でも身元がバレたらめんどくさそうだ。


 「それなりに強いと思うぞ」


 俺はそう返事した。




 



———————————————————————————






 「グルルルルル………バゥッ!」


 スノウウルフは分裂体に飛びついた。

 しかし、分離体はスノウウルフの股の間を簡単に抜けて行った。


 「くすくす。そんなに慌てても捕まえられませぬよ」


 器用に避けていく分身体。

 余裕だ。


 「グルフルルルルルル………………グギィ!」


 だんだんイライラしてきている。

 自分が今遊ばれているということを理解したらしい。


 「さぁ、私はここでございまするよ。ほらほらほらほら」


 コツを掴んだようで、ギリギリで動けるようになっている。

 さらに翻弄するスラ左衛門。


 「オォーーーーーオン!」


 スノウウルフは捕まえられないと踏んで周りの仲間を一気に集めた。


 「かかった! すらざえもん、そのままいどうしてくれ!」


 スラ左衛門は、集団を誘導して所定の位置に移動する。


 「へびえもん、こしにまきついて、とけるやつじゅんび」


 溶けるやつとは、以前見た溶解液だ。



 「了解!」


 ヘビ右衛門は、ラビの腰に巻きついた。

 それなりの重量はあるが、ラビのステータスなら問題ない。


 「よし、あと10びょう、………………3、2、1」


 ラビはダガーを投げ、着地地点から磁力でつなぎ、再び地面に埋め込んだ。


 「0!」


 磁力を使って飛んで行くラビとヘビ右衛門。

 スノウウルフの群れまで一気に飛ぶ。


 「すらざえもんさんかい!」


 スラ左衛門の分身は速やかに避難した。

 そして、


 「へびえもん!」


 「すーっ………プシューーーー!!」


 ヘビ右衛門は溶解液をばら撒く。

 それらはスノウウルフ達に降りかかり、確かなダメージを与えた。

 スノウウルフは集団でバタバタしているため、混乱状態になった。


 「いっせいこうげきだ!」


 ラビは着地するとすぐダガーを引き抜いて攻撃を始める。ヘビ右衛門とスラ左衛門もスノウウルフを攻撃し始めた。


 「クォオオオン!!」


 袋叩きだ。

 その場で一気に4体ほど魔石に変わった。


 しかし、流石にこれで終わるほど甘くはない。

 外に逃げたスノウウルフ達は、2匹で1組になって、スラ左衛門とヘビ右衛門を襲った。


 「くっ………分離します!」


 スラ左衛門は分離してさっきと同じ状況を作ろうとした。

 しかし、2匹いるので、分身体では捕まってしまう上に歯が立たない。


 「すらざえもん! いったんもどって! へびえもんもこうたい!」


 一度退く。

 スノウウルフ達の売りは素早さだ。

 固まっているとその利を生かせない。

 しかし、2匹で組むと、そのスピードを生かした攻撃を展開してくるので厄介である。


 「しょうがない。もういっぴきだそう」


 ラビはこの前のステータス強化で、出せるモンスターが増えたのだ。

 それも一気に6種類ほど。

 しかし、召喚には相手の合意が必要だ。

 まだその辺りをきちんとできていない。

 だが、1匹はすぐに出せる奴がいる。

 ラビはそいつを召喚した。


 「ゴーレム!」


 魔法陣が現れ、そこから影が出現する。

 影は徐々にはっきりと写り、ゴーレムが現れた。


 「うおおおおおお!!!!」


 小型ゴーレム。

 人工ゴーレムではない、モンスターとしてのゴーレム。


 「よし! おまえのなまえはごれぞうだ!」


 ゴレ蔵。

 また和風な感じの名前だ。

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