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第71話


 「スノウウルフ。氷属性の攻撃をしてくるから注意しろ」


 モンスターにも属性持ちがいる。

 体内に流れる魔力が初めからその属性になっているのだ。

 代わりに他の属性は使えないが、魔力の使用と同時に氷属性の攻撃を行う。


 「属性持ちは今まで戦ったことが無いですね」


 「武器の練習であると同時に、属性持ち相手の練習になるクエストだ。お前ら二人はここで目一杯経験を積んどけ」


 「「はいっ」」


 この先ランクが上がるごとに特殊な敵も増える。

 これはそれの第一歩だ。


 「俺とニールはとりあえず引っ込んどくから、お前らで倒してみろ」


 「リンフィア様、お気をつけて」


 少し後退して様子を見る。

 リンフィアの初Dランクなだけあって、流石にニールは緊張している。


 「ああ………心配だ」


 「大丈夫だろ。あいつはちゃんとDランクの実力はある」


 「うるさい戯け者!」




 「じゃあ、ワタシがさいしょにつかう」


 ラビが一歩前に出た。

 モンスター相手の、いや、そもそも実戦は初めてだ。

 だが、今のこいつなら戦えるだろう。


 「おねえちゃん。ぶきのしうんてんがしたいからさいしょはひとりでもいい?」


 「大丈夫?」


 「だいじょうぶ」


 確かにいきなり連携というのも難しいだろう。


 「よし、じゃあ行ってみろ。使い方はわかるな?」


 「うん」


 ラビは指輪を嵌めた。

 ダガーに魔力を注ぐ。


 「シャッ!」


 ダガーを前に投げる。


 「オォオオオン!」


 スノウウルフは軽々と横に避けた。


 それと同時にラビは指輪に魔力を注ぐ。

 指輪に魔法陣が現れた。


 「やっぱ分かってんな」


 結合開始。

 ダガーと指輪の間に魔法による磁力が生じる。

 磁力といっても、ダガー以外の鉄は引き寄せない。

 

 「せーのっ!」

 

 ラビは指輪を嵌めた手を横に振った。

 ダガーがそれにつられて、横に逸れる。

 それは当然、真横にいるスノウウルフを斬りつけた。

 

 「キャイィン!?」


 ラビはそのまま横に押し込んで、スノウウルフを引き摺る。

 ラビ自身重さは感じているが、ステータスが強化されたことによって力が強くなったので、軽々と動かしている。


 ラビは一旦ダガーを引き抜き、上に持ち上げた。


 「やっ!」


 ダガーは、そのまま脳天に突き刺さる。

 力尽きたスノウウルフはそのまま魔石になった。


 ラビの初白星だ。

 リンフィアの様にショックを受けることは無かった。

 後で聞いたら、そういうのはわりきれってははうえからいわれた、と言っていた。

 なるほど、その辺りはちゃんと教育していたらしい。


 「すごい武器だな。なるほど、高性能だ」


 「自慢の一品だ。つってもまだ3つしか作ってないし、このレベルなら魔法武具職人とあまり変わんねーけどな。リフィには別だけど。おっ、もう動いてる」


 ラビは1匹倒したと思ったら、もう次の行動に出ていた。

 刺さったダガーを再び引き抜いて、今度は、地面に突き刺した。


 「フゥッ!」


 指輪に魔力を注ぎ、ダガーの方に飛んでいく。

 スピードはだいぶ早い。

 ラビはそれをちゃんと利用していた。


 「セイッ!」


 勢いを乗せて、軌道にいるスノウウルフを思いっきり蹴飛ばした。

 到着時に蹴り飛ばしたスノウウルフの方向に攻撃を与えた。


 「お、上手いな」


 そのまま2匹目も撃破。

 数が増えて来たので一度後退する。











 「ししょう、かったぞ!」


 俺はわしゃわしゃと頭を撫でた。

 

 「おう、おめでとさん。ちゃんと使いこなしてるじゃん。そろそろあいつらも出して戦ってみ?」


 「わかった!」


 ラビは、スラ左衛門とヘビ右衛門を召喚した。


 「やぁっ!」


 ある程度慣れたら連携の練習をさせようと思っていたのだ。

 

 「よーしお前ら。聞いてただろうがラビと戦って………………お?」


 何かが違う。

 これは進化している。

 ラビが成長したことで、こいつら自身も強くなったのか。

 スラ左衛門はただのスライムからラージスライムに、

 ヘビ右衛門はただのサーペントからポイズンサーペントに進化している。


 「進化してるじゃねーか。見違えたぞ」


 「ラビ様のお陰でございまする」


 「シャーッ、ラビ様の成長で我々も成長したのだ」


 「ふたりともすごいぞ」


 ラビは2匹ともを撫でた。

 こいつらも嬉しそうだ。


 「モンスターが喋ってる………」


 「そうか、お前らには紹介してなかったな。ラビ、紹介してやれ。後こいつらは敵じゃないから絶対退治するなよ」


 「わぁ、モンスターって仲間になるんですね」


 「出来るけど、こいつのは一般のテイムとはちがうからな」


 普通のテイムは、ある程度の力の差があるモンスターを特定条件下に持っていって、テイム用のアイテムを使うことで仲間にできる。

 だがこいつのは召喚魔法。

 自分のレベルに応じて数や強さの上限こそあるものの簡単に召喚できる。


 「おねえちゃんたち。しょうかいする。すらざえもんとへびえもんだ。よろしく」


 2匹はそれに合わせて頭を下げた。


 おっと、悠長に話してる場合ではない。

 まだ残ってる。


 「よし、じゃあ戦ってこい」


 「わかった」


 今度はこいつらと一緒の戦闘だ。


 「いくぞ」

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