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第62話


 「よし、後はこれだけ………」


 手元にあるのは、完成した銃。

 形状はどこにでもあるようなありふれたデザイン。


 だと面白くないので、先端にナイフを付けてある。

 一応近接戦闘も教えているので、敵が懐に入ったらこれが使える。

 ちなみに収納可能で、耐久力も高い。


 そして、残るは銃弾。

 しかし、これは簡単だ。

 なぜなら、火薬などは必要ないからだ。


 これは銃にかけた魔法で弾が発射される仕組みにしてある。

 火薬の代わりの炎魔法。

 それに加え雷魔法で加速。

 飛距離も重力魔法で伸ばしている。

 さらに重力魔法で反動を大分抑えるのでリンフィアでも楽に使える。

 だが、これだけでは弾が保たない。

 なので、強化魔法を弾につけるように、付加魔法を付加する。

 付加魔法の付加。

 間接的に魔法をかけるための技術。

 魔法自体に魔法を組み込む必要があるので、高等技術とされている。

 使い捨ての弾なので声で攻撃は可能だ。

 

 「弾は大量生産したいから………鋳型を作るか」


 耐熱性のある金属が必要だ。

 それはすでに買ってきているので、後は型を作るだけ。


 「後、一息」










———————————————————————————









 「すらざえもん。やってくれ」


 「本当によろしいのですか」


 「うん。たのむ」


 「承知いたしました。では、参りまする!」


 スラ左衛門は飛んだ。

 これも強くなるためと耐え忍び飛んだ。

 そして、


 「うわっぷ」


 ラビの頭に着地した。


 「すらざえもん。そのままワタシにそってかたをつくってく………ごぼぼぼぼ」


 今やってるのは、スラ左衛門もんの変形の練習である。

 これが、今後のラビの修行に必要なのだ。

 俺のいない間に、ラビの戦闘訓練に付き合えるのはこいつらだ。

 対モンスター戦闘はできても、対人戦闘出来ない。

 なのでこうやって、スラ左衛門が人型になることで、対人戦闘が出来るようになるのだ。

 だが今は、まだそれよりもこの2匹の強化の方が優先だ。

 どちらにせよ、とっておいて損はないので覚えさせる。


 「ぷはっ! こんどはできそうか?」


 「はい、なんとか保てそうでございまする」


 スラ左衛門はギリギリ人型になっている。

 最初はこんなもんだ。

 慣れてくると完全に変身できるのでいつかは覚えさせたいところだ。


 「おお、やったな! すらざえもん!」


 「はい! スラ左衛門めはついに変形を覚えました!」


 とはいえ、かなりギリギリの人型だ。

 

 「うごけるか?」


 「動いてみまする」


 スラ座衛門は歩いてみせた。

 こんな形だが、機能的には問題無いらしい。

 この後も、走ったり跳ねたりしてみたが、難なくこなした。


 「じゃあさ、へびえもんとたたかってみてー」


 「シャーッ、ラビ様。流石にまだ早いのでは?」


 「いや、戦いまする。ヘビ、私も試したいでございまする」


 「しょうがない。戦おう」


 どうやら決まったらしい。

 さてどちらの方が強いのやら。

 

 「いくよー。はいよーい、ドン!」








———————————————————————————








 弾もちゃんと入ってある。

 後は付加魔法で魔法をつければ完成だ。


 「さぁ、仕上げだ。まずは、重力魔法からだ」


 付加するのは、重力三級魔法【アンレジスト】だ。

 これは、投擲武器などを投げた時に速度の減少を無くす魔法だ。

 弾かれたり、止められたりするまでは絶対に止まらない。

 これを使えば、遠距離も狙える。



 銃に紫色の魔法陣が発生する。

 これは付加魔法をかけると起きる現象だ。

 

 


 「次に雷魔法」


 雷二級魔法【レールガン】

 電気により、対象を加速させる魔法。

 例えば、弓兵がこの魔法を弓にかけると、矢が通常の数倍の速度で飛んでいく。

 これを銃にかけるとなると、その速度はライフルの域まで達し、威力も上がる。

 


 銃に黄色い魔法陣が発生する。

 雷魔法も付加できた。



 「今回は炎魔法」


 炎三級魔法【フレア】

 魔法による爆発を引き起こす。

 ファイアボムの上位互換だ。

 この魔法の利点は、爆発の向きや大きさを調節できる事。

 小さく強い爆発や、大きく弱い爆発と調整が可能。

 これが火薬がわりだ。



 赤い魔法陣。

 成功だ。



 「もう一回、重力魔法だ」


 重力二級魔法【クラッシュキャンセル】

 この魔法は、衝撃を消し去るという効果がある。

 例えば、飛び降りた時にこの魔法を使えば、落下時の衝撃を消すことができる。

 ただし、消せるのは素手で触れたもののみ。

 だからこれで、発砲時の反動を消す。

 音の波も消せるように、二重に付加する。


 再び紫色の魔法陣。



 「最後はこれだ」


 強化三級魔法【ソリッドアイテム】

 物質の硬度を上げる。

 これで魔法の衝撃にも耐えることができる。

 これを付加魔法に組み込む。


 すると、無色の魔法陣が発生する。

 付加成功だ。

 後は、少し術式に手を加えて調整を入れ、起動が滑らかになるように調整をした。


 それはこの銃の完成を意味していた。




 「………出来た。出来たぞ! ははは! 完成した!」


 ついに完成した。

 時間を見ればさほど掛かっては無い。

 しかし、1日の殆どを作業に費やし、寝る間も惜しみ、4日かけてようやく作った。

 途轍もなく嬉しかった。

 歓喜に満ち満ちていた。


 「さあ、試し撃ちだ」


 俺は、木の上に登って何か的を探す。

 すると、いいのがあった。


 「あれだ」


 森の奥に木が見える。

 端っこのひときわ高い木。

 あれを狙おう。



 

 俺はトリガーに指をかけ、魔力を込める。

 付加魔法展開。

 先ほどつけた魔法が正常に作動する。


 「さて、威力はどんなもんかな?」


 

 俺はトリガーを引き、記念すべき第1号の試し撃ちをした。




付加内容に炎魔法を付け加えました

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