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第42話


 「さて、街に行く前に一つ確認だ。ニールはリフィと一緒に行動するってことでいいんだよな?」


 「当たり前だ」


 「と言うことは今日からこのパーティで動くのか?」


 俺はチラッとリンフィアの方を向いた。


 「はい。それがいいです」


 「リンフィア様の望みなら私は構いません」


 「わかった。じゃあ、ギルドにパーティ申請出すからな。そっちの方が何かと便利そうだし」


 という事で、俺達のパーティは今日から3人となった。


 「この洞穴はどうする?」


 「どうもしない。生活用具だけ回収して後はそのままにしておく」


 「じゃあ寄越せ。収納しとくから」


 俺は【アイテムボックス】を使い、家具を収納する。


 「む、お前は【アイテムボックス】が使えるのか?」


 「ああ」


 「それに無詠唱………あの剣技といい、魔力といいどうやってそこまでの力をつけたのだ?」


 「あ? あー、知恵?」


 「ハッ、適当な事を………」


 いや、だって本当だし。


 説明するのが面倒なので簡単に言ったら適当だと言われた。

 まあ、適当なんだけれど。




 俺たちはフェルナンキアまで戻った。








———————————————————————————








 「おい、見ろよ。女王だ」


 「うわっ、本当だ。しかも兜とってる! 滅茶苦茶美人だな!」


 「横の女の子は確か、この前来てた娘だ。こっちも相当可愛い」


 「なんなんだあの男は。羨ましいにも程があるぞ。きっと紐野郎に違いない」


 「なあ、あいつぶっ飛ばしてあの二人誘わね?」



 ああ、物騒だ。いや、慣れてるけどね。蓮と琴葉と一緒に居れば大抵こんなだし。つーかこっちに来てまでこうなるとは思ってなかったぜ。




 「お前ら目立つからそこで待ってろ」


 俺は一人で受付に行った。


 「はいよ、ゴブリンの魔石だ」


 俺は【アイテムボックス】から魔石を取り出して納品した。


 「はい、確かに。初クエスト達成おめでとうございます」


 マイはにっこりと笑った。

 慣れたものだなと思った。


 「報酬はこちらになります」


 銀貨4枚だ。


 貨幣の価値は一番低い銅貨から順に銀貨、金貨、白金貨、王金貨と高くなっていく。


 銀貨は銅貨10枚分。

 金貨は銀貨100枚分。

 白金貨は金貨1000枚分。

 王金貨は白金貨10000枚分。


 白金貨を持ってるのは限られた貴族や王族。

 王金貨はこの世に数枚しかないらしい。


 ちなみに宿一泊で大体銀貨1枚。


 今の所持金は金貨1枚と銀貨24枚だ。

 国王から貰ったのは金貨2枚なのでもう結構危ない。

 早く稼がねば。



 「あ、それとクエスト受けた森でモンスターバブルが発生したって言っといてくれ。大量のゴブリンロードが湧いた」


 「ゴブリンロードのモンスターバブルですか。わかりました。報告しておきます」


 「一応全部討伐したが、魔石は森ごと吹き飛ばしちまった」


 「森ごっ………はぁ、無茶苦茶しますね。あなたならあり得ると言えるのが恐ろしいですよ」


 マイはやれやれとため息をつく。

 確かに森ごとと言うのは大惨事だ。

 それは悪かったと思う。


 「それともう一つ」


 というとマイが怪訝そうな顔で、次は何やらかしたんだと言わんばかりの表情になった。


 「いや、何もしてねーよ。この3人でパーティ申請させてくれ」


 「3人? リンフィアさんの他にパーティに入れたんですか?」


 「あれだ」


 俺はニールを指した。


 「何だ、まだ終わってないのか戯け」


 「戯けてねーし」


 「なっ………! ニールさんですか! なんてパーティ。この顔ぶれじゃ、勇者も怖くないですね」


 「! 勇者って魔王討伐のために召喚されたあの勇者か?」


 「それ以外に何があるんですか」


 もうそんなに広まってるのか。

 指名手配とかされては無いと思うが、ここでバレたら面倒なことになりそうだ。


 「それはさておき、パーティ申請ですね。あなたとリンフィアさんはGランク、ニールさんはSSランクなのでパーティ平均ランクはDとなります」


 平均ランクとは、ランクを仮に数字にするなら、最高のSSSを1、最低のGを10とするとパーティ全員の数値の平均をパーティ平均ランクという。

 この場合俺とリンフィアは10、10で20。

 ニールは2なので、合計は22。

 平均は約7。

 つまりDなので、パーティ平均ランクはDとなる。


 「なお、パーティで受けれるクエストはDまで。ケンさんとリンフィアさん個人の場合はGのまま。ニールさんはSSのままです」


 「了解だ」



 これで正式にパーティを組むことになった。

 Dランクのクエストを受けていればEまではポンポンあげられるだろう。


 「おーいお前ら、とりあえず宿に戻るぞ」


 「はーい」


 「了解した」


 とりあえず今日は休んで明日クエストを受けることにした。

 俺は外に出ようとした。

 すると、


 「おい」


 男3人組に声をかけられた。

 装備品がやたらキラキラしている。

 どこかの金持ちだろう。


 「ンだよ。今出ようとしてたろ」


 「お前、その2人とパーティを組んでるよな? お前じゃもったいねぇから俺が組んでやるよ」


 うわぁ、と思わずにはいられなかった。

 この自己中っぷり。

 よほど両親から甘やかされたのだろう。

 なので、


 「やだ」


 と一蹴した。


 「なっ………!」


 「もったいねぇだ? どの口が言ってんだ、このボンボンが」


 その一言で周りがどっと沸いた。


 「ぎゃははは! ちげぇねぇ!」


 「良いぞボウズ!」


 囃し立てられて顔が真っ赤になる男。


 「こっ、この俺をコケにしやがって! やっちま……え………」


 面倒なので【威圧】を発動する。

 ついでにこちらをにらんでいる奴にもとばす。


 「調子のんなよ? 相手の力量も測れねぇザコが一丁前に人に命令してんじゃねェよ。とっとと失せろ!」


 少し力んで威圧が漏れる。


 「うわっ!」


 周りの冒険者は思わず体を仰け反らせた。


 「ひいいいいいい!!!」


 まともに威圧を喰らった男は奇声をあげながら逃げ帰った。


 「ハァ………おい、俺をにらんでる奴ら」


 すると、該当する者はビクッと体を震わせる。


 「お前らも、こいつらに手ェ出したら………わかってんな?」


 何も言わなかったが、もう向こうも手を出してこないだろう。


 「あ、ニールは別に手ェ出してもいいか。まあ出せるモンならって感じだけどな」


 「ケンくんまたですか」


 「手を出して良いとは何事か」


 「だってお前に手ェ出すバカいねーだろ」


 出すとしてもそいつは確実にサイフを取られる。


 「さ、帰んぞ」


 俺たちは帰路に着いた。

 ちなみに、これがきっかけで俺は金髪のガーディアンと呼ばれる様になったのは後で知った。




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