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第388話


 「仕方ない………また組むぞ、男女!」


 「その呼び方はやめろ!! トカゲ女!!」


 レイとニールか。

 なかなかに厄介。


 「こっちも奥の手を出しましょうか」


 ミレアの鉄球が円を作っている。

 レールガンが連鎖してとてつもない雷魔法のエネルギーがたまっているようだ。


 「我を忘れるとは不届きな男よの」


 白い塊がこちらに飛んできた。

 あれは、


 「げ、人型リルかよ」


 爪が変形している。

 戦闘スタイルは格闘系か。


 「行けるか? 我が主人よ」


 「行けます!!」


 リンフィアもやってきた。

 上空にはビリーとエルとマルフィが居る。

 やっぱりここで決着がつきそうだな。



 「ふゥー………………構えろ」



 ニールがそう言うと、俺をニール、レイが挟んで、少し離れた位置にリンフィアとリル。

 上空のマルフィの上にミレアが移動していた。


 「………行くぞッッッ!!!」



 「来いッッ!!!」



 俺を挟むように、ニールとレイが飛び込んで来る。

 ()()()()()()()

 そして、




 ガキンッッッ!!!!





 初撃を剣で受けた事で、轟音と共に火花が散った。



 「流石だな………」


 「だが、まだ終わらんぞ!!」



 猛烈な剣戟。

 両方同時に受けるというのは難しいので、片方を受けつつ、もう片方を避ける。

 剣の交わる高くて鈍い音と共に、地面を蹴る音が鳴り続けていた。


 すると、





 ビュンッッ!!!





 上に飛んで銃弾を避けつつ、横からくる剣を防いで、なんとか逃れた………わけではない。



 「甘いわァ!!!」


 丁度俺が飛ぶ地点を狙って飛んで来ているリル。

 鋭い爪をこちらに向けている。

 横に逃れようと思ったが、その地点には魔法弾が向かっている。

 だが、甘いというのはこっちのセリフだ。


 思考する。

 着弾地点、リルの爪が到達する時間を計測、判明。

 対処するにはどうする。

 ここで利用できそうなものは………………あった。

 うん、これなら良さそうだ。

 

 「いいねぇ………リフィ、今そのチョイスは俺を救っちまったぜ」



 俺は剣の鍔を二回指で弾き飛ばしながら、片方にはある魔法を込めた。


 その魔法は、少し強力なマグネティクス。

 そして、もう片方が銃弾についた瞬間、弾丸内の雷魔法が発動。

 強力なマグネティクスを込めた鍔の破片に弾丸が加速しつつ吸い寄せられる。


 「!!」


 「雷魔法は確かに速くなるが………」


 

 通り道にいたリルは勢いをつけて体を捻ったので、そのまま逸れていって攻撃を外した


 「今回はそれが仇になったな」

 

 

 ニヤリと、


 「?」


 「空中では上手く動けまい」



 「!!」


 俺は真上を向いた。

 ブレスだ。

 レイ、マルフィ、ビリーのブレスが飛んでくる。





 ゴォオオオオ!!







 「チッ!!」



 俺は風魔法で地面に逃れる。

 すぐ近くにはレイがいた。

 だが、襲ってこない。

 理由はすぐに知ることになる。






 バチチチチッッッッ!!!!






 着地と同時にだった。

 上空からの強力な雷魔法が飛んで来て、それは既に俺の頭上数センチまで来ている。

 極限まで加速したレールガンは、雷属性の弾丸の数倍の速さを持っていた。

 間違いなく当たる。


 ——————本来なら。





 「上空からの電撃が来るのは見え見えなんだなァ、これが」



 付加した魔法を発動。

 レイの剣が薄く光る。

 すると、ギュンッ!! と電撃が急カーブをしてレイの剣に向かっていった。

 そう、マグネティクスだ。


 強制付加。

 弱い装備なら、直接か間接的に魔法を付加させて、意図的にキャパを超えさせて、武器破壊を行うというのが一般的な方法だ。

 しかし、ある程度の奴になると、ちょっとくらいでは壊れない上に、触れている時間が一瞬なため、つけられたとしても一つ。

 後からつけようとしても、反発してつけられないので、今では殆ど使えない技法だが、こんな風に利用も出来る。


 

 「ぐッッッッ!!!」



 強力な電撃を受け、もはや防御に専念するしかなかったレイに大きな隙ができる。




 「フッ………やれ」



 「残念だったな、レイ。次を楽しみにしとくわ」



 急所を狙って攻撃。

 上手くそこをついて気を失わせた。




 「さて………一番近いのは」


 俺は次の獲物を捉えた。



 「リフィだな」


 俺はリンフィアとリルのいるところまで飛んで行こうとした。

 すると、




 「まずは私からにしておけ」


 

 背後からの剣を受け止めた。

 ニールだ。

 しかし、それだけではない。


 「!!」


 上空からのマルフィの黒炎を避けていく。

 だがかなりの数だ。

 範囲も広いのでステップを踏んで躱す。

 すると、



 「!?」



 俺は咄嗟に後ろに剣を回して防御。

 背を向けていた火柱から剣が出ていた。

 しかし、火柱が消えた頃には、ニールは別に場所に移動している。

 いい連携だ。

 マルフィも俺を狙うだけではなく、何らかに方法でニールの望む方へ攻撃をしているらしい。



 そら来た。



 俺は剣を受け止める。




 「短期間でよくもまぁここまでやったもんだな」


 「竜との意思疎通には慣れている」


 剣を弾くと、ニールが後ろに飛んだ。

 そこに行こうとすると、また黒炎が飛んで来て阻止される。



 チッ、このままでは擦り傷くらい負わせられちまいそうだな。

 エルのヤツとんでもねェ魔力貯めてやがる。

 俺から引っ張りやがって。


 「だったら、一撃必殺だな」

 

 二刀共鞘に納め、構える。

 光魔法だ。

 そして、全開の威圧を発する。



 ズォオオッッッ!!!!



 そろそろだな。

 ここだ。

 ここで決まる。

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