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第284話


 まぁ、この結果はなんとなく予想していた。


 「うおッ!?」


 球体からバチッという音がなる。

 黒い玉が他の玉に当たると、音を鳴らすのだ。


 「130秒。Bランクだ」


 最初に失敗したのは、


 「終わりだ、ガリウス」


 ガリウスだった。

 パワータイプのガリウスは、どうしても精密さに欠ける。

 強度と魔力量はピカイチなので、そこが残念だ。


 「お前、まァたパワーばっか上げてんだろ」


 「いいだろうが別にヨ。お陰で火力はクラス一………はアニキか。とにかくトップなんだ」


 少し思い違いをしている。

 教えてやるか。


 「お——————!?」


 ファルグは俺に目で合図した。

 まだ教えるな、と。

 おそらくファルグは自分から聞きに来させたいのだろう。

 教師としては当然と言えば当然だろう。

 

 だからファルグは俺を止めた。

 だが、



 「アニキ、やっぱり俺様、精密度も鍛えたほうがいいっスかね?」



 今のガリウスは結構素直なのだ。

 俺がいるからな。


 「そだな。精密度はあげたほうがいい。精密度ってのは、ただ単に細かい操作が出来るようになる力のことじゃねーんだ。魔法を使う時の効率だって上がる。無駄を省いたお前の一撃は、多分今より数段上だぜ」


 「ヘェ〜! そうなんっスか! そんじゃ、今度から鍛えてみますよ!」



 素直な舎弟だ。

 素直に忠実に指導を受け、行動力もあるこいつはおそらくものすごく伸びる。

 俺が面倒を見れば、だがな。


 「あのガリウスが言う事を聞くなんてな。舎弟ってやつかイ?」


 「おう。なんか気に入られてな。迷惑なわけでもねーし、舎弟になるのを了承したわけだが、これがまた結構楽しいんだわ」


 「奴は、気に入ったやつとはとことん仲良くするが、それ以外とは完全に壁を作っちまうからな。元の性格はいいんだから、みんなと仲良くすりゃア一番楽なんだろうが、そういう訳にもいかなさそうだしな。第一、そのみんながあいつを遠ざけちまってる」


 「………」


 そうか。

 向こうにいた頃の俺と似たような感じか。




 「何みてんだコラァ!?」



 ………あそこまで敵意むき出しじゃ無いけどな。





 3人は、まだまだ続いていた。


 「ミレア、やっぱりなかなかやるねぇ。僕も腕を上げたつもりだったけど。ていうか、ウォルスがここまで保ってることが意外だったなぁ」


 「それはどうも。俺もこれは得意なんだ」


 「2人とも、集中しなさい」



 5分を超え、Aランクに突入する。

 今まで誰も超えなかったラインをいとも簡単に超えたのだ。


 だが、




 「しまっ——————!」


 ウォルスが失敗すると、続けて、


 「わっ!!」


 シャルティールと、


 「うっ………!」


 ミレアも失敗してしまった。

 この五分というのは、かなり絶妙なラインだ。

 どんな使い手も、5分前後でだいたい脱落してしまう。


 「ウォルス、シャルティール、ミレアの順から、330、337、348。全員Aランクだ」



 おおっ! と歓声が上がる。

 流石にAランク。

 エリート集団の中でも特にエリートである。


 「ま、お前ら3人はAとっても特に面白みはねーな」


 「ひどいなぁ。僕達だって同じ特科なのに。ねー、2人とも」


 「私は褒められたく無いので別に構いませんが………」


 こいつ教師相手でもこんな感じか。


 「俺も別になんとも思わないけど」


 「えー!」



 ガキかお前は。

 それにあれは暗にお前らは優秀だって言ってんだよ。



 「次は最後だ。ケン、ローゾル、フォナ、エドゥラ」



 一緒にするメンバーを見てみる。

 最後に残るメンバーと言うのは、ものすごく自信のないやつか、ものすごく自信のあるやつのどちらかだ。



 「初めましてなのネ! 私フォナ。よろしくなのネ、ケンくん」


 喋り方の癖がすごい。

 紫髪でチャイナなお団子ヘアだ。


 「よろしく」


 「ぼきゅは、エドゥラ。よろしゅね、ヒジリきゅん」


 「お、おう。よろしく」


 このザ・オタクっぽいまる眼鏡もなかなか癖が強い。

 元いたところのクラスメイトに中本来栖朱と言う完全名前負けなオタクがいたが、そいつと同じ雰囲気を感じる。

 

 だが、こいつもチャイナも魔力に揺らぎがない。

 多分、相当の自信を持っている。


 気合が入ったところでいざ始めようとした瞬間、


 「あ、忘れてた。お前ら、この結果から今度の合宿のグループを決めるからな。編成する時の基準は言わねーけど」


 「「!!」」


 「「合宿?」」


 俺とウルクだけぽかんとしていた。

 合宿など聞いていない。


 「年に一回行われる合宿だ。班を決めて、そいつらと一緒に戦闘訓練を行う。具体的には、お前らの実力にあったクエストを特別にランク関係なしに発注してもらって、1週間程かけてクリアしてもらう」


 「コネか?」


 「コネだ」


 知り合いにダグラスいるもんなー。



 「うおおおおおおおおおお!!! どうせ今回も成績順で決めるんだ! だったら会長と同じ班を狙うぞォォォ!!!」



 「「うおおおおおおおォォォォ!!!!」」



 男連中の気合が半端ない。

 そこまでしてお近づきになりたいのか。


 「ひっ………怖気が………!! 」


 ミレアにしては珍しくビビっている。

 流石にあれは引くわな。



 「ま、どうでもいいか。さてと、俺もいっちょ頑張るとすっかな」

 

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