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第1520話

お久しぶりです桐亜です。

この度はしばらく更新が出来ず誠に申し訳なかったです......

繁忙期と資格試験が重なったせいでしばらく色んなことが手付かずで......本当に申し訳ないです。


今日から少しずつ復活しようと思います!

まだまだ投稿頻度は不安定になると思いますが、頑張って慣れて行こうと思うので、どうかよろしくお願いします!


 「バッ!? 闇雲に出たら—————————」




 武器を手に、ボルゾドの魔族達は敵へと一直線に駆け出していた。

 以下の戦闘狂といえど、彼らは特別強い訳ではない。

 血を見るのは明らかだった。



 だが、止めねばならない。

 やっている事は自殺行為だと、間に割って入ろうとするが、ふと考える。




 妙だ、と。

 大群はいつの間にか、敵の目の前に。


 おかしい。

 早過ぎる。

 その疑念を膨らませるように、事は進む。



 雪崩れ込んだ大群は、考える間に衝突し—————————





 「………………なに?」





 敵に発する驚嘆の声の通り、予想外の事態に。

 そう、あり得ない事が起きていた。




 「ォおお押し切れぇええええェィ!!!」




 怒号と共に、精鋭たちの攻撃を受け切り、耐え切った。

 言って仕舞えば端役、モブとさえ言われかねない彼ら一般市民が、精鋭の攻撃を受け止め、生き残っているのだ。


 蓮もラクレーも、揃って戸惑っていた。




 「どう、なってる………」


 「魔力と身体能力が跳ね上がってる。それに技も………成長、なんて簡単な言葉で片付けていい変化じゃない」




 そう言いながら、ラクレーは自身の内にもある変化を感じ取っていた。

 あの町民ほどではないにせよ、妙な昂りを感じていた。


 それは決して気分だけではない。

 実として、力の増強を感じ取っていた。




 「そっか。うん………リンフィアの弟がこの町を欲しがる訳だね………レン」


 「はい?」


 「ここは多分、あたしだけでも保つと思う。だから………」


 「!」





 ラクレーが目を地下へと向ける。

 多くを語らずとも意図は理解した。


 蓮がただただ深く頭を下げ、地下への入口に向けて走り出した。




 「ふぅ………それじゃあ、こっちも少しためそうかな」





 そう言って剣を抜いたラクレーは、敵陣の真ん中へと突っ込んでいった。










——————————————————————————










 「! よしっ、着いた」




 影を使い、激戦区ど真ん中んへと転移した琴葉とリンフィア。

 即座に背中を合わせ、周囲を警戒する。


 既に戦いは始まっており、あたりには多くの魔族が倒れていた。



 しかし、





 「ちょっと………出遅れちゃったみたいだね」


 「はい、こんなに犠牲が………」




 と、沈んだ顔をするリンフィアに、“いや”と琴葉は待ったをかけた。




 「活躍の場を、取られちゃったってこと」


 「え………………」




 そう言われて改めて周りを見たリンフィアは、倒れている魔族が皆同じ格好をしていることに気づいた。


 彼らは、今となっては敵になった帝国の兵士たちだった。




 「きゃっはっはっは!!!」


 「!!」




 悲鳴と断末魔の中から時折聞こえる甲高い声。

 声の先からは、常に破壊の音がついて回っていた。


 あれだけ皆が苦労した帝国の兵を、まるで雑兵とばかりに薙ぎ倒し、なおも暴れてる何かがいる—————————





 「—————————遅かったじゃないか。コトハ。こっちはもうお楽しみの真っ最中だよ」


 「!?」




 —————————そう、いる。

 いや、()()

 その感覚は、強く危機感をリンフィアに覚えさせ、魔力を破裂出せるように引き出しながら振り返らせた。


 完全に、意識外だった。


 しかし、振り返れば確かにそこにいる。

 今のリンフィアを超える強者がそこに、音もなく、唐突に、当然の如く側にいたのだ。




 「もー、やめてよボス。私のときもそれしたじゃん」


 「へぁっはっは。酒ェ飲むとついつい遊びたくなるのさ。ただまぁ、ちょいと無礼だったかねぇ?」




 力を封じるために目に当てている布の奥から、値踏みするような視線を感じた。

 特徴的な蛇のような髪。

 その眼帯。

 そして戦場に時折見える、石になった武器や鎧。


 それらは全て、彼女が悪名高いメデューサであるということを示していた。



 だが、




 (………?)




 不思議と、警戒はすぐにとけ、何故か安心感が残った。

 女に近づいていくリンフィア。


 そしてボスと呼ばれたメデューサの目の前に立つと。




 「やァ、魔王サマ。アタシはこの街で頭ァやってる、ぅ…………あふん」




 と、髪の蛇をつーっと指でなぞられたメデューサは、うっとりした様な顔で、ふいにそんな声を出した。




 「あふん?」


 「い、いやこれは違くて!!」




 そして、リンフィアは安心感の正体を確信した。


 リンフィアは、彼女を知っている。

 それは、味方の少なかった子供時代、リンフィアに出来ていたニール以外の数少ない友人。


 目の前の彼女同様、真っ白い鱗で赤い瞳の子蛇。

 その呼び名は、




 「ニョロちゃーん!!」


 「その呼び名で呼ぶんじゃないよっ!!」




 メデューサ改めてニョロちゃんは、顔を真っ赤にしながら手で顔を覆っていた。

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