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第1503話

投稿が遅れてしまって申し訳ありません!

後書きにて詳細を語りますので、よろしくお願いします!


 「魔界………人間界とは違う、異常な日常か………」



 景色は人間界とはなんら変わりない。

 だからこそ、それは人間界に住む蓮達にはひどく歪に見えた。


 やはり、ここは“魔”界なのだと。




 「暴力の街ね。あたしとしては分かりやすくていい」




 と、柄に手を触れながらラクレーはそう言った。

 交戦的なラクレーだが、それは違うとリンフィアは首を振った。



 「ただ喧嘩っ早いだけの種族なら、“魔”なんて付きませんよ。そうじゃないから厄介なんです」



 そうじゃないから、恐ろしいのです。

 そう言わないのは、いう必要がないから。


 それは、肌で感じ取れる。

 見て取れる。

 ボコボコにされ、なお笑顔で倒れている男の魔族の顔に、その答えは映っていた。




 「色々考えても仕方ないです。やるべきことをやりましょう」


 「まずは捜索だね」



 と、蓮は難しい顔をしてそう言った。

 そう、例の秘宝について、リンフィアは正確な場所を知らなかった。




 「はい。それと多分、ここには敵も来てる可能性が高いと踏んでいいでしょう」


 「「「!!」」」


 「その心は?」


 「マイさんとメイさんです。ヴェルデウスの娘である彼女達は、既に魔族側に顔が割れていますから。もしなんらかの情報を彼女達から得たとして、例の秘宝を探すために長期間敵の手にある人がこの街にいてもおかしくはないですよ」



 マイとメイ。

 フェルナンキアの冒険者ギルドマスター、ダグラスの補佐とその街の宿屋の娘。

 しかしその正体は、ヴェルデウスの失脚を理由に人間界に逃げてきた彼の娘。


 彼女達であれば、確かに秘宝を知っていてもおかしくはない。




 「敵がいるとも限りませんわ。悪い意味でも。例えば、もうすでに秘宝が敵の手に渡っている可能性もおありなのでしょう?」


 「ないとは言い切れませんよ、フィリアちゃん。でも、多分あります」




 言い切らないと言った割には、リンフィアはやけにはっきりとそう言い放った。

 



 「何か根拠でも?」


 「秘宝の種類………いや、特性………でしょうか。なんとなく目処が立ってます。予想通りなら、まだここにあります。だったらきっと敵も狙っているはずですから、捜索のためにこの街の特性を………」



 (敵、か………)




 大丈夫だと、以前拠点でリンフィアが言っていた事を蓮は思い出していた。

 しかし、言葉の端からこぼれ出るピリつきは、蓮にもわかる。


 懐かしい………そう、懐かしいだろう。

 懐古と共に、甦る記憶はいいものもある。

 しかし、それだけではない。

 記憶とは、そういうものだ。



 そんなモノローグに、ポツリと、警戒心を突いてくる視線と気配が入り込む。




 「………っ! おいッッ!!」


 「っ」



 と、ついつい声を荒げてしまった蓮。

 目線の先には、フィリアのポーチに手を伸ばしていた小鬼の魔族、そしてそこへ僅かに殺気を漏らす。

 悪手だったと、即座に理解する。




 「やば、失敗、失敗」




 と、焦った様子もなく、じっと見つめていた。

 いやむしろ、笑っていた。

 小鬼が笑いかける先は、フィリア………ではなく、前に立つ蓮であった。


 状況が理解ができず、蓮はフィリアを庇いながらも困惑していた。




 「………?? あれ、戦わないの? もしかして、半魔だったりする?」


 「何を………」


 「そうですよ。だから吹っかけてきても無駄です」




 ニッコリと、貼り付けたような笑顔を浮かべ、リンフィアはそう言った。

 小鬼はつまらなさそうに口を尖らせ、その場を後にした。




 「な、なんだあいつ………いくらケンカの多い街だからって、そこまでして………」


 「彼だけじゃないです。これが魔族で、この街の特性なんですよ」


 「特性だって………?」


 「言ったでしょう、厄介だって………」




 ゾロゾロ、と。

 周りの魔族達が一斉に注目をしていた。


 皆、同じ方—————————蓮を見ている。




 「殺気が周りに漏れたせいでしょう。………ごめんなさい、レンくん。先に魔族について説明しておくべきでした。てっきり知っているのかなって………」


 「いやそれは全然構わないよ。で、なんで俺は注目されてるのかな」


 「魔族は喧嘩っ早い種族ってわけじゃないです。そうじゃない人もいる。………でも、その人は別の方向に、異常な好奇心だったり、欲を持っていたりします。簡単に言うと、魔族っていうのは、誰よりも本能に忠実で、欲深い種族という事です」



 今一要領を得ず、フィリア達は首を傾げていた。

 しかし、視線を浴びている蓮は直感する。

 その性質の悍ましさを。



 「………とりあえず、今は逃げましょう!!」


 「了解!」



 五人はすぐにその場を後にした。

 追うものはいない。

 ただし、その視線は視界から消えるまで剥がれる事はなかった。


 何か大事な忘れものをしてしまったような、落としてしまったような、後々の面倒を感じ避ける不快なものだけが、蓮には残っていた。

どうも、桐亜です。

この度は1週間ほど投稿ができず、大変お待たせいたしました。

一応動いてはいたのですが、就職後初の体調不良に見舞われて、筆を進めることが出来ていませんでした。

加えて、ここ数日投稿頻度がかなり不安定になってしまっていることも申し訳ないです。


でも、約束通り書き切ります!

それだけは貫きます!


しかし、元々メンタルが弱いこともあり、仕事で結構やられているので、今後も不定期になってしまうと思います。

なので、今後はなるべく4日、出来なくても5日に1話を目標に書いていきます。

仕事に慣れて、環境にメンタルが耐えられるまではご迷惑をおかけしますが、頑張りますので、どうか応援よろしくお願いします!


ご意見ございましたら、感想欄やX等までお願いします。

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